使う? 面倒だから別の方法を探す? 別の店にする?…クレカの二段階認証は利用者にいかなる影響を与えるのか(2017年)(最新)

2017/03/04 05:27

先行記事【クレジットカードの安全対策がどこまで知られているか、その実情を探る】において、内閣府が2016年9月20日に発表したクレジットカード取引の安心・安全に関する世論調査の結果を元に、クレジットカードに対する人々の心境、利用姿勢に関して、カード自身や通し番号、暗証番号に加え、事前に登録しておいたIDやパスワードの入力を求め、本人であることを判断する、いわゆる「二段階認証」の認知度を確認した。利用側・運用側共に手間はかかるものの、確実に安全性は向上するこの方法に関して、実際に利用する状況に対面した場合、人々はどのような姿勢を示すだろうか。その実情を同調査から確認していく(【発表リリース:クレジットカード取引の安心・安全に関する世論調査】)。

スポンサードリンク


今調査の調査要綱は先行記事【クレジットカードの積極的な利用意向は約4割】を参照のこと。

その記事でも解説しているが、冒頭にあるようなクレジットカードの利用に際して行われる安全対策の一つ、いわゆる「二段階認証」の仕組みに関して、知っている人は6割近く。

↑ インターネットで買い物をする際のセキュリティ対策として、個人用IDやパスワードを入力する方法があることを知っていたか(2016年7月)(再録)
↑ インターネットで買い物をする際のセキュリティ対策として、個人用IDやパスワードを入力する方法があることを知っていたか(2016年7月)(再録)

それでは実際に、インターネットで買い物をする際にこの「二段階認証」が求められた場合、人はどのような対応を示すだろうか。回答者の心境、実情に関して選択肢から一つ選んでもらった結果が次のグラフ。心境はともあれ利用するとした人は4割強。面倒だから他の購入方法の選択をするなり、別の店を選ぶ人は合わせて1割強。そもそもインターネットで買い物をしない人は1/3強となった。

↑ インターネットで買い物をする際に、クレジットカード番号や有効期限の入力に加えて、個人用IDやパスワードの入力を求められた場合、どのように対応するか(2016年7月)
↑ インターネットで買い物をする際に、クレジットカード番号や有効期限の入力に加えて、個人用IDやパスワードの入力を求められた場合、どのように対応するか(2016年7月)

「インターネットで買い物をしない」人を除き、ネットで買い物をする人限定で試算すると、3/4強は「二段階認証」を許容し利用する、1/4足らずは「避ける」との思惑を有していることになる。

男女別ではそもそも論として女性の方がインターネットで買い物をしない人は多いが、している人の間でも「避ける」派の割合が多い。ネット通販利用者に限定すると、男性は避ける派は22%だが女性は26%となっている。全体でもネット通販利用者限定でも、男性の方が「(面倒だけど仕方ないので)利用する人」は多い。

これを男女別に仕切り分けした上で年齢階層別に見たのが次のグラフ。

↑ インターネットで買い物をする際に、クレジットカード番号や有効期限の入力に加えて、個人用IDやパスワードの入力を求められた場合、どのように対応するか(2016年7月)(男女・年齢階層別)
↑ インターネットで買い物をする際に、クレジットカード番号や有効期限の入力に加えて、個人用IDやパスワードの入力を求められた場合、どのように対応するか(2016年7月)(男女・年齢階層別)

クレジットカードの利用そのものや安全対策に関する認識同様、現役世代では男女の差はあまりなく、やや女性が肯定利用派が低い程度。しかし定年退職を迎える年齢となると、女性の方が避ける割合、そしてそもそもインターネットで買い物をしない人の割合が増えてくる。「二段階認証」も結局のところ、「なんだか難しくて手間がかかるもの」的な雰囲気でとらえられているのかもしれない(実際に面倒なのは否定できない)。

またどの年齢層でも一定の割合で「(二段階認証が面倒なので)クレジットカードによる支払い方法以外を用いて買う」人がいることにも注目したい。見方を変えると二段階認証がクレジットカードの利用を避けさせているとも見て取れる。使わなければその購入に関するリスクは生じないのだから、ある意味究極の安全対策には違いないのだが。他方「面倒なので入力不要なお店で買う」、つまり二段階認証の導入でお客を他に奪われることを意味する回答が、どの属性でも少数なのは幸いではある。

ちなみに上記で試算したようにインターネット通販を利用しない人や「分からない」などの回答を除き、「(面倒だが)入力して利用」を肯定派、「他の方法を使って購入」「入力の必要が無い」を忌避派として再計算した結果が次のグラフ。忌避派は色を同系統として、まだ該当店にとっては売り上げとなりうるケース「別選択肢」と、お客を逃してしまう結果「他の店で」を別途計算している。

↑ インターネットで買い物をする際に、クレジットカード番号や有効期限の入力に加えて、個人用IDやパスワードの入力を求められた場合、どのように対応するか(2016年7月)(インターネット通販利用者限定、肯定派と忌避派)
↑ インターネットで買い物をする際に、クレジットカード番号や有効期限の入力に加えて、個人用IDやパスワードの入力を求められた場合、どのように対応するか(2016年7月)(インターネット通販利用者限定、肯定派と忌避派)

インターネット通販を利用する人に限定しても、男女を問わず高齢層、大よそ50代以降は二段階認証を嫌い、別の店で買う選択をしてしまう人の割合が増加する状況が確認できる。この年齢階層では男性では2割から3割、女性では3割から4割が、「二段階認証が求められるのなら、別の店で買う」と答えている。無論「二段階認証をしているからこの店で購入する」との選択をする人も少なくないだろうが、元々は顧客へのサービス向上、より確かな安全性の提供のための仕組みが、思惑とは裏腹にお客を避ける一因となってしまっているのは、皮肉ではある。


■関連記事:
【普段の生活の中で現金の必要性ってどれほどだろう、米国の人に聞いてみました】
【基本は現金・クレカ…二人以上世帯の代金支払い方法の移り変わりをグラフ化してみる(2016年)(最新)】
【少額は現金、そして電子マネー…単身世帯の代金支払い方法の移り変わりをグラフ化してみる(2016年)(最新)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー