北海道で関東・近畿を超える暑さも……熱中症による搬送者数は1週間で7680人(2017年7月10日-7月16日)

2017/07/19 11:00

総務省消防庁は2017年7月19日、同年7月10日から7月16日の一週間における熱中症搬送人数が7680人(速報値)であることを発表した。今年分は5月1日から熱中症による搬送人数の調査を始めており、消防庁が掌握している累計人数は1万9914人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は6人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は173人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2017年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2017年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値(一部確定値)・2017年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値(一部確定値)・2017年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2017年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2017年)

今夏の電力事情に関して政府による決定前の専門委員会決定を元に精査した記事【今年の夏も電力利用制限の要請はない、とのことだけど】などで解説の通り、今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要はないとの報告が当委員会の公開報告書でなされている。そして2017年5月12日付で【「2017年度夏季の電力需給対策について」】が発表され、委員会の報告書通り今夏においては節電に関する特別な令、要請の類は行われないこととなった。もっとも「大規模な電源脱落や想定外の気温の上昇による需要増に伴う供給力不足のリスクがあることに十分留意が必要な状況」との解説にもある通り、震災から6年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いはない。

また現時点で気象庁が発表している3か月予報では全国的に高めの気温となる可能性が高いとの話が出ている(【季節予報(3か月予報)(気象庁)、2017年6月23日発表】)。降水量は東日本・西日本ではやや多いともあるが、熱中症リスクに関して警戒をしなければならないことに変わりは無い。またここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認されている。

↑ 3か月の平均気温・降水量予報
↑ 3か月の平均気温・降水量予報

消防庁では【熱中症による搬送者数の計測、今年は5月1日から】にある通り、昨年と同じように今年は熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について、5月1日から開始して逐次報告を行うことになった(終了日は10月1日)。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内

今回発表された各種値は今年の分としては第11週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加がなされることが多い)。

今回計測週では西日本の一部で前線の影響を受けて雨が降る機会もあったが、おおむね晴れ渡り、真夏のような暑さを覚えさせる形となった。特に北海道では大陸からの暖気が押し寄せる形となり、高温注意情報が発令され、日によっては関東や近畿、九州などよりも高い気温を記録し、各所で猛暑日も観測され、観測史上に残る暑さが襲った。また一部では天候が不安定な状態となり、激しい雷雨に見舞われることもあった。

なお7月13日時点で九州南部に梅雨明け宣言がなされている。また本日7月19日付で、中国、近畿、東海、関東甲信地方の梅雨明けが発表された。


↑ 北海道でも真夏日・猛暑日観測が相次ぐ。:猛暑日59地点、北海道では11日連続真夏日 都心は34度近くに

昨今気象に係わるニュースで度々登場したエルニーニョ現象(発生すると気温が低く、雨量が一部地域で多くなる)だが、直近の気象庁の監視速報【エルニーニョ監視速報No.298(2017年6月)】によれば、「エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いている」「今後秋にかけて平常の状態が続く可能性が高い(80%)」とのこと。現状では夏の気候に影響する可能性は低そうではある。

地域別では東京都の627人をはじめ、埼玉県の488人、大阪府の453人など、人口密集地帯における搬送者数の多さが目に留まる。また猛暑日を各地で記録した北海道でも439人の値が確認され、暑さが熱中症のリクスを高めたことを再確認させてくれる。

↑ 東京都の最高気温と天候(2017年7月10日-7月16日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2017年7月10日-7月16日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2017年7月10日-7月16日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2017年7月10日-7月16日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2017年7月10日-7月16日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2017年7月10日-7月16日)(搬送人数上位都道府県、人)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:【熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、4月20日から開始している(昨年は4月25日から)。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用、従来型携帯電話用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】【環境省熱中症予防情報サイト(従来型携帯電話用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)
↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)

電力需給の観点では電力使用に関する制限の類が成されなくなったのは幸いだが、電力需給に関する警戒心は今なお有しておく必要があることに違いは無い。また電気代の生活費への負担懸念から、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もあり、高齢者のエアコン忌避は単に節約心によるものだけとは限らない)。

一部地域では梅雨明け宣言も成されて、すでに7月も半ばを過ぎた。雨の日もあり油断しそうになるが、夏のような日差しにより気温が上昇することも多く、熱中症のリスクに留意しなければならないのは言うまでもない。雨降りの中でも、室内で湿度が高ければ、水分不足や体力の減退に伴い、熱中症の症状が生じる可能性もある。また、夜半においては冷房の用意を怠っていると自分が気が付かないうちに水分不足の状態となり、熱中症の状態となることもある。知識、ノウハウを再確認し、自身の体力を過信することなく、さらには周囲への配慮も怠りなく、熱中症への備えを心掛けてほしいものだ。


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