「炎上」に加担する人は2.8%、「炎上」を好ましいと思う人は5.0%

2017/10/05 04:52

2017-0926インターネット、特にソーシャルメディアの普及浸透に伴い日常茶飯事化した現象の一つに「炎上」がある。定義は多種多様だが、大よそ書き込み・コンテンツに対し、不特定多数の人が否定的発言を成して、注目が集まる状況を意味する。炎上した当事者が意図的である場合と意図せずして生じた場合があるが、いずれにせよ言葉の大元の意味の通り、火柱が上がるかのような勢いで意見が寄せられてしまう。そのような状況をインターネット上で目撃した際に、人々はどのような姿勢を見せるのだろうか。文化庁が2017年9月21日に発表した定期調査「国語に関する世論調査」の最新版となる2016年度分の調査結果報告書の内容から確認する(【平成28年度「国語に関する世論調査」の結果について】)。

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「炎上に加担」は2.8%


今調査の調査要綱は先行記事【「流行語とか外来語とか言葉の意味が分からない」言葉のやりとりで困ることあれこれ】を参考のこと。

次に示すのは冒頭で説明したような「炎上」の実情を目にした時に、自分もそれに加わって新規の書き込みやリツイートなどによる拡散をするかを尋ねたもの。普通の意見としての書き込みや拡散だったものの、結果として炎上しているのに加わってしまったケースもあるだろうが、今件はあくまでも目にした時点で炎上していることが明らかだった時に、どのような姿勢を見せるかを尋ねている。

↑ 「炎上」を目撃した際に書き込みや拡散をするか(2016年度、択一回答)
↑ 「炎上」を目撃した際に書き込みや拡散をするか(2016年度、択一回答)

頻度はともあれ炎上に加担する、参戦するとの意思を持つ人は合わせて2.8%(公開値上は0.5%+2.2%=2.7%だが、報告書では少数第二位以下の実値を合わせた値として2.8%が示されている)。大よそ36人に1人が炎上に加わっている計算となる。さらに「ほとんどしない」は「ごくたまにすることもある」とも解釈できるので、これも合わせると12.9%、8人に1人の計算になる。

「36人に1人だったらごく少数なのでは」として、炎上事案の実態はごく少数によるものとの解釈もできる。しかしこれはあくまでも比率の問題。母数を考えると膨大な数になりうる。例えば100人の2.8%は3人足らずだが、100万人なら2.8万人にもなる。

インターネットの利用者数や、利用ハードルの低いサービスで炎上が発生するケースが多々あるのを思い返すと、2.8%との値は炎上被害者に「世界の皆があなたを攻撃しているわけでは無い」との実態を認識させるのには十分ではあるのだが、同時に「数十人もの人が自分に罵声を浴びせている」となると、それだけで凹んでしまうのは致し方ない。街中で歩いている最中に、突然そのうちの数十人が一斉に自分に向けて指差しをしたら、どのような心境になるだろうか。「炎上」を受けた側の心境は、つまりそういうことではある。

歳で変わる「炎上」への対応


今件の設問を回答者の年齢階層別で仕切り分けした結果が次のグラフ。

↑ 「炎上」を目撃した際に書き込みや拡散をするか(2016年度、択一回答)(年齢階層別)
↑ 「炎上」を目撃した際に書き込みや拡散をするか(2016年度、択一回答)(年齢階層別)

元々インターネットは使っていないので「炎上」に参加するも何もあったものでは無いとする意見は、歳と共に増加していく。これは他のインターネット利用に関する調査結果と同じで、特に問題はない。

気になるのは20代までにおいて「炎上」に参加する意志を持つ人の割合が大きいこと。特に20代では1割を超えている。あるいは若年層においては「炎上」の定義づけが本来のものとは異なる、例えばお祭り騒ぎ程度にしか認識していないのかもしれないが(設問表は非公開なので、設問の上でどのような説明がされているのかは不明。報告書には「インターネットの世界で、いわゆる「炎上」と呼ばれるような状況が生じることについて、そのようなサイトやアカウントに遭遇した場合、書き込みや拡散などを行うと思うか」とあるのみ)、1割もの人が「炎上」の延焼に加担する姿勢を示しているのは、憂慮すべき実情ではある。

ちなみに別設問における「炎上」という現象を望ましいかとの問いには、やはり20代が飛びぬけて高い肯定意志を示している。

↑ いわゆる「炎上」という現象を好ましいと思うか(2016年度、択一回答、好ましい派合計)
↑ いわゆる「炎上」という現象を好ましいと思うか(2016年度、択一回答、好ましい派合計)

当人は単なる遊び、お祭り騒ぎ程度にしか考えていないのかもしれないが、場合によっては多くの人にマイナスの影響を与えうるだけに、くれぐれも立ち止まり、考える習慣をつけてほしいものではある。


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