一般政府歳出の国際比較をグラフ化してみる(最新)

2018/02/08 04:56

2018-0206先行記事【国民負担率の国際比較をグラフ化してみる】において、OECD(経済協力開発機構)の公開データベース【OECD.Stat】の公開値を基にOECD加盟国における国民負担率の実情を確認したが、その中で日本は対GDP比において国民負担率が低く、結果として一般政府(中央政府だけでなく地方政府や公的な社会保障基金を合わせた公的機関の総体)の金銭的な規模が小さなものとなっている、いわゆる「小さな政府」状態であることについて触れた。今回は一般政府の支出、つまり歳出側からその実情を確かめることにする。

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データの取得元はOECD.StatのEconomic Outlookから表示種類選択VariableにおいてGovernments accounts(政府会計)の中のTotal disbursements, general government, as a percentage of GDP(一般政府の総支出、対GDP比)を選択。現時点の最終更新は2017年であり、収録されている実データの年次最新値は2016年となるので、2016年分の値を抽出する。

↑ 一般政府歳出の国際比較(対GDP比、主なOECD加盟国、2016年)
↑ 一般政府歳出の国際比較(対GDP比、主なOECD加盟国、2016年)

「主な」との表記があるのは実のところ、データベース上ではOECD加盟国のうちチリ、メキシコ、トルコの3か国はデータが未収録のため。これらの国では一般政府歳出の対GDP比が低めであることが予想されるため、OECD平均値も実情としてはもう少し低いものになるはずだ。

そのOECD平均値は40.4%。つまり平均として国内で新たに生み出された商品やサービスの付加価値の総額の4割ほどが、国の維持発展のために一般政府から供出されていることになる。

値がもっとも高いのはフランスの56.4%、次いでフィンランドの55.8%、デンマークの53.6%と続く。ユーロ圏の平均も併せ、一般政府歳出の対GDP比が高い国は欧州圏に集中している感はある。他方、アメリカ合衆国やオーストラリア、ニュージーランド、カナダのような非欧州圏では低め。イギリスは例外的に欧州圏ではあるが低い値を示している。

日本は38.7%でアメリカ合衆国の次に高い値。OECD平均よりは低く、G7平均よりかなり低い。日本が「小さな政府」であることが改めて確認できる次第ではある。あるいは欧州圏では文化的性質の上で「大きな政府」に一般政府の施策のかじ取りが行われやすいのかもしれない。

先の【国民負担率の国際比較の推移をグラフ化してみる】同様に、G7該当国であるカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ合衆国、そして国民負担率の上で租税負担率と社会保障負担率の関係が特異な国としてオーストラリアとデンマーク、さらに日本の近隣国、OECDの平均値とG7の平均値(当方で独自算出)について、取得可能な値の推移をグラフに描き起こしたのが次の図。

↑ 一般政府歳出の国際比較推移(対GDP比、主なOECD加盟国)
↑ 一般政府歳出の国際比較推移(対GDP比、主なOECD加盟国)

比較できる限りでは日本は昔も今も、一般政府歳出の対GDP比は低い、「小さな政府」状態が続いていることが分かる。1970年代と1990年代の2度にわたり大きな上昇があったものの(もっとも1990年代の上昇はその後20年近くの間の下落で帳消しとなり、2010年前後で再び上昇に転じている)水準としては低いまま。

日本の「小さな政府」状態は昨日今日に始まった話では無く、昔から継続しているまでのお話に違いない。もっともアメリカ合衆国やニュージーランドも似たようなものなので、国の特性によるところが大きいのだろう(カナダは例外で、1990年代に大きく下落するまでは上昇の一途にあり、欧州圏と似たような「大きな政府」状態だっだが)。


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