国民負担率の国際比較の推移をグラフ化してみる(最新)

2018/02/08 04:55

2018-0206先行記事【国民負担率の国際比較をグラフ化してみる】において、OECD(経済協力開発機構)の公開データベース【OECD.Stat】の公開値を基にOECD加盟国における国民負担率の実情を確認した。今回は同じ公開値を用いてG7など主要国の国民負担率の推移を見ていくことにする。

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OECD.Statに収録されている国民負担率関連の値は、一部の国では空白の年もあるが、1965年以降となっている。そこで1965年以降の動向をグラフ化する。対象国はOECDの加盟国すべてでは雑多すぎるので、G7該当国であるカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ合衆国、そして国民負担率の上で租税負担率と社会保障負担率の関係が特異な国としてオーストラリアとデンマーク、さらに日本の近隣国として韓国を取り上げる。またOECDの平均値とG7の平均値(当方で独自算出)も併記する。言葉の定義などは先行記事の「民負担率の国際比較をグラフ化してみる」を参照のこと。

まずはじめは国民負担率の推移。平均値は破線で、日本は影付きの線で記している。

↑ 国民負担率(租税負担率+社会保障負担率)の国際比較(対GDP比、G7該当国など)
↑ 国民負担率(租税負担率+社会保障負担率)の国際比較(対GDP比、G7該当国など)

大よその国では増加傾向にあるが、ドイツやイギリス、カナダなど一部の国では横ばいの動きを示している。

日本は元々大変低い水準に留まっており、1990年ぐらいにかけて上昇した後、一時的に下落した後にほぼ横ばい、そして2010年以降は再び上昇に転じている。ただし国民負担率そのものは非常に低い水準が維持されており、見方を変えれば日本(政府)における歳入の規模が小さい、他国との比較における相対的な「小さな政府」状態は昨日今日に始まったものでは無く、昔からのものであったことが分かる。昨今の上昇でようやくOECD平均やG7平均に近づき始めたかな、という程度。

これを租税負担と社会保障負担に分けて見ていく。まずは租税負担。

↑ 租税負担率の国際比較(対GDP比、G7該当国など)
↑ 租税負担率の国際比較(対GDP比、G7該当国など)

社会保障が税金でまかなわれているデンマークが突出して高い値を示し続けている。他方、その他の国はイタリアのように漸増を示す国もあるが、大よそはほぼ横ばいのままの推移。

日本はバブル期にかけて増加し、バブル期にはほぼ最大値(税収額では無く対GDP比であることに注意。ただし景気がよくなると多く稼ぐ人・組織に累進課税が適用されたり、非課税対象者だった人が課税対象になるまでに稼げるようになるため、景気の善し悪しも少なからぬ影響がある)。消費税が新規導入された1989年(度。会計年度での計上のため)から1990年にかけて最大値の20.8%をつけ、それ以降は失速。2010年あたりから再び増加に転じているが、今なお国際比較の上では大変低い状態にあることに違いは無い。

社会保障負担の推移は次の通り。

↑ 社会保障負担率の国際比較(対GDP比、G7該当国など)
↑ 社会保障負担率の国際比較(対GDP比、G7該当国など)

OECD平均やG7平均の動きは国民負担率のとほぼ同じ。1980年代までは上昇し、その後はほぼ横ばい。デンマークやオーストラリアのような特異な国(前述の通り税金で社会保障が行われているため、別途社会保障の負担が課せられていることはほとんど無い)は別として、大よそ同じような動きをしている。

他方、韓国や日本のように、ほぼ一貫して上昇を続けている国もある。日本の社会保障負担は1965年時点では3.8%だったが、最新の値となる2015年時点では12.1%。実に約3.2倍にまで膨れ上がっている。元々社会保障負担率でも日本は国際比較の上では低かったが、この上昇に伴いOECD平均やG7平均を超えているのが現状。

この社会保障負担率の上昇が、国民負担全体の増加の主要因であるのが、改めて確認できる次第ではある。


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