寒暖差激しく数も増加…熱中症による搬送者数は1週間で462人(2017年5月8日-5月14日)

2017/05/16 10:00

総務省消防庁は2017年5月16日、同年5月8日から5月14日の一週間における熱中症搬送人数が462人(速報値)であることを発表した。今年分は5月1日から熱中症による搬送人数の調査を始めており、消防庁が掌握している累計人数はの884人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では1人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は6人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2017年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2017年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2017年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2017年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2017年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2017年)

今夏の電力事情に関して政府による決定前の専門委員会決定を元に精査した記事【今年の夏も電力利用制限の要請はない、とのことだけど】などで解説の通り、今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要はないとの報告が当委員会の公開報告書ではされている。5月中旬以降に発表されるであろう政府決定でも、恐らくは同じような判断の下での話となるだろう。しかし震災から6年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いはない。

また現時点で気象庁が発表している夏季予報では全国的に高めの気温となる可能性が高いとの話が出ている(【季節予報(夏 6-8月)(気象庁)】)。降水量はほぼ平年並みとの予想とも勘案し、熱中症リスクに関して警戒をしなければならない。またここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認されている。

そこで消防庁では【熱中症による搬送者数の計測、今年は5月1日から】にある通り、昨年と同じように今年は熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について、5月1日から開始して逐次報告を行うことになった(終了日は10月1日)。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内

今回発表された各種値は今年の分としては初週、第1週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加がなされることが多い)。

今回計測週では週明けこそ季節外れの暑さが襲い、一部地域では真夏日を観測。また黄砂も各地で観測されるなど夏を思わせる気候となったが、火曜日以降は大気の状態が不安定となり前線の通過もあり、あちこちで雨模様となり気温も低下した。不安定な気候状態は週末まで続き、大雨が降る時・場所もあれば日が差し気温が大きく上昇する場面も見られた。また5月13日付で沖縄と奄美地方が梅雨入りしている。


↑ 沖縄と奄美で梅雨入り。他の地域でも不安定な気象状況に。【直接リンクはこちら:沖縄と奄美が梅雨入り 関東は午後から激しい雨に(17/05/13)】

昨今気象に係わるニュースで度々登場したエルニーニョ現象(発生すると気温が低く、雨量が一部地域で多くなる)だが、直近の気象庁の監視速報【エルニーニョ監視速報No.296(2017年4月)】によれば、「エルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より高い状態が続いているが、エルニーニョ現象として発達する明瞭な兆候は見られない」「エルニーニョ現象が夏の終わりまでに発生する可能性は50%である」とのこと。現状では夏の気候に影響するか否かは不透明な状況にある。

地域別では埼玉県の51人をはじめ、東京都の35人、広島県の25人などが上位についている。埼玉県の値が群を抜いているのは、5月11日に埼玉県の越谷市の小学校で運動会の練習をしていた児童が熱中症によるものと思われる症状を訴え、19人が救急搬送されたことによるもの(【運動会練習中の児童19人搬送 熱中症か 埼玉 越谷】)。この事例のように何らかの集まり、イベントで事案が発生すれば、すぐに大きな変動が起きうる、ぶれが生じやすいレベルの値には違いない。

↑ 東京都の最高気温と天候(2017年5月8日-5月14日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2017年5月8日-5月14日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2017年5月8日-5月14日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2017年5月8日-5月14日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2017年5月8日-5月14日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2017年5月8日-5月14日)(搬送人数上位都道府県、人)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:【熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、4月20日から開始している(昨年は4月25日から)。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用、従来型携帯電話用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】【環境省熱中症予防情報サイト(従来型携帯電話用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)
↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)

電力需給の観点では電力使用に関する制限の類が成されなくなったのは幸いだが、電力需給に関する警戒心は今なお有しておく必要があることに違いは無い。また電気代の生活費への負担懸念から、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もあり、高齢者のエアコン忌避は単に節約心によるものだけとは限らない)。

日取りの上では夏はまだ先の話ではあるが、すでに熱中症のリスクに留意しなければならない時期にある。今後も知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も合わせ、健康管理に留意してほしいものである。


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