郵便物の配達数の推移をグラフ化してみる(2017年)

2017/05/30 12:00

日本国内ならば原則的にどこへでも均一料金で郵便物を配達する郵便事業は、情報や物資の伝達を担うインフラとして欠かせない存在。一方で昨今では携帯電話やインターネットの普及浸透に伴い、情報伝達手段としての優位性が失われ、利用機会が減少しているのも否めない。日本郵便でもこの2017年6月1日から一部を除く郵便物の料金の改正(値上げ)を行うが、利用者の減退が一因であることは明らかである(無論人件費の上昇や大型郵便物の再配達などによるコスト増も要因だが)。そこで日本の郵便事業における郵便物の配達数動向を日本郵便などの公開データを元に確認し、郵便の利用実情を推し量ることにする。

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配達数のピークは2001年度


検証する値は引受郵便などの件数。要は郵便局で配達のための引き受けを行った件数。事故等による喪失事例もゼロではないが、ほぼ配達数と同じとなる。また、内国(国内向け)に加え、海外向けへの郵便物となる国際(差立=郵便物などの発送)を合算したものが、引受郵便物の総数となる。もっとも件数はけた違いで内国の方が多いため、総数の値動きはほぼ内国と同じとなる。

各種データの取得元は日本郵政グループのウェブサイトに収録されている旧日本郵政公社 統計データベース、および日本郵政グループが毎年発行しているディスクロージャー誌。現時点では2015年度(2015年4月から2016年3月まで)の値が最新値となっている。

データベース上では1871年度からの値(戦中から戦後一時期は未収録)が収録されているため、全期間、および戦後に限った総数の動向を確認する。また、同一グラフに収めるとほぼ底辺をはう形となる国際(差立)に関し、戦後の値を確認する(戦前分は収録されていない)。

↑ 引受郵便物等件数(郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政など)(億件)(内国と国際(差立)合算)
↑ 引受郵便物等件数(郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政など)(億件)(内国と国際(差立)合算)

↑ 引受郵便物等件数(郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政など)(億件)(内国と国際(差立)合算)(1946年度以降)
↑ 引受郵便物等件数(郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政など)(億件)(内国と国際(差立)合算)(1946年度以降)

↑ 引受郵便物等件数(郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政など)(億件)(国際(差立))
↑ 引受郵便物等件数(郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政など)(億件)(国際(差立))

戦前は1910年代後半までは大人しい形の伸び率だったが、その後急速な盛り上がりを見せた後はほぼ50億件前後の横ばいで推移する。戦後に入ると当初は戦前の半数程度にまで落ちていたがその後は利用件数が急速に増え続け、前世紀末でやや上昇度合いがゆるやかになるものの、2001年度にはピークとなる263億件を計上する。その後は緩やかな下り坂を見せていく。タイミング的に民営化が一因の可能性はあるが、むしろインターネットの普及に伴う情報伝達手段としての立ち位置の相対的な下落が多分に影響していると考えた方が道理は通る。

直近の2015年度は180億件。ピーク時のおよそ2/3の件数にまで減っている。

選挙や年賀、そして荷物は?


良い機会でもあるので、特殊な郵便物の動向も確認する。まずは選挙用の郵便物、そして年賀郵便。それぞれ内国に含まれる値だが、内訳として別途計上されており、その動向を見ることができる。戦前の値も一部収録されているが、きりの良い戦後に限り精査を行う。

↑ 引受郵便物等件数(郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政など)(億件)(年賀、選挙)
↑ 引受郵便物等件数(郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政など)(億件)(年賀、選挙)

選挙のある無しで凸凹が生じているが、選挙用の郵便物はごく少数でしかない。直近の2015年度は0.6億件。

他方年賀郵便は1997年度がピークで37.1億件、直近の2015年度は23.5億件で、4割近い減退を示している。年賀葉書の発行枚数のピークは2003年であることから、配達件数の方が先に減退の動きに転じていたことが分かる。

最後は郵便物とは別計上の小包、荷物。現在の制度ならばゆうパックやゆうメールが該当する。

↑ 引受郵便物等件数(1946年度以降)(小包、荷物)(郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政など)(億件)
↑ 引受郵便物等件数(1946年度以降)(小包、荷物)(郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社、日本郵政など)(億件)

これまでのグラフとは様相が大いに異なる値動きを示している。2003年度辺りから急激に上昇を見せ、2002年度では4.4億件しかなかったが、直近の2015年度では40.5億件と9倍以上に成長している。2017年6月1日からの料金改定のリリースでも人件費上昇以外に「大型の郵便物等の増加により、持戻り・再配達を行うことによるコストが増加」との言及があり、通販やネットオークションなどによる利用が加速化している実情がうかがい知れるが、今件グラフからもそれを裏付けることができよう。


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