観測は5月から開始…熱中症による搬送者数は1週間で422人(2017年5月1日-5月7日)

2017/05/09 12:00

総務省消防庁は2017年5月9日、同年5月1日から5月7日の一週間における熱中症搬送人数が422人(速報値)であることを発表した。今年分は今回週分から熱中症による搬送人数の調査を始めており、消防庁が掌握している累計人数は当然同値の422人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では1人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は12人が確認されている(【消防庁:熱中症情報ページ】)。

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↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2017年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2017年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2017年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(該当週・日単位・速報値・2017年・人)

↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2017年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分)(2017年)

今夏の電力事情に関して政府による決定前の専門委員会決定を元に精査した記事【今年の夏も電力利用制限の要請はない、とのことだけど】などで解説の通り、今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要はないとの報告が当委員会の公開報告書ではされている。5月中旬以降に発表されるであろう政府決定でも、恐らくは同じような判断の下での話となるだろう。しかし震災から6年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いはない。

また現時点で気象庁が発表している夏季予報では全国的に高めの気温となる可能性が高いとの話が出ている(【季節予報(夏 6-8月)(気象庁)】)。降水量はほぼ平年並みとの予想とも勘案し、熱中症リスクに関して警戒をしなければならない。またここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認されている。

そこで消防庁では【熱中症による搬送者数の計測、今年は5月1日から】にある通り、昨年と同じように今年は熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について、5月1日から開始して逐次報告を行うことになった(終了日は10月1日)。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内

今回発表された各種値は今年の分としては初週、第1週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加がなされることが多い)。

今回計測週では大よそ良い天候となり、東京では3日、大阪では4日もの夏日(最高気温が25度以上)が観測された。それに伴い、熱中症で救急搬送されるケースも多々見受けられる結果となっている。


↑ 北海道では真夏日(最高気温が30度以上)を観測する地域も。:北海道が日本で一番暑い日…沖縄抜いて置戸町31.2℃ 北見市30.3℃ 札幌も26.1℃に

昨今気象に係わるニュースで度々登場したエルニーニョ現象(発生すると気温が低く、雨量が一部地域で多くなる)だが、直近の気象庁の監視速報【エルニーニョ監視速報No.295(2017年3月)】によれば、「依然としてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いている」「エルニーニョ現象が夏の終わりまでに発生する可能性は50%である」とのこと。現状では夏の気候に影響するか否かは不透明な状況にある。

地域別では東京都の29人をはじめ、大阪府の22人、神奈川県の21人などが上位についている。とはいえ多い地域でも30人/週を超えることは無く、何らかの集まり、イベントで事案が発生すれば、すぐに大きな変動が起きうる、ぶれが生じやすい順位動向には違いない。他方、5月頭の時点でこれだけの搬送者が存在している状況には、あらためて熱中症への意識を高める必要性を覚えさせられる。実際、天候が良く気温も上昇した5月5日には多くの搬送者が確認されている。

↑ 東京都の最高気温と天候(2017年5月1日-5月7日)
↑ 東京都の最高気温と天候(2017年5月1日-5月7日)

↑ 大阪府の最高気温と天候(2017年5月1日-5月7日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(2017年5月1日-5月7日)

↑ 熱中症による救急搬送状況(2017年5月1日-5月7日)(搬送人数上位都道府県、人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(2017年5月1日-5月7日)(搬送人数上位都道府県、人)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな象徴の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:【熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局)】)

↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから
↑ 熱中症の応急手当。上記記載の消防庁配布によるリーフレットから

環境省では熱中症対策の一環として発表している暑さ指数(WBGT)予想値・実況値の情報提供について、4月20日から開始している(昨年は4月25日から)。今件情報はパソコン向けだけでなくスマートフォン用、従来型携帯電話用にも提供されている(【環境省熱中症予防情報サイト】【環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)】【環境省熱中症予防情報サイト(従来型携帯電話用)】)。

↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)
↑ 環境省熱中症予防情報サイト(スマートフォン用)

搬送者数を昨年の同時期に当たる2016年5月1日から5月7日の搬送者(413人、確定報)と比較すると、今年は多めの値となっている。これはひとえに昨年と比べて気温が高かった、特に5月4日から5日にかけて各地で夏を思わせる暑さが観測されたからに他ならない。

電力需給の観点では電力使用に関する制限の類が成されなくなったのは幸いだが、電力需給に関する警戒心は今なお有しておく必要があることに違いは無い。また電気代の生活費への負担懸念から、冷房機器の利用を避ける心理が働き、ただでさえ気温の変化への反応が鈍い高齢者の熱中症のリスクが上乗せされることは容易に想像ができる(【熱中症とクーラー利用の関係、ちょっと見えてきた】【高齢者の熱中症のリスクは「エアコンあるけど使わない」が多分にあった、その調査結果を確認】との話もあり、高齢者のエアコン忌避は単に節約心によるものだけとは限らない)。

日取りの上では夏はまだ先の話ではあるが、すでに熱中症のリスクに留意しなければならない時期にある。今後も知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も合わせ、健康管理に留意してほしいものである。


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