虫歯・虫歯だった歯を持たない大人は案外少ない…永久歯で「う歯」を持つ人の割合をグラフ化してみる

2012/06/13 12:00

先日【「80歳で20本の自分の歯」達成者は38.3%】で紹介したように、厚生労働省は2012年6月4日、歯科疾患実態調査の2011年調査分の概要を発表した。今件調査結果には「う歯(齲歯。齲蝕した歯。いわゆる「虫歯」)をはじめとした、歯に関する状況を推し量れるさまざまなデータが盛り込まれている。今回はその中から、虫歯や虫歯だった歯の保有者率推移(経年、世代別)について見て行くことにする(【発表リリース】)。

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今調査は歯科保健状況の把握を行うのにあたり必要な資料を構築するために1957年以降6年毎に実施しているもの。今回概要が公開された2011年分については、2011年の国民生活基礎調査から無作為抽出された世帯を対象としており、調査対象者数は男性1812人・女性2441人の計4253人。

今回対象としたのは、5歳以上の歯の現状。虫歯のあるなしで区分すると、「虫歯が過去も今もまったく無い人」以外に、「虫歯だった経験があるがすでに治療済み(処置完了)」「治療済みの歯もあれば、治療中の歯もある(処置歯・処理歯併用)」「虫歯を抱えている(未処理歯)」の4通りに分けられるが、その構成比を世代別に見たのが次のグラフ。

↑ 現在の歯に対して「う歯」を持つ人の割合(永久歯対象)
↑ 現在の歯に対して「う歯」を持つ人の割合(永久歯対象)

10歳未満の子供における永久歯の虫歯状況は1割程度。これが10代に入ると急激に増え、20代になると9割が「永久歯が虫歯」「永久歯が虫歯だった」状態になる。もっとも「治療していない歯だけ」の人はごく少数で、大抵が治療済み、あるいは治療過程にあるのか混在状態という結果が出ている。30代に入ると「虫歯未経験者」は1-3%程度でしか無い。

一方で60代以降「治療中」「未治療」の割合はあまり変わらない(むしろ「未治療のみ」は漸増)にも関わらず「処置完了」者の割合は減り、「虫歯経験が無い」人が増えて行く。他データによれば歳を経るほど「喪失歯」も増えていることから、老化などで歯が抜け落ち、結果として「虫歯が無くなった」状況になったものと推定される(2011年における85歳以上の平均喪失歯は19.7本である)。この場合「虫歯が無い」からといって、歯的に健康であるとは限らないことになる。あるいは単に、この世代は虫歯に強い可能性もあるが。

これを1987年以降の過去調査データと併記したのが次のグラフ。このグラフにおける「う歯」とは治療済み、治療中の双方を含む。

↑ 現在の歯に対して「う歯」を持つ人の割合推移(5歳以上、永久歯対象)
↑ 現在の歯に対して「う歯」を持つ人の割合推移(5歳以上、永久歯対象)

35-44歳までは明らかに現代に近づくに連れて減っているが、45歳以降は漸増しているのが分かる。特に65歳以上に増加傾向が著しい。

これは「高齢者における虫歯が深刻化している。歯みがきの啓蒙や予防技術の点で問題があるのでは?」という話では無く、上記で説明したように「経年における喪失歯の数・喪失者率が減少しており、虫歯になる可能性がある自前の歯を持つ人・自前の歯が増えているから」に他ならない。詳しいグラフ化は略するが、全年齢階層で喪失者率、喪失歯の数の平均は減少している。

↑ 65-69歳における喪失歯所有者比率と平均喪失歯数
↑ 65-69歳における喪失歯所有者比率と平均喪失歯数

先の【「80歳で20本の自分の歯」達成者は38.3%】にもある通り、自分自身の歯を多く残せるよう厚生医療状況は進展を遂げているが、同時に虫歯になるリスクも増加してしまう(どれほど予防策を打っても、虫歯リスクをゼロには出来ない)。ある意味、皮肉な話ではある。

ちなみに虫歯以外の事由により抜けた歯も含めた、虫歯関連の歯の数もまた、ほぼ全年齢層で現在に近づくにつれて減少する傾向がある。歯科技術が停滞・劣化しているわけではないので、念のため。

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