完全自動運転車への米国の人達の思いをグラフ化してみる

2017/10/24 05:15

2017-1014最近よく見聞きするようになった新技術の一つに、自動運転車がある。自動化のレベルは多様に区分されているが、最終的に求められているものは、運転手無しで利用できる、完全に運転が自動化された自動車。漫画などによく登場する、行先を告げるだけで安全にその場所まで自動走行してくれるというものである。現在開発に従事している各方面は、最終的には完全自動運転車を目指しているのが大半ではあるが、それでは利用者側は完全自動運転車にどのような思いを抱いているのだろうか。アメリカ合衆国の実情を、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2017年10月4日に発表した、技術と人々の暮らしに関わる調査結果【Automation in Everyday Life】を元に確認していく。

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完全自動運転車に乗ってみたい人は44%


今調査の調査要綱は【技術の発展は自分の仕事にどのような影響を与えているのか、米国就業者の思いをグラフ化してみる】を参照のこと。

まず完全な自動運転車(運転手無し)に乗ってみたいか否かを尋ねた結果。44%が乗ってみたいと答えている。

↑ 完全自動運転車(運転手無し)に乗ってみたいか(2017年5月、米国、18歳以上)
↑ 完全自動運転車(運転手無し)に乗ってみたいか(2017年5月、米国、18歳以上)

乗ってみたいとは思わない人は56%。注目の技術にしては否定派が多いのは意外といえば意外。

それではなぜ乗ってみたいのか・乗りたくないのか。その理由をそれぞれの回答者に尋ねた結果が次のグラフ。乗ってみたい人は面白そうだから、乗ってみたくない人は安全性への懸念が理由のトップとなっている。

↑ 完全自動運転車(運転手無し)に乗りたい/乗りたくない主な理由(2017年5月、米国、18歳以上)
↑ 完全自動運転車(運転手無し)に乗りたい/乗りたくない主な理由(2017年5月、米国、18歳以上)

乗りたい理由としては、完全自動運転車のメリットである搭乗中には他のことに従事できる、運転手をしていた人はストレスをためることが無くなる、長距離の旅行に便利だからなどの回答率はさほど高く無い。知的好奇心を意味する面白そうだからがトップで、メリットというよりは必要不可欠な要素である安全性が次点の理由となっている。

他方、乗りたくない人の理由の最上位は安全性が信じられない・暴走するかもしれないで、次いで安全性に不安があるがついている。合わせると7割を超えており、完全自動運転車の問題点はひとえに安全性への懸念が大きい点にあることが分かる。開発側は常に安全性を求めていることは間違いないが、需要側は現時点の技術・実績では信頼に足るレベルにまでは達していないとの認識のようだ。

もし完全自動運転車が普及したら


現状では安全性に不安を覚える人が多い完全自動運転車だが、将来はその信頼性も向上し、一般に販売されるようになるだろう。そのような時代が来たら、自動車の事故は減るだろうか、それとも増えるだろうか。

↑ 完全自動運転車(運転手無し)が普及したら自動車事故は増えると思うか(2017年5月、米国、18歳以上)
↑ 完全自動運転車(運転手無し)が普及したら自動車事故は増えると思うか(2017年5月、米国、18歳以上)

減るとの考えは39%、増えるは30%、変わらないは31%。いくぶん減るとの認識は多いものの、実質的には増える・減るの意見は均衡しており、予想がつきにくい状態であるのが分かる。

それでは完全自動運転車(運転手無し)の一般への展開に際し、どのようなルールが必要と考えられているのか。安全性の観点で仮のルールを設定し、それに賛成するか否かを強い賛成・賛成・反対・強い反対の4択から、自分の考えに一番近いものを選んでもらった結果が次のグラフ。

↑ 完全自動運転車(運転手無し)に関するルールとして賛成するか(2017年5月、米国、18歳以上)
↑ 完全自動運転車(運転手無し)に関するルールとして賛成するか(2017年5月、米国、18歳以上)

現実性の問題や便宜性から「学校の近所などは完全自動運転車(運転手無し)は走らせないようにする」はいくぶん反対派の意見も多いが、それでも7割近くは賛成派。専用レーンでのみの走行は8割強、完全自動運転車でも運転手無しの車両は採用せず、運転手を常に乗車させ、必要時には運転手が手動運転できるようにするとの意見は9割近くが賛成派。上記の設問の結果も合わせ、現状では完全自動運転車の問題は、その安全性が信頼に足るレベルに達していない点にありそうだ。


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