相場高で農産品が堅調継続、住関品も好調…2016年11月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス0.8%

2016/12/25 11:00

チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2016年12月21日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2016年11月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2016年11月は相場高の影響を受けて農産品が好調、衣料品は高気温を受けて冬物が伸び悩み、詳細区分すべてでマイナスを計上したが、住関品が健闘を見せてプラスを示したこともあり、売上総額の前年同月比はプラス0.8%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の57社・9424店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は先月比で38店舗増、前年同月比で136店舗増加している。売り場面積は前年同月比100.1%となり、0.1%ポイントの増加。売り場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス1.1%ポイントを示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆0804億6746万円(前年同月比100.8%、△0.8%)

・食料品部門……構成比:64.0%(前年同月比101.6%、△1.6%)

・衣料品部門……構成比:9.1%(前年同月比95.9%、▲4.1%)

・住関品部門……構成比:20.9%(前年同月比101.3%、△1.3%)

・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比85.9%、▲14.1%)

・その他…………構成比:5.8%(前年同月比99.8%、▲0.2%)

※販売金額には消費税額は含まず

中旬以降の
高気温のため
冬物の服が伸びず
衣料品は苦戦継続。
他方相場高で
食料品は伸び
住関品も意外に健闘し
全体としてはプラスを計上。
食料品では白菜や大根、人参、きのこ類などの鍋もの系、高値を受けてカット野菜は好調だったが、トマトやきゅうり、ブロッコリーなどは軟調。果物ではかんきつ類は良い動きを示したが、いちごなどは鈍い動き。畜産物は大よそすべて堅調だったが、鶏卵は軟調。精肉の好調さはここ数か月変わらない動き。消費性向的に肉食へのシフトが起きている可能性が高い。水産品は刺身の盛り合わせ、マグロなど比較的単価の高い商品が堅調なものの、いか、かに、あじ、ちりめんなどは鈍い。惣菜は列挙された区分わけでは寿司以外はすべてが堅調で、精肉類と共に昨今のトレンドとしての総菜の動きの良さが感じ取れる。コンビニ業界の月次報告でもここしばらくは惣菜の堅調さが特記事項として記されており、中食需要が喚起されている感は強い。その他の食品では米、乳酸菌飲料、飲料、冷凍食品になどが好調。なぜかチョコレートも特記の形で堅調さが示されている。

衣料品では中旬以降の気温の高さを受けてか冬物系が全般的に不調。セーターやニットなど、冬物で男女子供向けを問わず苦戦している。住関品は冬に動きやすいエアコンや暖房機器、加湿器、こたつは好調だが、それ以外は大よそ堅調。液晶テレビやコーダーなども軟調扱いされている。

「その他」項目は前月から継続する形で軟調さを見せ、マイナス0.2%。一方でサービスは14.1%と大きなマイナス幅を示し、旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われ、厳しい状態にあることがうかがえる。

なお今回月の比較対象となった1年前の2015年11月では食料品部門以外はマイナスを計上し、下げ幅も衣料品ではマイナス5.3%、住関品ではマイナス3.6%とそれなりに大きなもの。その反動がある中での今回の値であると考えると、衣料品は大きな不調度合い、住関品も反動以上のものではないことが分かる。

今年は平年と比べて気温が高めな一方で、北海道や九州など一部地域では雨量が多く、また台風の数が少ないとの懸念が生じた直後に相次ぎ台風が到来するなど、不安定な天候状態にある。季節感にあった気候状況となれば、その季節向けの商品はセールスを伸ばすが、タイミング次第では次の季節の商品のセールスが落ち込んでしまう。また、梅雨時の雨や、秋口の台風、天候不順のように、客足を引っ張る≒売り上げを落とす要因となるものもあり、天候で大きな影響を受けるビジネスの難しさを体感させる。

今回月は衣料品で平年と比べて高めの気温を呈したことから、冬物が伸びずに数字の上では軟調となってしまったが、まさに「お天道様にはかなわない」状態ではある。

米大統領選の結果や原油の生産調整合意を受けて、金融市場は復調傾向にある。市場心理の好転は景況感の底上げにもつながる。チェーンストア界隈にも福音がもたらされるとよいのだが。


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