インターネット上の動画や音楽の配信ビジネスの実情をグラフ化してみる

2017/09/28 05:07

インターネットを用いて情報を提供する仕組みができたことで、その情報を加工し映像(動画)や音楽を提供することも容易となった。当然、その仕組みを使い、さまざまなビジネスが誕生し、あるいは既存のビジネスが生まれ変わり、新たな市場を構築しつつある。今回は2017年7月28日に総務省から発表された2017年版の情報通信白書の内容をもとに、動画と音楽のインターネット上における配信ビジネスの実情と今後予想を確認していくことにする(【発表リリース:平成29年「情報通信に関する現状報告」(平成29年版情報通信白書)の公表】)。

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2017年版の情報通信白書ではアメリカ合衆国の情報調査機関IHS Markitのテクノロジー部局IHS Technologyの調査結果として、インターネット上のサービスにおける市場動向の実情と今後予想が言及されている。そのうち世界規模における動画の配信絡みの動向をまとめたのが次のグラフ。

↑ 世界の動画配信売上・契約数の推移及び予測
↑ 世界の動画配信売上・契約数の推移及び予測

インターネットによる配信ビジネスではどこも大よそ似たような流れを示しているが、動画配信も当初は無料で提供・広告収入で利益を得るような、広告収入型のモデルが主流だった。有料配信ができるほどの品質も、利用客も確保するのが難しいとの思惑によるものだろう。しかし技術の進歩による動画の品質向上とインターネット利用者そのものの増加に伴い、有料の配信サービスが認識され、利用される機会も増えてくる。

また有料配信サービスもDVDなどの有形媒体によるビジネスのような、単作品単位のダウンロード課金から、定額制で一定枠内のコンテンツを何度でも視聴できるサブスクリプションスタイルが多く使われるようになっている。

あくまでもIHS Technologyの予測だが、今後も売り切り的な動画配信よりも、定額制による視聴環境提供型の動画配信ビジネスの方が成長率は高く、利用者も伸び続けるようだ。

音楽配信市場ではより顕著な形で、ビジネスモデルの転換が確認できる。

↑ 世界の音楽配信売上高・契約数の推移及び予測
↑ 世界の音楽配信売上高・契約数の推移及び予測

日本の音楽市場に限っても、物理メディア市場の低迷、デジタル配信市場が従来型携帯電話向けからパソコンやスマートフォン用の買取型ダウンロード販売へ、そしてダウンロード販売から定額制の聴き放題環境提供型(サブスクリプション型)へと劇的な変化を見せている。その動きは何も日本に限った話ではなく、世界的な傾向のようだ。IHS Technologyの予測では売り上げの観点で2017年、つまり今年のうちにダウンロード販売とサブスクリプション型の売上額が逆転し、その後も差は開くばかりであるとしている。利用実情や日本の市場動向を見る限りでは、むしろこれすらも抑えた予測の感すらある。



食事や衣服、趣味趣向の他ジャンルでも同様の発想は容易にできるのだが、飛びきりのお気に入りの対象を一点買いするケースは少なくないものの、それ以外ならば大よそ自分の思惑に当てはまるような内容であれば、どれでも良い、大体満足してしまう。バイキング料理を楽しむようなものだ。人の趣味趣向の特性の上では、定額制は理想のサービス形式の一つなのだろう。

他方定額制では構成される創作物への対価が十分でないとの指摘も多い(元々単品買いによるリターンを前提としていたのだから当然ではあるのだが)。定額制サービスの普及浸透が進むにつれ、作り手と配信サイドとの間のあつれきをどのような形で解消していくかが、今後大きな課題となるに違いない。


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