自国で産まれたことは真の自国民として重要な事柄か、諸外国の考え方を探る

2017/03/28 05:17

平穏な共同社会の維持管理には欠かせない仕組みの一つが国家形態ではあるが、昨今では技術の進歩や環境、状況の変化に伴い、その概念がゆらぎ、一人一人がその国の自国民であるか否かについて、再認識・再確認を求められる風潮が強まりつつある。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社PewResearchCenterが2017年2月1日に発表した調査結果【「What It Takes to Truly Be ‘One of Us’」】から、その自国民の認識要素の一つ「自国で産まれたこと」がどこまで肯定されているかについて確認していく。

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今調査の調査要綱は先行記事の【自国語を話せる事は真の自国民として重要か否か】を参照のこと。

次に示すのは法的な問題以外に自国民として自他共に認める存在足り得るかを判断する際の要素として、その国で産まれたことが重要か否かを尋ねた結果。回答者の考え方の回答であり、その国の一般論や社会通念ではないことに注意(もっとも不特定多数からの集計回答である以上、それなりに各国の社会全般における認識に近い値となりうる)。

↑ 自国で産まれた事は真の自国民としては重要か否か(2016年春)
↑ 自国で産まれた事は真の自国民としては重要か否か(2016年春)

青系統色が重要視派、赤系統色が重要では無いとする派。大よそハンガリー、ギリシャ、日本、イタリア、ポーランドは自国生まれを重要視し、スペイン・アメリカ合衆国、イギリス、フランスは賛否両論、カナダ、オランダ、ドイツ、オーストラリア、スウェーデンは重要では無いとする派が多数との結果となっている。それぞれの国における民族構成比率や過去の歴史と大いに関わり合いがある動きが生じており、興味深い結果には違いない。

なおヨーロッパ諸国に関しては移民・難民に絡んだ国情もあり、報告書内で政治的思考別の動向にも言及されている。それによると大よそ右派的思考の持ち主の方が、左派的よりも「大変重要」の値が高い結果が出ている。例えばギリシャでは31%ポイント、イギリスでは24%ポイントもの差が、右派・左派間に生じているとのこと。

歴史的背景を思い返すとアメリカ合衆国の値における重要視派がイメージと比べてやや多いように見受けられるが、これも昨今の国情によるものだろうか。そのアメリカ合衆国の動向だが、同国の調査機関による報告書ということもあり、属性別の詳細値も公開されている。

↑ 自国で産まれた事は真の自国民としては重要か否か(2016年春)(アメリカ合衆国、「大変重要」)
↑ 自国で産まれた事は真の自国民としては重要か否か(2016年春)(アメリカ合衆国、「大変重要」)

男女別では女性がやや上。出産をする立場からの意見ということだろう。年齢階層別では高齢者ほど高い値を示しており、慣習的な意味合いの強さを連想させる。また、学歴別では低学歴の方が高い値を示しており、高学歴者は産まれが自国民であるか否かをさほどこだわらない傾向が見受けられる。

もっとも他の要素でも似たような結果が出ていることから、高学歴者は自国民である無しそのものについて、強いこだわりがないのかもしれない。なお報告書では参考値として、2015年におけるアメリカ合衆国国民の13.9%は同国外の生まれであるとの値が計上されている。

日本に関しては一部の属性に関する値が記述されている。それによると「大変重要である」との回答率は50歳以上では59%だが18-34歳では29%に留まっている。また高卒以下では55%だが、大卒以上では40%でしかないとのこと。振れ幅はともかく、傾向としてはアメリカ合衆国と違いは無いようだ。


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