ロック画面を使っていない人は28%…米国スマホセキュリティ事情

2017/02/05 05:28

インターネットへのアクセスを容易にし、しかも高い機動性を有することで便宜性を飛躍させ、インターネットそのものの利用スタイルを大きく変えたスマートフォン。この数年間における社会の変化において、一番大きな影響を与えたと評しても過言ではない。一方で多分に利用者本人との結びつき、プライバシー的要素も強いことから、スマートフォンへのセキュリティの認識は自己防衛のためにも欠かせないものとなりつつある。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社PewResearchCenterが2017年1月26日に発表した、同国におけるデジタル界隈のセキュリティへの認識の実情に関わる調査報告書【Americans and Cybersecurity】の内容をもとに、同国内におけるスマートフォンのセキュリティに関わる実情などを確認していく。

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パスワードへの所感とその内情


今調査の調査要綱は先行記事【4割は自分のクレカで不正請求の経験アリ…米国のセキュリティ経験実情】を参照のこと。

次に示すのはオンライン上のパスワードに関する所感、あるいは実情。スマートフォンに限った話では無いが、スマートフォンでインターネットを利用しない人はほぼ皆無に等しく、また昨今ではスマートフォンだけがインターネットの利用端末である人も少なくないため、スマートフォンのパスワード利用事情として見ても、あながち的外れなものでは無い。

↑ オンライン上のパスワードに関する所感(2016年春、アメリカ合衆国、インターネット利用者限定)
↑ オンライン上のパスワードに関する所感(2016年春、アメリカ合衆国、インターネット利用者限定)

暗記にせよ紙への書き込みにせよ、利用するサービスが増えてパスワードとIDの組み合わせが増加してくると、その管理は数の分だけ大変さも増してくる。39%との値はむしろ少ないようにすら思える。

パスワードを利用していてもどれほど安全なのか不安に感じている(自分がいくら努力してもシステム側の保全状態がおざなりなのではないかとの懸念を持つ)人は3割。覚えるのが大変なので安全性の低い(多サービスで同じ、類似パスワードを使ったり、桁数の少ないパスワードを用いる)パスワードを使っている人は1/4に達している。

パスワードの保全に難儀している人は39%で、残りの60%は苦労していないとのことだが(1%は無回答その他)、その内情を見ると多少頭痛を覚えるかもしれない。クロス回答の一部が報告書には掲載されているが、「苦労していない派対苦労している派」の比較で、

●苦労していない派:苦労している派
・複数サービスで同一、類似のパスワードを利用している…45%:36%
・単純なパスワードを使う…41%:14%
・パスワードを紙に書き留める…56%:44%
・パスワードをファイルに保存しておく…31%:20%
・パスワードをブラウザに記録しておく…25%:13%

などの結果が出ている。要は楽だが同時にセキュリティの低い方法を多用しているから、パスワードの保全には難儀しない傾向が強い次第ではある。

スマートフォンのセキュリティ意識


スマートフォンのセキュリティ対策にはいくつかの手法が存在する。それらの実情を確認していく。

まずはスクリーンロックについて。物理的に第三者の手に渡った場合(盗難や置き忘れ)、容易にその人に操作をされるのは良い状態とは言えない。スマートフォンは得てして個人とリンクしており、プライベートな内容を探られたり、なりすましによる不法行為が成される可能性があるからだ。それを防ぐための仕組みがスクリーンロックであり、そのロックを解除する仕組みとして何を導入してるかを尋ねている。

↑ スマートフォンのスクリーンロックについて(2016年春、アメリカ合衆国、スマートフォン利用者限定)
↑ スマートフォンのスクリーンロックについて(2016年春、アメリカ合衆国、スマートフォン利用者限定)

大よそ青系統色が濃い方がセキュリティの度合いが高いがPINコードの入力は25%、指紋認証は23%の人が導入している。パスワードは9%、ドットパターンも9%、その他の様式は2%。

他方、ロックをかけていない人は28%と3割近くに登っている。例えるならば常に鍵をつけたままで自動車を放置しているようなもの。恐らくは利用の際に自分自身でロックを解除する手間が面倒くさい、他人の手に渡ることはありえないと自信を持っているからなのだろうが、危険極まりないのは言うまでもない。

スマートフォンに関わるセキュリティとして、スクリーンロック以外に容易に想定される場面は、アプリケーションやOSのアップデート。時としてトラブルを呼び込む場合もあるが、大部分は不具合の改善であり、セキュリティの向上を意図して行われる。現状ではセキュリティの上で問題があるので、改善・対応策が盛り込まれたプログラムを提供するのが、アップデートの主な目的。なお「自動的に」はOSのオプションとしては(パソコンはともかくスマートフォンでは)存在しないので選択肢として提示されていないと報告書では説明があり、その項目の回答値は空白となっている。

↑ スマートフォンのアップデートについて(2016年春、アメリカ合衆国、スマートフォン利用者限定)
↑ スマートフォンのアップデートについて(2016年春、アメリカ合衆国、スマートフォン利用者限定)

存在が確認できたらすぐにアップデートを行うとの回答は、アプリでは16%、OSでも42%でしかない。利用者の都合がよい時にとの回答が最も多く、アプリでは32%、OSでは42%。一番確実かつ安全な選択肢である「自動的に」はアプリで32%と1/3程度でしかない。さらに「しない」との意見もアプリ、OS共に1割程度も存在する。

報告書では一部の属性別傾向に関する言及が確認できる。それによると65歳以上のスマホ所有者ではアプリを更新しない人は21%、OSを更新しない人は23%に登り、平均以上の非更新状態であることが分かる。他方、18-29歳ではアプリを更新しない人は6%でしかなく、OSを更新しない人も13%に留まっている。またその層では48%がアプリを自動更新すると回答しているとのことである。


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