男性2031万人、女性2453万人…映画館での映画鑑賞実情をグラフ化してみる(最新)

2017/11/27 05:03

2017-1122昨今では名作が続々輩出され社会現象も生じている映画業界。DVDなどの販売市場も業界に大きな影響を与えるが、何より重要なのは映画館での上映実績に他ならない。映画業界は苦境にあえいでいるとの話もしばしば見聞きするが、実情として一般の人たちはどれほど映画館に足を運んで映画鑑賞をしているのだろうか。総務省統計局が2017年7月14日以降順次結果を発表している2016年社会生活基本調査の結果を基に、その実情を確認する(【平成28年社会生活基本調査】)。

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映画館での映画鑑賞人口は4483万人


今調査の調査要綱は先行記事【ボランティア活動の実態をグラフ化してみる】を参照のこと。

次に示すのは直近となる2016年時点において、過去1年間に1日でも映画館で映画鑑賞をしたことがある人(行動者)の人数と、各属性人口に対する比率。例えば男性総数では36.8%とあるので、10歳以上の男性のうち36.8%が過去1年間に1日以上映画館で映画鑑賞をしたと回答している。

↑ 映画館での映画鑑賞の男女・年齢階層別行動者率(2016年)
↑ 映画館での映画鑑賞の男女・年齢階層別行動者率(2016年)

↑ 映画館での映画鑑賞の男女・年齢階層別行動者数(2016年)(万人)
↑ 映画館での映画鑑賞の男女・年齢階層別行動者数(2016年)(万人)

映画館で映画を鑑賞した人は4483.3万人。男性が2030.8万人で女性は2452.5万人。年齢階層別では男性は10代後半がもっとも多く、次いで20代前半、10代前半と続く。10代が多めなのは、子供向けの映画を保護者と共に鑑賞しているのだろう。

他方女性は最大人数を示しているのは意外にも40代前半の250.6万人で、次いで20代前半、10代後半と続く。未成年と中堅層で一定の盛り上がりが生じるのは男女で変わらないが、女性は中堅層の方が多いのがポイント。保護者の立場として子供と一緒に足を運んでいるのがカウントされているものと思われる。

これが対人口比となると、男女共にきれいな形で若年層が高く、20代後半から30代前半にかけて大きく落ち込み、あとは緩やかな減少を示していく。女性は10代前半よりも10代後半から20代前半の方が高い値が出ているのは興味深い。調査期間当時は「君の名は。」が上映中であり、これが少なからぬ影響を及ぼしたのかもしれない。

家族構成別での動向は?


続いてライフステージ別の動向を確認する。具体的には学生か、独身か結婚しているか、そして結婚していた場合には子供がいるかいないか別の、映画館での映画鑑賞動向を見るものである。男女で大きな違いがあるため、男女それぞれに仕切り分けして別途行動者率を算出している(比較しやすいように男女間で縦軸は揃えてある)。

↑ 映画館での映画鑑賞の就業状態・ライフステージ別行動者率(2016年)(男性)
↑ 映画館での映画鑑賞の就業状態・ライフステージ別行動者率(2016年)(男性)

↑ 映画館での映画鑑賞の就業状態・ライフステージ別行動者率(2016年)(女性)
↑ 映画館での映画鑑賞の就業状態・ライフステージ別行動者率(2016年)(女性)

まず男性。ほとんどの場合、無業者よりも有業者の方が行動者率は高い。時間的な余裕は無業者の方があるはずだが、金銭的な問題か、興味の方向性の差異が出ているのだろうか。独身では若年層の方が行動者率が高く、年を経るに連れて落ちていく。無業者で45-64歳層が増加する傾向があるのは興味深い。

子供がいない世帯では有業者は35歳未満がピーク、無業者は35-44歳がピーク(35歳未満で無業者が空欄なのは有意値が計上されていないため)。自分自身の趣味で観賞しているのだろう。他方子供がいる世帯では有業者は大よそ子供が幼いほど行動者率が高い傾向がある。子供向けの映画を共に鑑賞するパターンだろうか。しかし無業者の場合は法則性は特に見られない。

女性は男性と比べて有業・無業を問わず行動者率は高い。独身では有業者・無業者共に35歳未満がピーク。結婚をしている場合、子供がいない世帯では大よそ独身と同じ値の動きを示すが、子供がいる世帯では子供が就学前は低めで小学生になると高くなり、その後も減少度合いは緩やか。本人ではなく子供の付き添いで映画館に足を運んでいる様子が想像できる。末子が高校生までは減少しているが大学生になると増加するのは、子供の世話を考えずに自分の好みで鑑賞できる時間が取れるのも一因かもしれない。

月1以上の鑑賞者は597万人


今調査では1年間を通して1日でも映画館で映画鑑賞を利用した人だけでなく、利用頻度についても尋ねており、いくつかの仕切り分けで実情を確認できる。そのうち、年に10-19日以上(月に1日以上)の頻度を合算し、該当する人を集計したのが次のグラフ。映画館に足しげく通う人、映画館での映画鑑賞マニアとでも呼ぶべきだろうか。

↑ 映画館での映画鑑賞の男女・年齢階層別行動者率(2016年)(年に10-19日以上(週に1日以上))
↑ 映画館での映画鑑賞の男女・年齢階層別行動者率(2016年)(年に10-19日以上(週に1日以上))

↑ 映画館での映画鑑賞の男女・年齢階層別行動者数(2016年)(年に10-19日以上(週に1日以上))(万人)
↑ 映画館での映画鑑賞の男女・年齢階層別行動者数(2016年)(年に10-19日以上(週に1日以上))(万人)

10歳以上全体比では男性は5.0%、女性は5.5%。総数は男性279.5万人、女性317.3万人、合わせて596.8万人。思った以上に多くいるという実感。あくまでも月1以上での仕切り分けだから、中には月に2回も3回も通う人も少なからずいる。昨今では一部の映画で何回でも繰り返し鑑賞するのを楽しむ動きも見られるが、それもまた映画の楽しみ方の一つであり、ある意味その映画への愛情表現、投資活動でもあるのだろう。

比率も人数もほぼ同じ傾向で、男女共に20代前半がピークで、それ以降は30代までは低めとなり、40代以降は60代まで大よそ男女とも各階層で20万人前後を維持することになる。30代で凹むのは仕事や家事で多忙だからかもしれない。


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