季節もの不調が続き衣料品と住関品の歩みは鈍いまま…2016年9月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス3.2%

2016/10/25 09:00

チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2016年10月24日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2016年9月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2016年9月は天候不順と高気温の影響を受けて季節商品の苦戦が衣料品や住関品部門の売り上げの足を強く引っ張る形となり、特に衣料品は1割以上の減退を示した。詳細区分別では住関品の日用雑貨品以外の全項目で前年同月比マイナスを計上し、売上総額の前年同月比はマイナス3.2%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の57社・9422店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は先月比で9店舗増、前年同月比で92店舗増加している。売り場面積は前年同月比101.0%となり、1.0%ポイントの増加。売り場面積あたりの売上額は前年同月比でマイナス3.8%ポイントを示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆0087億1931万円(前年同月比96.8%、▲3.2%)

・食料品部門……構成比:67.3%(前年同月比98.7%、▲1.3%)

・衣料品部門……構成比:7.5%(前年同月比88.7%、▲11.3%)

・住関品部門……構成比:19.3%(前年同月比95.9%、▲4.1%)

・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比81.1%、▲18.9%)

・その他…………構成比:5.7%(前年同月比91.6%、▲8.4%)

※販売金額には消費税額は含まず

天候悪化で客足が鈍り、
全般的な売り上げの
足を引っ張る形に。
他方高気温で
秋物商品が伸び悩み
とくに衣料品が軟調。
食料品では農産物においては茄子やたまねぎ、じゃがいも、人参などは好調だったものの、葉物系が軟調。果物はりんごや柿、バナナが鈍いが梨やぶどう、かんきつ類が堅調。畜産物は加工品以外は大よそすべて堅調で、鶏卵も好調。精肉の好調さはここ数か月変わらない動き。消費性向的に肉食へのシフトが起きているのかもしれない。水産品は刺身の盛り合わせ、マグロなど比較的単価の高い商品が堅調なものの、生鮮魚、さんま、スルメイカなどは鈍い。惣菜はスナック類やお弁当以外はおおむね好調。コンビニ業界の月次報告でもここしばらくは惣菜の堅調さが特記事項として記されており、中食需要が喚起されている感は強い。その他の食品ではヨーグルトや米、酒類、冷凍食品になどが好調。季節ものでもある練り製品や麺類、スープ・シチュー類は苦戦。

衣料品では多雨を受けてレイングッズよく売れているが、秋や冬に向けた衣料品などは不調に終わっている。住関品は男児玩具やスキンケアなどは好調だが、ヘアメイクや防虫剤などは鈍い。家具では小物は良く動いたが、布団系は軟調。家電製品では液晶テレビや調理家電が不調。台風災害などを受けてか電池が堅調な動き。

「その他」項目は前月から続き軟調さを見せ、マイナス8.4%。サービスも18.9%と大きなマイナス幅を示し、旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われ、厳しい状態にあることがうかがえる。

なお今回月の比較対象となった1年前の2015年9月ではサービス部門以外はプラスを計上していたものの、上げ幅は最大でも食料品部門のプラス3.7%に留まっている。2年前同月比を試算すると、食料品はほぼトントンだが、衣料品や住関品はやはりマイナスであり、今回のマイナス値が前年同月のプラスの反動によるものでは無い、純粋な売り上げ不調によるところのものであることが確認できる。

今回計測月では天候不良に伴う客足の遠のきによる売り上げへの影響が言及されているが、他方で野菜などの食料品における台風などの影響に伴う値上がりへの言及はまだ見られない。各小売店などでは生鮮野菜を中心に値上がりが報告されており、来月報告分以降は北日本産地の食品を中心に、価格の上昇に伴う影響が生じる可能性はある。

今年は平年と比べて気温が高めな一方で、北海道や九州など一部地域では雨量が多く、また台風の数が少ないとの懸念が生じた直後に相次ぎ台風が到来するなど、不安定な天候状態にある。季節感にあった気候状況となれば、その季節向けの商品はセールスを伸ばすが、タイミング次第では次の季節の商品のセールスが落ち込んでしまう。また、梅雨時の雨や、今回月の台風、天候不順のように、客足を引っ張る≒売り上げを落とす要因となるものもあり、天候で大きな影響を受けるビジネスの難しさを体感させる。

次回分となる10月は、ようやく台風などの天候不良のラッシュは過ぎたものの、野菜の高騰が生じており、食料品だけでなく他方面でも影響が生じる可能性がある。食料品そのものは売り上げを伸ばすだろうが、その分他の部門の消費性向の足が引っ張られるかもしれない。


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