クレジットカードの積極的な利用意向は約4割

2017/02/08 10:54

内閣府は2016年9月20日、クレジットカード取引の安心・安全に関する世論調査の結果を発表した。それによると調査対象母集団においてクレジットカードを積極的に利用したいと考えている人は約4割であることが明らかになった。また積極利用に否定的な人に理由を尋ねると、もっとも多くの人が同意を示したのは「クレジットカードがなくても不便を感じない」とするもので5割強に登っていた(【発表リリース:クレジットカード取引の安心・安全に関する世論調査】)。

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クレカの積極利用を望む人は4割


今調査は2016年7月21日から31日にかけて日本全国の18歳以上の日本国籍を有する者の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた3000人に対し、調査員による個別面接聴取法によって行われたもので、有効回答数は1815人。男女比は841対974、年齢階層比は18-19歳32、20代142、30代219、40代289、50代283、60代398、70歳以上452。

後払いで買い物ができるクレジットカードに関して、積極的に利用したい(利用そのものをする・しないではない)と思うか否かを尋ねたところ、肯定派は4割足らずに留まる結果となった。否定派は6割近く、強い否定派だけでも1/3を超えている。

↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思うか(2016年7月)
↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思うか(2016年7月)

強度の意見のみの比較も合わせ、クレジットカードの積極利用には否定派の方が多い。また男女差がほとんどなく、クレジットカードの利用意向は性別差異が生じていない。

男女別に仕切り分けした上で年齢階層別に見ると、男女で微妙な違いが生じているのが分かる。

↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思うか(2016年7月)(男女・年齢階層別)
↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思うか(2016年7月)(男女・年齢階層別)

男性は30代では肯定派が5割を超えるが、それ以降は4割台にとどまり、60代では4割を切る。ところが女性は10代以降40代まで肯定派の値が5割超えを維持し、30代では6割すら超えている。50代でもほぼ5割の高水準。しかし60代以降は肯定派が急激に減り、むしろ男性よりも少なくなる。結果として男女間では全体としてほぼ変わらない値を示すことになる。元々買い物をする機会が多い女性の方が、便宜性の高いクレジットカードの利用には積極姿勢を見せているのかもしれない。

ちなみに男女を合わせた詳細年齢階層別では60代が一つの仕切り分けラインとなる。

↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思うか(2016年7月)(詳細年齢階層別)
↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思うか(2016年7月)(詳細年齢階層別)

50代後半から利用意向は低下していく。クレカが多用されていなかった時代の世代がクレカに抵抗感を覚えているのか、単純に定年退職を迎えた後はクレカの利用機会・必要性が低下するからなのか、今件だけでは判断が難しい。いずれにせよ、高齢層ほどクレカを使おうと思っていないのは事実ではある。

なぜ使いたくないのか


それではなぜクレジットカードを積極的に使いたいとは思わないのか。積極利用に否定派の人に複数回答で聞いた結果が次のグラフ。

↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思わない理由(複数回答、クレジットカードを積極的に利用したいと思うかの問いに「どちらかといえばそう思わない」「思わない」と回答した人限定)(2016年7月、複数回答)
↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思わない理由(複数回答、クレジットカードを積極的に利用したいと思うかの問いに「どちらかといえばそう思わない」「思わない」と回答した人限定)(2016年7月、複数回答)

IT系の技術、サービスに関する調査では必ず上位陣に顔を見せる「使わなくても別に不便でないから」がトップ。クレジットカードが無くても特に困らないから、積極的に使いたいとは思わないとする意見は、非常に道理が通っている。不必要な人に無理に使わせるわけにはいかない。

第2位以降はクレジットカードにまつわる話では必ず持ち上がるリスクへの懸念が並べられている。セキュリティ上の問題、自分の意思の問題、管理上の問題などなど。実のところクレジットカードを多用している人でもこれらの不安は多かれ少なかれ有しており、その不安の大きさと「使うか否か」の判断ハードルの高低の差で、それぞれの姿勢が変わるだけの話。

男女別に見ると1項目を除いてさほど大きな違いは無い結果となった。

↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思わない理由(複数回答、クレジットカードを積極的に利用したいと思うかの問いに「どちらかといえばそう思わない」「思わない」と回答した人限定)(2016年7月、複数回答)(男女別)
↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思わない理由(複数回答、クレジットカードを積極的に利用したいと思うかの問いに「どちらかといえばそう思わない」「思わない」と回答した人限定)(2016年7月、複数回答)(男女別)

「予算以上の買い物をしてしまう」の項目だけ、有意に女性が高い値を示している。歯止めが確実に低下するクレジットカードの魔力は、女性の方が強く認識しているようだ。

男女別に仕切り分けした上で年齢階層別に見ると、年齢別、男女別のクレジットカードへの姿勢が良く分かる結果が出ている。

↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思わない理由(複数回答、クレジットカードを積極的に利用したいと思うかの問いに「どちらかといえばそう思わない」「思わない」と回答した人限定)(2016年7月、複数回答)(男性・年齢階層別)
↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思わない理由(複数回答、クレジットカードを積極的に利用したいと思うかの問いに「どちらかといえばそう思わない」「思わない」と回答した人限定)(2016年7月、複数回答)(男性・年齢階層別)

↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思わない理由(複数回答、クレジットカードを積極的に利用したいと思うかの問いに「どちらかといえばそう思わない」「思わない」と回答した人限定)(2016年7月、複数回答)(女性・年齢階層別)
↑ クレジットカードを積極的に利用したいと思わない理由(複数回答、クレジットカードを積極的に利用したいと思うかの問いに「どちらかといえばそう思わない」「思わない」と回答した人限定)(2016年7月、複数回答)(女性・年齢階層別)

男女ともに「不便を感じない」の意見は中堅層以降増加する、本人の管理能力が多分に影響する「利用金額が分からなくなる」「予算以上の買い物をする」は若年層の方が高い値を示す点は変わらない。また、個人情報の漏洩への懸念は中堅層が一番大きい。

他方、盗難リスクは男性では若年層が一番大きく、以降きれいな形で低下していくが、女性では中堅層が高い値を計上する。利用度合いの違いがそのまま表れているのだろうか。また管理能力が多分に影響する「利用金額が分からなくなる」「予算以上の買い物をする」では、いずれも男性より女性の方が高い値を示し、特に若年層では差異が大きなものとなる。若年女性はお金の管理能力に自信が持てない……というよりは、クレジットカードの便宜性の高さに釣られやすい、物欲を刺激されやすいと自覚しているのかもしれない。


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