実店舗とネット店舗の相互利用な使い方、してる?

2017/09/16 05:19

インターネットで気軽に通販が利用できるようになった昨今だが、実店舗での在庫確認をインターネットから行え、実店舗に足を運んだ際に買い損ないが無いようにするとの使い方もできる店舗もある。また、自分の事情からネット通販で購入した商品を実店舗で受け取る場合もありうる。このように、ネット店舗などの「オンライン(Online)」側と、実店舗の「オフライン(Offline)」側の購買活動が相互に連携したり融合するような仕組み、スタイルのことを「O2O」と呼んでいる。今回は2017年7月28日に総務省から発表された2017年版の情報通信白書の内容をもとに、日米英国におけるO2Oの利用傾向をいくつかの形式から確認していくことにする(【発表リリース:平成29年「情報通信に関する現状報告」(平成29年版情報通信白書)の公表】)。

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今件部分に直接かかわりのある情報の調査は「スマートフォン経済の現在と将来に関する調査研究」が該当する。この調査は2017年3月に日米英の20代から60代の男女に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数はそれぞれの国で1000人ずつ。男女比、10歳区切りの年齢階層比で均等割り当て。

次に示すのは日米英それぞれにおける、O2Oサービスの利用実情。インターネット経由の調査のため、インターネットを利用していない人は回答に参加できないことから、世間全般との実情とはいくぶんの隔たりがあるとの前提によるものとなる。とはいえ昨今はあまりそのようなバイアスを気にしなくても良いほどに、インターネット利用率が高い状態にあるのも事実ではある。

↑ O2Oサービスの利用経験(2017年3月)
↑ O2Oサービスの利用経験(2017年3月)

デジタルデータや利用権利のような形の無いものの取得購入で無い限り、購入行為にはオフラインがどこかで関与するものだが、一番よくあるパターンが「実店舗が展開している通販サイトで購入し、その商品を配送してもらう」形式。アマゾンで食品を購入し、自宅まで届けてもらうのが良い例。これを利用している人はモバイル(従来型携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末。以下同)では日本で49%、米国で68%、英国で61%。日本は米英と比べ10%以上もの差が生じている。

他方パソコンでは日本が42%なのに対し米国では38%、英国では46%。モバイルとパソコンの差異は日本が一番小さく、利用者とサイトの整備度合い、どちらが、あるいは双方ともなのかまでは分からないが、モバイル向けの環境が日本では遅れている感は否めない。むしろパソコン経由の利用者が多いからこそ、モバイル構築の優先順位が後回しになっているのかもしれない。

ネット通販サイトで購入した商品を自宅まで届けてもらうのではなく、最寄りの実店舗で受け取るパターン。これは自宅への帰宅が遅くて宅配便の受け取りが難しい場合や、実店舗で受け取ると配送料が無料になるサービスがある場合などで用いられる。日本ではモバイル経由では40%、米国では72%、英国では76%。利用頻度はともかく、米英ではこのスタイルが半ば当たり前となっているようだ。宅配への信頼性の違いもあるのだろう。パソコンでの利用度合いもまた欧米の方が上で、モバイルと比べての値の低さも先の「実店舗が展開している通販サイトで購入し、その商品を配送してもらう」と変わらない。

最後はインターネット経由で実店舗の在庫を確認する様式。実店舗に足を運んだら在庫が無かったといった骨折り損をしないために、システムとして整備されていた方がありがたい。これもまた、すべての国でモバイル経由の方がパソコンよりもよく使われており、日本と欧米では小さからぬ差異が生じている。ただし今件に限れば、日本よりもむしろ欧米の方が、パソコンとモバイルの差異が小さい。欧米とも差はほとんど誤差の範囲に留まっている。

この違いは恐らく、「実店舗で購入する際はパソコンで調べる」「受け取り場所は別として、インターネットで購入を決定する場合はモバイルで処理する」とのスタイルが、欧米で深く浸透しているのだろう。決済面でのしやすさが影響しているのかもしれない。



白書では「O2Oサービスはパソコンよりもモバイルの方が使いこなされている」との趣旨でまとめている。データの限りでは確かにその通り。個人使用、プライベートな端末の意味合いが強いモバイルでこそ、購入もしやすいのだろう。まさにお財布扱いをされている携帯電話のようなものだからだ。無論、携帯電話向けに最適化されている通販サイトがどれだけあるのか、さらにはより利用しやすいタブレット型端末やスマートフォンの普及度合いも影響しているのは言うまでもない。

やや余談になるが、実商品では無くデジタルのデータのやりとりとなる取引の代表格でもある、動画の配信に関する類似データを挙げておく。「定額動画配信」以外は料金の発生の是非は問われていない。

↑ ネット動画配信サービスの利用経験(2017年3月)
↑ ネット動画配信サービスの利用経験(2017年3月)

それぞれの国の動画サービスの提供普及状態にも多分に左右されるが、日本は米英と比べて低い値に留まっている。日本ではモバイルで定額動画配信と民放の動画配信がほぼ同率、パソコンでは民放のが抜きんでているが、米国では定額動画配信がモバイル・パソコンを問わずに大いに浸透している。他方英国では公共放送提供の動画配信(BBCなど)が大いに盛況を博している。

日本の値が低いのは残念な話だが、見方を変えれば伸びしろが大きいことでもある。今後の成長に期待したいところだ。


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