アメリカ合衆国の飲酒状況をグラフ化してみる(2016年、CDC版)

2016/12/12 10:00

たばこ同様に大人だけのたしなみ、し好品であると共に、身体には概してマイナスの影響を与えることから、昨今の健康志向を受けて飲む人が減っているといわれている「お酒」。今回はそのお酒の飲まれ具合について、アメリカ合衆国の現状を公的機関のデータを基に探ることにした。

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大人による単純飲酒率は53.1%


データ取得元はCDC(Centers for Disease Control and Prevention:米疾病予防管理センター)内の内部部局Behavioral Risk Factor Surveillance System(BRFSS)にある【BRFSS Prevalence & Trends Data】。ここから飲酒関連を確認するのには「Alcohol Consumption」を選択する。収録値は原則大人(18歳以上)のもの。なお国全体の値ではなく各属性の値に関しては、同ページでは各州の調査結果しか公開されていない。そこで属性別動向に関しては各州の値を元に加重平均法により全体値を独自に算出している。また現時点で直近値は2014年分のものとなる。

まずは調査時点で過去一か月の間にアルコールを口にしたか否か、つまり単純な「現在飲酒率」。全体では2014年時点で53.1%との値が出ている。見方を変えれば、この一か月間にお酒を口にしていない大人は47%程度。

↑ 過去一か月にアルコールを口にした(アメリカ合衆国、18歳以上、2014年、CDC・BRFSS)
↑ 過去一か月にアルコールを口にした(アメリカ合衆国、18歳以上、2014年、CDC・BRFSS)

男女別では男性の方が10%ポイント強ほど飲酒率が高い。そして年齢別では25歳から34歳が飲酒のピークとなる(アメリカ合衆国で飲酒が法的に許されるのは21歳のため、18歳から20歳は飲酒は禁じられている。そのため「18歳から24歳」層が少なめの値が出るのはある意味当然)。

また属性別では高年収・高学歴ほど飲酒率が高くなる。きれいな右肩上がりをしていることも合わせ、意外に思う人も多いかもしれない。付き合いの上で飲酒が必要になる場合も容易に想定できるし、ハードワークの疲れを飲酒で誤魔化しているのかもしれない。また、単純に飲酒にはコストがそれなりにかかるため、お金周りの余裕の有る無しが反映されているとの見方もできる(学歴は世帯年収と相応の相関関係があり、多分な因果関係も考えられる)。

ヘビードランカーは1ケタ%


それでは飲酒の程度はどれほどなのか。そこで「ヘビードランカーか否か」を聞いた結果をまとめたのが次のグラフ。これは男性ならば1日3杯、女性は1日2杯以上飲むか否かを答えてもらい、「飲まない人も合わせた全体に対する比」を算出したもの。アメリカ合衆国の大人の5.9%は「ヘビードランカー」となる(「ヘビードランカー」の定義には多種多様なものがあり、日本のイメージと少々異なる感はある)。

↑ ヘビードランカーである(男性は1日3杯以上、女性は1日2杯以上酒を飲む)(アメリカ合衆国、18歳以上、2014年、CDC・BRFSS)
↑ ヘビードランカーである(男性は1日3杯以上、女性は1日2杯以上酒を飲む)(アメリカ合衆国、18歳以上、2014年、CDC・BRFSS)

酩酊状態18歳から24歳は上記の通り年齢制限上の問題があるにも関わらず、世代区分では最多の7.1%が「ヘビードランカー」扱い。実際には「飲酒できる人」の多分が結構な量を飲んでいることになる。そして大よそ歳を経るに連れて値は下がっていく。

注目したいのは世帯年収・学歴の部分。それぞれ上の層でも、ほとんど値は増えていない(5万ドル以上でやや突出する程度)。最初のグラフと比較すると「高年収・高学歴者ほど飲酒率は高まるが、少したしなむ程度のものであり、酒におぼれるような飲み方をする人が増えるわけではない」ことが分かる。

むしろ「飲酒者におけるヘビードランカー率」を計算すれば、低年収・低学歴者の方が高くなる。例えば年収5万ドル以上の人の「飲酒者におけるヘビードランカー率」は10.7%だが、1.5万ドル未満の場合は14.4%となる。また性別からはほとんど違いは見られない。

↑ ヘビードランカーである(男性は1日3杯以上、女性は1日2杯以上酒を飲む)(アメリカ合衆国、18歳以上、2014年、CDC・BRFSS)
↑ 飲酒者におけるヘビードランカー率(アメリカ合衆国、18歳以上、2014年、CDC・BRFSS)

年齢はともかく、世帯年収で飲む人の飲み方が違ってくる傾向は興味深い話には違いない。


飲酒が法令で許される年齢だが、日本では20歳以上なのはご承知の通り。一方アメリカ合衆国では【MUDPC(メリーランド州未成年者飲酒防止連合)の定め(米国大使館内解説ページ)】に「法的に飲酒が認められる年齢は、21歳」(Fact sheet, Minimum drinking age laws. U.S. Department of Transportation)とある通り、21歳以上となっている。日本とは微妙なずれがあることに注意してほしい。


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