米国での銃を持つ者と持たない者と、考え方の違い

2017/10/12 05:03

2017-1008日本と違いアメリカ合衆国では一般民間人にも銃の所有が許可されている。しかし銃の威力やそれから生じる様々な問題に嫌悪を示し、銃を所有しない、さらには銃規制を強化しようとする意見も多い。銃所有者とそうでない人との間で、銃に関わる考え方にはどのような違いがあるのか。その実情を同国の民間調査会社Pew Research Centerが2017年6月22日に発表した調査結果【America’s Complex Relationship With Guns】から確認していく。

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今調査の調査要綱などは先行記事【米国成人の3割は銃を所有している】を参照のこと。

まずは銃所有者とそうでない人に仕切り分けした上で、自由な社会生活を営む上で欠かせない権利を挙げて、それが必要不可欠か否かを尋ねた結果。要は銃所有者か否かで、権利に対する考えに違いがあるかどうかを調べるためのもの。

↑ 自由や権利に対する考え方(不可欠だと思う人の割合、該当属性別)(2017年3-4月、米国)(18歳以上)
↑ 自由や権利に対する考え方(不可欠だと思う人の割合、該当属性別)(2017年3-4月、米国)(18歳以上)

銃所有の自由に対する権利以外は数%の差異はあるものの、事実上誤差の範囲で、権利認識の違いは無いと見て問題は無い。

他方、銃所有の自由に限っては、所有者は74%が不可欠であると認識しているのに対し、非所有者は35%に留まっている。銃を所有するのは当然の権利であるか、そうでは無いとする認識なのか、その時点ですでに、所有者とそうでない人との間に隔たりが生じている。むしろ逆で、「銃所有の自由は当然認められる」と思っているからこそ、銃を所有する傾向が強く、結果として銃所有者になっているのかもしれない。

銃所有者と非所有者の認識の違いは、銃に直接関わる規制でも顕著に表れている。現状施行されている規制の追認や、規制の緩和の是非に関する同意率を見たのが次のグラフ。

↑ 銃に関する規制における同意の認識率(同意者、銃の所有・非所有別)(規制強化面)(2017年3-4月、米国)(18歳以上)
↑ 銃に関する規制における同意の認識率(同意者、銃の所有・非所有別)(規制強化面)(2017年3-4月、米国)(18歳以上)

↑ 銃に関する規制における同意の認識率(同意者、銃の所有・非所有別)(規制緩和面)(2017年3-4月、米国)(18歳以上)
↑ 銃に関する規制における同意の認識率(同意者、銃の所有・非所有別)(規制緩和面)(2017年3-4月、米国)(18歳以上)

「精神的に問題がある人は銃を購入できないようにする」「旅客機への搭乗が認められない人物のリストや監視リストに載っている人への銃の販売禁止」のように、銃所有者・非所有者双方でほとんど差異が無い項目もあるが、ほとんどは銃に関する規制の追認には銃非所有者、規制緩和的な話には銃所有者の方が、高い同意率を示している。

要は、銃を所有している人には銃所有は当然の権利であるとする考え方の人が多く、その権利をさらにより広範囲に、使いやすくしてほしいと考える次第。逆に銃を所有していない人は、その大部分が銃所有は権利などでは無い、正当化されないとの認識であり、銃に関わる規制は維持強化すべきであり、現状の規制は緩和してはならないとする見方である。

この傾向は法的な規制だけでなく、マナーの上での意識にも表れている。

↑ 子供がいる銃所有世帯で不可欠と思うことの認識(同意者、銃の所有・非所有別)(2017年3-4月、米国)(18歳以上)
↑ 子供がいる銃所有世帯で不可欠と思うことの認識(同意者、銃の所有・非所有別)(2017年3-4月、米国)(18歳以上)

銃は危険なものであり、勝手に触ってはいけないといった基本的な取り決め、安全な取り扱いに関する説明を子供に成すべきだとする意見は銃所有者・非所有者で大きな違いは無いが、それ以外は差異の幅こそあれど、すべての項目で銃所有者の方が同意率は低い。銃を忌避する人が多い銃非所有者が銃への強い恐れから過敏になっているのか、銃所有者が慣れから油断する傾向にあるからなのか、そのいずれもなのかはこの結果からだけでは判断が難しい。

しかし銃所有者の方が、銃を安全に取り扱う際に不可欠と思われる事項に関して、その行為への必要性をあまり認識していないのは確かなのに違いはない。あるいは慣れているからこそ、そこまで慎重になる必要は無いと考えているのかもしれない。


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