アメリカ合衆国でインターネットを使っていない大人は13%

2017/01/16 10:50

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今やありとあらゆる場所に浸透し、日常生活の上では欠かせない存在となった新時代のインフラ、インターネット。しかし現在もなお、少なからぬ人は(間接的な利用はともかく)自ら意図する形での利用をしていない。インターネット先進国でもあるアメリカ合衆国におけるその実情を、同国の民間調査会社PewResearchCenterが2016年9月7日に発表した調査報告書【13% of Americans don’t use the internet. Who are they?】から確認していくことにする。


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今調査の直近分は2016年3月7日から4月4日、3月30日から5月3日にそれぞれ行われたものの合算。18歳以上のアメリカ合衆国在住者に対し音声通話方式で行われたもので、ウェイトバック(国勢調査に基づいた各種指標がベース)前のサンプル数は2560人。

ここ数年アメリカ合衆国では国自身の政策や社会支援団体の後押しのもと、インターネットの利用者の底上げ(≒インフラとしての普及促進)を推し量る姿勢を強化しているが、それでもなお調査時点で成人のうち13%が「インターネットを利用していない」と回答している。これは自宅のパソコン経由による利用だけでなく、スマートフォンによるものも含まれる。

↑ インターネットを使っていない人(アメリカ合衆国、2016年春)
↑ インターネットを使っていない人(アメリカ合衆国、2016年春)

男女別では女性の方が多め。年齢階層別では高年齢層の方が、世帯年収別では低年収の方が、学歴別では低学歴の方が、居住地域別では地方の方が高い値、つまりインターネットを利用していない人が多い結果が出ている。例えば学歴と世帯年収の間のように相関関係、そして多分な因果関係が推測できる属性もあるが、大よそイメージ通りの結果が出ている。インターネットの利用に関して興味関心がどれだけあるか、そして利用状態を維持するのに必要なコストをねん出できるか否かを考えれば、納得はできる。

他方、ネット先進国であるアメリカ合衆国ですら、65歳以上は4割が、高卒未満では1/3がインターネットを利用していない(何らかの形で間接的に利用していることになる、あるいは時折何らかの機会に使わせてもらうことぐらいはあるだろうが、本人が「利用している」との認識を持っていない)のは、驚くべき値には違いない。

今報告書では直近年分だけの掲示だが、経年変化の値を収めた同調査会社の【Internet/Broadband Fact Sheet】では、前世紀末からの動向を知ることができる(直近年分は積み重ねのデータ計測の途中のためか、直上の値といくぶんずれが生じている)。

↑ インターネットを使っていない人(アメリカ合衆国)
↑ インターネットを使っていない人(アメリカ合衆国)

前世紀末には半数近くの人がネット未利用だった状態から、20年近くで10%強にまで抑えられている。年齢階層別ではやはり若年層の方が使っていない人の値は小さいが、減少の仕方はどの年齢階層でもさほど変化は無い。高齢層は元々高値だったため、減退は継続しているものの、今なお他の年齢階層と比べると高めに見えるだけの話。

↑ インターネットを使っていない人(アメリカ合衆国)(年齢階層別)
↑ インターネットを使っていない人(アメリカ合衆国)(年齢階層別)

きわめて順調な形でインターネットの普及が進んでいるのは、パソコンやブロードバンド環境の廉価や普及浸透はもちろんだが、スマートフォンの普及も大きな貢献をしていることは言うまでもない。

スマートフォンの登場はインターネットの利用に対し、革命的なまでの利便性やコストパフォーマンスを生み出したのは誰も否定できない。現在では1割強の人が「自宅にパソコンによるブロードバンド環境は無く、スマートフォンのみでインターネットを利用している」状態、18-29歳に限定すれば17%にまで達している。

↑ 自宅でパソコンによるブロードバンド環境は無いが自前のスマートフォンでインターネットを利用している人(アメリカ合衆国)(年齢階層別)
↑ 自宅でパソコンによるブロードバンド環境は無いが自前のスマートフォンでインターネットを利用している人(アメリカ合衆国)(年齢階層別)

「ラストワンマイル」の話では無いが、インターネットへのアプローチのすき間を埋める役割としても、今後スマートフォンはさらに活躍しそうではある。


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