全般的に下落基調…賃貸住宅の成約家賃動向をグラフ化してみる(2016年12月発表分)

2016/12/30 10:00

賃貸住宅の管理会社で構成される協会「日本賃貸住宅管理協会」では半年ごとに同協会公式サイトにて、【賃貸住宅景況感調査日管協短観】を更新・公開している。その最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2016年度上期(2016年4月から2016年9月)」が2016年12月付で公開された。今回はこの公開値などを基に、賃貸住宅管理会社が管理する物件で賃貸契約が成約した際の、家賃の動向について状況の確認をしていくことにする。

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各種調査要項などに関しては先行する記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】にて記載済み。そちらで確認してほしい。

賃貸物件を間取りで「1R(ワンルーム)-1DK(1部屋+ダイニング+台所)」「1L(リビング)DK-2DK」「2LDK-」の3タイプ、要は小型・中型・大型に区分。それぞれの物件で個々の管理会社における成約時の家賃が「前年同期」(今回ならば2015年上期)と比べてどのように変化したかを尋ねた結果が次のグラフ。全体的には「増加」よりも「減少」回答者が多く、3割強の値を示している。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2016年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2016年度上期、前年同期比)

個々の管理会社で賃料が増加、つまり上がった状態で契約した事例が前年同期と比べて多数を占めたとの回答は17.3%。減少回答は32.2%を占め、流れとしては家賃の下落現象が見受けられる。「変化なしが約5割」と安定感があるとの解釈もできるが、後述するDI値はマイナス圏にあることも合わせ、需給の観点では賃貸住宅の供給過多による値下げ傾向が続いていることが分かる。見方を変えれば「借り手優勢市場」。

間取り別では中型がいくぶん大人しく、「増加」「減少」の差異は最小限に留まっている。需給関係を勘案すれば、中型物件に人気が集まり、高めの物件でも成約する事例が多かったことになる。他方、小型・大型の間取りではやや大きな減少ぶりが見られる。

これを首都圏・関西圏・その他地域に対象領域を区分し、それぞれの圏限定で値を確認したのが次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2016年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2016年度上期、前年同期比)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2016年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2016年度上期、前年同期比)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(その他)(2016年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(その他)(2016年度上期、前年同期比)

全国の傾向同様にどの地域区分でも、中型物件がやや健闘して「増加」「減少」の差異を少なくしているが、それでも「減少」の優勢に変わりはない。また小型・大型の減少傾向の大きさが改めてよくわかる。

特に関西圏では「増加」の回答率が少なく、大型物件に至っては(少なくとも今調査の限りでは)ゼロ回答となっている。相場が大幅に下落している、貸し手優勢市場化が進んでいると見て良いだろう。

これらの動きを分かりやすくするため、DI値(「増加」から「減少」を差し引いた値)を算出したのが次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2016年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2016年度上期、前年同期比)

プラスを計上したのは首都圏の中型物件のみで、しかも3.1%と小幅な振れ幅。それ以外は全体も合わせすべてマイナスで、売り手市場≒賃料の下落傾向が生じている。

物件の規模別では中型が一番下げ傾向が大人しく、次いで小型。大型物件は下げぶりも大きなものとなっている。地域別では緑の棒の長さが目立つことからも分かる通り、関西圏で大きく下げの動きが生じている。

一年ほど前から「家賃下落の動きの収束化の動きが起きている」とコメントするような状況が続いていたが、今半年期では一転して再び下落の加速感が見受けられる。中型物件はまだ誤差の領域内とも判断できうるが、小型、そしてなにより大型物件は否定のしようがない。コメントでも「ただしいずれのエリアも全体的に「減少」比率が高く」「いずれも前年同期と比べ、大幅に下降している」とあり、下落トレンドの気配を覚えさせる。

次半年期もこの傾向が続くようであれば、理由はともあれ、特に大型物件において家賃の下落傾向が生じていると見てもよいだろう。


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