子育て中の女性のスマートフォンなどの利用実情(最新)

2017/11/25 05:09

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2017-1118育児は子供への注力時間が長期に渡ること、しかも常に何かをしているわけでは無く事実上の監視の時間が長いことから(警備員と似ているとの表現もある)、身体面だけでなく精神的な疲労も大きなものとなる。ところが昨今ではスマートフォンを育児のさ中に使うことで、不足している育児関連の情報を取得できるだけでなく、精神面でのストレス対策に大いに役立つとの話がある。今回は総務省統計局が2017年7月14日以降順次結果を発表している2016年社会生活基本調査の結果を基に、幼い子供を持つ夫婦世帯の妻における、スマートフォンやパソコンなどのインターネット使用の動向から、育児中の女性のスマートフォンの利用実態を確認していく(【平成28年社会生活基本調査】)。


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日中の育児にスマートフォンは欠かせない存在


今調査の調査要綱は先行記事【ボランティア活動の実態】を参照のこと。

次に示すのは子供が居る夫婦世帯のうち末子が就学前(小学校入学前)の世帯における妻の、平日で「スマートフォン・パソコンなど」の使用をした人の時間帯別割合。今件における「スマートフォン・パソコンなど」を使用した人=行動者とは、インターネット接続により得るサービスの使用を意味する。また、インターネットに接続して入手したアプリケーションや音楽の使用も含む。さらに学業や仕事での使用は該当しない(仕事は「職場での使用」と限定されていないので、自宅で自発的に仕事目的のために情報検索をする場合も該当しない)。要はプライベートでのインターネットの使用である。

なお、時間帯での仕切り分けでは無く、平日1日全体としての行動者率は88.3%となっている。

↑ 「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、平日)(子供がいる夫婦世帯で末子が就学前の妻)
↑ 「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、平日)(子供がいる夫婦世帯で末子が就学前の妻)

さすがに深夜時間帯はさほど高くはないが、それでも数%の人が使用している。子育てのさ中でなのか、単に自分の趣味のための利用なのかまでは判断できないが(プライベートでの使用には違いない)、夜泣きなどで眠れない、起こされた時に、スマートフォンを用いることはあるのだろう。

起床・朝食時間をすぎると一気に行動者率は跳ね上がり、以降ほぼ同じ4割近くの値を維持する。恐らくは専業主婦でスマートフォンなどを使える人が、一様に使い続けているものと思われる。

そして夕食時間後は行動者率が大きく跳ね上がる。パートなどをしている人も自宅に戻り、育児を行う人が増える。21-24時の時間帯では56.2%もの人が利用している。

具体的には何をしているのか


それでは具体的に、スマートフォンなどで何をしているのだろうか。具体的な行動を次の4区分に仕切り分けして、それぞれの行動者率を確認したのが次のグラフ。

●ネットショッピング
 商品やサービスの購入。選んでいる時間も含む。

●趣味・娯楽
 映画鑑賞、音楽鑑賞、電子書籍による読書、ゲームなど

●交際・付き合い・コミュニケーション
 通話やメール、チャットなどによる会話
 SNSやブログなどのソーシャルメディアで行う情報交換やメッセージのやりとり
  (単に情報を得るための使用は除く)

●その他の使用
 ニュースの閲覧やその他の情報収集など

↑ 使用目的別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、平日)(「子供がいる夫婦世帯で末子が就学前の妻」全員比)
↑ 使用目的別・「スマートフォン・パソコンなど」の時間帯別行動者率(2016年、平日)(「子供がいる夫婦世帯で末子が就学前の妻」全員比)

朝方の使用ではニュース閲覧や情報収集が多めだが、日中はコミュニケーションが多分に及ぶ。「子供がいる夫婦世帯で末子が就学前の妻」の1/4近くは、日中にスマートフォンなどを用いてソーシャルメディアやチャットをしていることになる。育児の合間の使用は息抜きとして大いに有益に違いない。

夕食時間以降になると一気にコミュニケーションなどの行動者率は増える。しかし21時以降は相手も就寝していることもあるせいか、情報収集の方が多くなる。また、この時間帯ではネットショッピングの値が跳ね上がるのにも注目したい。自らの趣味の選択や、世帯全体の買い物をしているのかもしれない。



育児時間中のスマートフォンの使用には賛否両論がある。行儀が悪い、注力が欠けてトラブルが生じるかもしれない、昔は無かったのだから今でも無しでもできるはずだ、などなど。他方、実際に育児の際にスマートフォンを使うことで、ストレスを軽減できるとしてその効用を肯定する人も多い。

スマートフォンもまた道具の一つに過ぎない。上手に使いこなし、育児をする人に役立つのなら、大いに使うべきだろう。


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