2か月連続で下落する市場観指標…野村證券、2016年12月分の個人投資家動向発表

2016/12/16 09:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門であるグローバル・リサーチ本部は2016年12月15日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2016年12月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から継続する形で下落し、31.4を示すこととなった。株価の先行きでは小規模な上昇を予想する意見が大きく減り、中規模な上昇を見通す意見が増えているが、中規模・大規模な下落を予想する意見も増えている。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2016年12月5日から12月6日に行われたもので、男女比は82.0対18.0。年齢層は60代以上がもっとも多く36.2%、次いで50代が31.2%、40代が22.6%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く30.7%、500-1000万円未満が16.2%と続いている。回答者の投資経験年数は20年以上が33.0%ともっとも多く、次いで10年-20年未満が31.3%。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で47.0%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が25.2%と2割強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(7割強)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は31.4ポイント。前回の32.8から1.4ポイントの下落で先月から続く流れ。この時期、日経平均株価は前月比で1100円近くの上昇を示していたが、その時点において今後は下落を予想する人が増えた形となる。市場の急速な上昇を受け、今後は反落を想起する人が多かったものと考えられる。

・3か月後の日経平均株価の下落を見込む比率は合計で34.3%。前月分の33.6%からは0.7%ポイント上昇。こちらも投資指数同様の動きを示している。「2000円以上上昇」「2000円程度上昇」「2000円程度下落」「2000円以上下落」が増加し、「1000円程度上昇」「1000円程度下落」が減少している。特に「1000円以上上昇」の下落幅が大きく、市場観がわずかではあるが弱気な様子がうかがえる。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大要因で、回答率は前回から大幅増加。「為替動向」はそれに続くが、回答率は増加。このツートップ状態に変化は無く、国内情勢は企業、政治、金利共に前月からさらに減少して置いてけぼり状態。

・魅力的な業種は「医薬品」「素材」「自動車」「資本財・その他」「金融」の順でここまでがDIではプラス。「電気機器・精密機器」「通信」「運輸・公共」「消費」がマイナス圏。「素材」は大きく伸びてプラス圏に転じたが、「自動車」同様に円安ドル高が影響しているものと考えられる。

・ドル円相場に対する見通しでは、やや円高ドル安を見込む声が大きくなっている。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」がトップで「日本円」が続く。次いで「オーストラリアドル」「カナダドル」がそれらの後に続き、そこまでがプラス。「アメリカドル」は前月からDIを大きく積み増し、「日本円」と順位を逆転している。「中国元」はいまだに最下位でDI値はさらに低下。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」「金」。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
3位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
4位……武田薬品工業(4502)
5位……パナソニック(6752)

トヨタ自動車以外も大よそ鉄板の銘柄ばかりで、変わった動きは特にない。為替レートの変動や金利動向を受けて、輸出産業や金融関連企業の順位が挙がっている・顔を見せているのが目立つ動き。

【郵政三社銘柄が異様に強かった理由が何となくわかった気がする調査結果】で言及した、投資家から注目を集めた銘柄の上位陣についた郵政三社だが、今回月ではその姿は確認できない(6票以下の得票しかない)。安定感の強さが株価にも連動しうる要因ではあるが、少なくとも今回の調査では魅力の点で上位陣には今一つ及ばなかったようだ。



今年に入ってから中国市場の急落、原油市場の低迷、さらに為替市場の急激な円高化と欧州における金融危機の再燃リスクの露呈、そしてイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票の結果を受けた大規模な円高化、トルコにおけるクーデター未遂事案など、株式市場を大荒れさせる事象が相次ぎ、東京株式市場も不安定な状況が続いている。他方、昨今では米大統領選挙(選挙人)の選挙結果を受けて、金融政策への期待もあり、さらには同国の政策金利引き上げなどを受けて円安ドル高の基調が生じており、東京株式市場も息を吹き返している感は強い。タイミング的にはまさに年末ラッシュ状態。

次回の調査時期は来年頭となるが、昨年は年初から株価の急落が生じて大きな混乱を見せただけに、嫌な思いがよみがえる人も多いだろう。来年は昨年とはむしろ逆の動きを示してほしいものだが。


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