土曜にかけて気温が上昇、搬送者数も漸増…熱中症による搬送者数は1週間で697人(2017年6月12日-6月18日)

2017/06/20 10:00

総務省消防庁は2017年6月20日、同年6月12日から6月18日の一週間における熱中症搬送人数が697人(速報値)であることを発表した。今年分は5月1日から熱中症による搬送人数の調査を始めており、消防庁が掌握している累計人数はの5133人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は2人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は12人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2017年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2017年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値(一部確定値)・2017年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値(一部確定値)・2017年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2017年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2017年)

今夏の電力事情に関して政府による決定前の専門委員会決定を元に精査した記事【今年の夏も電力利用制限の要請はない、とのことだけど】などで解説の通り、今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要はないとの報告が当委員会の公開報告書でなされている。そして2017年5月12日付で【「2017年度夏季の電力需給対策について」】が発表され、委員会の報告書通り今夏においては節電に関する特別な令、要請の類は行われないこととなった。もっとも「大規模な電源脱落や想定外の気温の上昇による需要増に伴う供給力不足のリスクがあることに十分留意が必要な状況」との解説にもある通り、震災から6年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いはない。

また現時点で気象庁が発表している3か月予報では全国的に高めの気温となる可能性が高いとの話が出ている(【季節予報(3か月予報)(気象庁)、2017年5月24日発表】)。降水量はほぼ平年並みとの予想とも勘案し、熱中症リスクに関して警戒をしなければならない。またここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認されている。

↑ 3か月の平均気温・降水量予報
↑ 3か月の平均気温・降水量予報

そこで消防庁では【熱中症による搬送者数の計測、今年は5月1日から】にある通り、昨年と同じように今年は熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について、5月1日から開始して逐次報告を行うことになった(終了日は10月1日)。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内

今回発表された各種値は今年の分としては第7週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加がなされることが多い)。

今回計測週では関東甲信より南で梅雨入りを果たしているものの、梅雨前線が日本の南海上に停滞している日が多く、沖縄を除けば雨降りの少ない週となった。12日には北海道で放射冷却現象が起き、一部地域で氷点下を観測するなど、低い気温の日も見受けられた。低温だけでなく突然の雷雨が襲う地域もあるなど、不安定な天候が続いている。もっとも週末にかけては北海道を除き各地で雨が降り出し、ようやく梅雨らしい雰囲気を覚えるように。ただし気温も土曜日にかけて上昇し、熱中症の発症者を増やす要因となっている。

一方で大阪では体育祭に参加していた中学生が次々に熱中症の症状を訴え、10人以上が病院に搬送される事案が発生している。管理側の認識の甘さもあるが、6月でも条件次第では多分に熱中症が発症しうることを改めて認識させる話には違いない。


↑ :大阪の中学校で熱中症 体育祭の生徒十数人を搬送(17/06/16)

昨今気象に係わるニュースで度々登場したエルニーニョ現象(発生すると気温が低く、雨量が一部地域で多くなる)だが、直近の気象庁の監視速報【エルニーニョ監視速報No.297(2017年5月)】によれば、「エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いている」「今後秋にかけて平常の状態が続く可能性が高い(70%)」とのこと。現状では夏の気候に影響する可能性は低そうではある。

地域別では大阪府の67人をはじめ、東京都・愛知県の40人などが上位についている。大阪府の値は少年(満7歳以上18歳未満)の年齢階層別数が29人と群を抜いており、上記の体育祭での事案が多分に影響したのだろう。

↑ 東京都の最高気温と天候(2017年6月12日-6月18日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2017年6月12日-6月18日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2017年6月12日-6月18日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2017年6月12日-6月18日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2017年6月12日-6月18日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2017年6月12日-6月18日)(搬送人数上位都道府県、人)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:【熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、4月20日から開始している(昨年は4月25日から)。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用、従来型携帯電話用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】【環境省熱中症予防情報サイト(従来型携帯電話用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)
↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)

電力需給の観点では電力使用に関する制限の類が成されなくなったのは幸いだが、電力需給に関する警戒心は今なお有しておく必要があることに違いは無い。また電気代の生活費への負担懸念から、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もあり、高齢者のエアコン忌避は単に節約心によるものだけとは限らない)。

日取りの上では夏はまだ先の話で、一部地域では梅雨の季節となり雨の日も多い今日この頃だが、熱中症のリスクに留意しなければならないのは言うまでもない。寒暖の差の大きさから、体が対応しきれないこともありうる。気温が高くなく、雨降りの中でも、室内で湿度が高ければ、水分不足や体力の減退に伴い、熱中症の症状が生じる可能性もある。知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も合わせ、健康管理に留意してほしいものである。


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