仕事、家事、そしてゲーム…睡眠を妨害する要素、何がある?(2016年)(最新)

2016/12/11 05:17

睡眠は人の心身を休めるため、そして睡眠欲求を充足するために欠かせない日常生活行動の一つ。睡眠不足が続くと体の不調が生じ、判断力も鈍り、命に係わる事態となることもある。他方、睡眠中は意識的な行動ができないことから、起きている時間と比べて削られやすく、後回しにされることも多い。また自意識としては眠りたいにも関わらず、睡眠が上手く取れない状況に陥ることも少なくない。今回は厚生労働省が2016年11月14日に発表した「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」の結果から、自己判断による睡眠のさまたげとなっている要因について確認する(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

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今調査の調査要件は先行記事【一日の平均歩数は男性7200歩・女性6200歩(2016年)(最新)】を参照のこと。

次に示すのは回答者自身が自覚している、自分の睡眠の確保においてさまたげとなっている要因。「特に困らず」の回答者は、何らかの影響で眠れない、眠り足りないといった状況には陥っていない、不足無く眠れていることを意味する。

↑ 睡眠の確保のさまたげとなっていること(2015年、20歳以上、複数回答)
↑ 睡眠の確保のさまたげとなっていること(2015年、20歳以上、複数回答)

男性では5割、女性も4割強は「特に邪魔な要素によって睡眠をさまたげられていることはない。ほどよく眠れている」と回答している。他方、睡眠が十分でないと認識している人の、その理由でもっとも多いのは、男性が仕事、女性は健康状態。男性は続いて健康状態だが、女性はほぼ同率で仕事と家事が並んでおり、現在の就業状態が多分に影響していることを示唆する内容となっている。

また男女ともに1割近くで「就寝前の携帯電話、メール、ゲームなどへの熱中」を回答しており、就寝前のプライベートタイムにおける携帯やゲームへの注力が、就寝時間を引き延ばしてしまうことを自覚している人が多分にいることがうかがえる。

今件を男女、年齢階層別に示したのが次のグラフ。ただし現時点では各属性で上位3位項目のみのデータ開示のため、具体値が分からない項目がかなり存在する。表示されている項目が、その属性でトップ3(「特に困っていない」は除いてあるため、2つしか無い属性も存在する)だと判断してほしい。また、「特に困っていない」、つまり睡眠不足を自覚していない人の回答率も併記しておく。こちらはすべての属性でトップ3に入っているため、全属性の抽出が可能となった。

↑ 睡眠の確保のさまたげとなっていること(2015年、20歳以上、複数回答)(年齢階層別、各層上位3位まで)
↑ 睡眠の確保のさまたげとなっていること(2015年、20歳以上、複数回答)(年齢階層別、各層上位3位まで)

↑ 睡眠の確保のさまたげとなっていること(2015年、20歳以上、複数回答)(年齢階層別、「特に困っていない」)
↑ 睡眠の確保のさまたげとなっていること(2015年、20歳以上、複数回答)(年齢階層別、「特に困っていない」)

年齢階層別、そして男女別で睡眠をさまたげると自覚している要素が大きく違うことが良くわかる結果となっている。男性は若年層のうちはゲームや携帯操作が少なからぬ要因となっている一方、50代までは仕事も大きな要素。そして50代になると健康状態が加わり、60代以降はそれが多分になる。

他方女性は20代では男性以上、それこそ仕事以上にゲームや携帯操作が睡眠の確保には邪魔となると認識しているが、30代になると一転して育児や家事が大きな要素となると自覚するように。40代から50代になると仕事が再び入るが、40代ではまだ家事が多分な要素として存在している。健康による影響は60代に入ってからだが、50代から大きな回答値を示す「その他」が気になるところではある(今調査の限りではその内容は分からない)。

一方で「睡眠をさまたげる要素は特にない。十分眠れている」との回答は、男女ともに歳を経るにつれて増加している。特に60代以降は大きな値となる。男性は仕事が、女性は家事や育児が睡眠をさまたげる大きな要素となることから、定年退職後や子供が一人前となるであろう年齢になると、よく眠れるようになる次第である。

男女別では全般的に女性の方が回答値が低い。男性と比べて女性は眠れない要素が多いのか、ストレスを多く感じてしまうのかもしれない。



今件で注意してほしいのは、挙げられた「睡眠の確保のさまたげとなる要素」はいずれも自己認識による回答である点。必ずしも医学的に正しいものとは限らない。医師の判断を受けて認識している場合もあるが、単なる思い違いの場合もある。睡眠時無呼吸症候群などが良い例。

睡眠不足は多様な方面で悪影響を及ぼす。素人判断では思いもつかなかったような原因が、睡眠不足を招いていることもある。十分な長さの睡眠時間確保や定期的な健康診断による睡眠不足解消の模索はもちろんだが、何か体の不調を覚える、あるいは寝不足感を認識したら、医師の判断を仰ぐことをおすすめしたい。


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