米国における利用ネット端末数と日々の情報取得状態との関係を探る

2017/01/17 15:16

インターネットとそれを利用できる端末の普及浸透で、人々の日常生活には情報があふれる形となった。その量はおそらく人類史上初のレベルのものであり、情報そのものの意義、価値と共に、人の情報処理に関わるさまざまな問題が提起され、検証されている。今回はアメリカ合衆国の民間調査機関であるPewResearchCenterが2016年12月7日付で発表した報告書【Information Overload】から、同国におけるネット利用端末数と、日々の生活における情報取得頻度の関係を見ていくことにする。

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今調査の調査要綱は先行する【米国成人の2割は情報過多を認識している】を参照のこと。

同調査に関わる先行記事【多い方が巧みに使いこなしている感…米国における「使用情報処理端末数」と「情報に振り回されている実感」との関係】で解説しているが、今調査対象母集団ではインターネットを用いて情報の処理精査が可能な端末に関して、スマートフォンは7割強、タブレット型端末は5割近く、自宅におけるブロードバンド環境を使えるパソコンは7割が利用しているの認識を持っている。どれも用いていない人は16%にとどまっている。

↑ インターネット経由で情報を処理する時に、スマホ、タブレット型端末、自宅でのブロードバンド環境によるパソコン操作のいずれを使っているか(2016年春、アメリカ合衆国)(再録)
↑ インターネット経由で情報を処理する時に、スマホ、タブレット型端末、自宅でのブロードバンド環境によるパソコン操作のいずれを使っているか(2016年春、アメリカ合衆国)(再録)

それでは日々の生活の中で、インターネットの利用端末数と、情報取得の間にはいかなる関係があるのだろうか。生活に関わる情報をいくつかの種類に分別し、それぞれの情報を過去一か月間に取得したか否か(インターネット経由に限らず)を尋ねた結果が次のグラフ。

↑ 過去一か月に該当する情報を取得したか否かと、情報をインターネット経由で情報を処理する時に使っているツール数との関係(2016年春、アメリカ合衆国)(スマホ、タブレット型端末、自宅でのブロードバンド環境によるPC)
↑ 過去一か月に該当する情報を取得したか否かと、情報をインターネット経由で情報を処理する時に使っているツール数との関係(2016年春、アメリカ合衆国)(スマホ、タブレット型端末、自宅でのブロードバンド環境によるPC)

一部イレギュラーが生じている、上昇度合いに違いがあるものの、大よそ「ネット情報利用端末数」と「生活に関わる情報取得率」との間には、正比例の関係が確認できる。

これはもちろん相関関係でしかなく、因果関係を説明するものではない。ネット情報利用端末を多用している、使いこなしている人ほど、多数の情報を積極的に取得しているのは事実だが、元々これらの情報を必要としない、気にしない人はネット利用端末を必要としていないだけかもしれない(つまり、仮に利用端末数が少ない、ゼロの人が多数の端末を手にしても、これまで通り情報取得には消極的なままだろうとする考え方)。他方、ネット利用端末を用いることで、好奇心がかき立てられ、多様な情報を取得して日々の生活に役立てようとする動きを示した結果、値が伸びている可能性もある。

ともあれ、取得した情報を有効に活用しているか否かはまた別の話ではあるが、ネット利用端末が多い人ほど、日々の生活においても多様な情報取得を行い、活かしているであろうことは容易に想像ができる。「地域社会の情報」「交通・通勤情報」「学校や教育」「資産運用」「自分の仕事関連」では、利用端末数がゼロの人と、三つすべての人との間には、激しいギャップが生じている。生活面におけるデジタルデバイドが透けて見えてくるようでもあり、社会全体のサービス向上を考察する上で大いに参考となる値には違いない。


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