原油先物(WTI)価格の推移をグラフ化してみる(2016年)

2016/10/20 11:00

昨今ガソリン価格、そしてその大本となる原油価格の動向に大きな注目が集まっている。為替にも影響されるため日本国内のガソリン・灯油価格の変動は海外と比べればゆるやかなものだが、それでも小さからぬ値動きが生じている。そして国際情勢は原油価格の変動を受け、大きな変化が生じ、また逆に国際情勢も原油価格の変動を起因として変化が起きている。そこで今回は原油先物(WTI、アメリカ南部などで産出される原油ウェスト・テキサス・インターミディエイト(West Texas Intermediate)の先物価格。原油価格の指標的な立ち位置にある)の動向を確認し、石油(原油)価格の変遷を眺めることにした。

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データ取得元はアメリカのエネルギー省(EIA、Energy Information Administration・Official Energy Statistics from the U.S. Government)が提供している【原油などの価格動向に関する各種データ提供ページ(Petroleum & Other Liquids/DATA))】。ここから「Spot Prices」を選び、リスト上記にある「Crude Oil(原油)」から「WTI - Cushing, Oklahoma」を選び、「View History」ページに移行。その上で月次データを取得する。今件データはオクラホマ州のCushingに位置する売り手側施設での価格。現時点では2016年9月分までが確認できる。

↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、1986年1月-、月次)
↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、1986年1月-、月次)

直近の金融危機、いわゆる「サブプライムローンショック」後の資源価格高騰時における価格の急騰が一番目立つ(2008年中頃)が、それ以外でも中期的に原油価格は上昇傾向にあること、そして2009年以降は値を高値に戻した後、もみ合いを続けて100ドル内外での値を維持、さらに直近ではイレギュラー的な下げ方を示している事が分かる。後述するが2015年1月末辺りで原油価格は底値を打ち、その後復調の兆しを見せていたものの間もなく失速。今は月次に限れば失速を続けた後に底打ちを見せ(2016年2月、30.32ドル)、リバウンドを示したあと、もみ合いの動きを見せている。

月次ベースにおける最新の値は2016年9月分の45.18ドル。前月の44.72ドルからは46セントほど値を上げている。前年同月の45.48ドルとはほとんど変わらず。

続いて1946年1月から月次単位でWTI価格を保存している場所「Economagic.com」で取得したデータによるグラフ。【Price of West Texas Intermediate Crude; Monthly NSA, Dollars Per Barrel】から逐次データを取得していく。なお「年ベースでの最高値」「平均値」では無く「毎年の12月の値」を元にしている(直近2016年はEIAから取得した最新の9月分の値を反映)ため、例えば2008年の値は同年で最高値を付けた夏の130ドル強では無く、12月の40ドル強になっていることに注意。

↑ WTI価格(各年12月時点)(ドル、1バレルあたり)
↑ WTI価格(各年12月時点)(ドル、1バレルあたり)

1970年頃まではほとんど固定相場で非常に安価(例えば1950年なら2.57ドル)で推移していたのが、オイルショック(石油危機)前からじわじわと上昇。1970年代のオイルショックで大きく値を上げていく。その後はやや安値となり小刻みな上下を見せつつも安定していたが、21世紀に入ってから再び大きく上向いている様子が分かる。また2008年以降の資源高騰とその後の反動による急落が、いかに異常な状況だったかも理解できよう。



昨今では冒頭にある通り原油価格の大きな変化が国内外で様々な動き(株式市場や国レベルでの外交施策の変化)を誘発しており、原油の影響力の大きさが理解できる。変動の大きさをより詳しく確認するため、金融危機ぼっ発の2007年以降の月次(2016年9月分まで)、そして2014年頭以降の日次動向を取得できる範囲、さらには直近1年間の日次による動向をグラフ化しておく。

↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、2007年1月-、月次)
↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、2007年1月-、月次)

↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、2014年1月1日-、日次)
↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、2014年1月1日-、日次)

↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、直近1年間、日次)
↑ WTI価格(1バレルあたり、ドル、直近1年間、日次)

2014年以降に限れば、2014年6月20日に最高値107ドル95セントをつけ、その後はゆるやか、そしてやや加速をつけて下落。いくぶんのリバウンドを見せた後、2015年の3月17日に43ドル39セントの安値を示す。その後は勢いよく上昇するも60ドル台でブレーキがかかり、6月10日の61ドル36セントを高値として、数日のもみあいの後、急速に失速。8月下旬に底を打った後は40ドル後半で推移していたが、11月に入ってからは再び下落した。その後は2016年に入ってから3月以降に再び上昇し、40ドルを底値として50ドルとの間のもみあいが続いている。

直近となる2016年10月17日は49ドル97セント。同年1月20日につけた26ドル68セントを底値に一度上昇を見せた後の下落で2月11日に26ドル19セントを記録した後、少しずつだが確実に上昇の動きを示していた。日次の動向でも2016年6月7日から9日にかけて50ドルを突破したことが確認できる。その後値は落ちて再び50ドルを割り込み、再上昇の動きもあったが、7月に入ると失速、その後は再び上昇の後のもみ合いを経て、9月下旬から再び5ドルほどの上乗せを見せ、50ドル内外を行き来している。

これは先行するガソリン価格の記事で言及している通り、売り要素・買い要素ともに多数の要素がさまざまな方面の思惑と共に絡み合い、双方の圧力が微妙なバランスを保ちながら値を動かしている状況が続いている中で、9月末にOPECなどによる減産の仮合意を受け、需給関係の変化が生じることに反応した形の値動きである。11月の本合意が成功裏に終われば、さらに値は底上げされることだろう。

ここ数年で生じている急激な原油価格の変化、特に下落により、原油の輸出入が経済に大きく関与している国では、対応が難しくなるのは必然。原油価格動向が昨今の国際情勢、そして原油産出国の思惑も多分に影響していることを思い返せば、今後の動きにも大いに注目しなければなるまい。


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