3か月ぶりに上昇する市場観指標…野村證券、2016年10月分の個人投資家動向発表

2016/10/16 05:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門であるグローバル・リサーチ本部は2016年10月14日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2016年10月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じる形で上昇し、37.6を示すこととなった。株価の先行きに関しては大きな変動は無いが、小規模な上昇を予想する意見が増え、中規模・大規模な下落の予想回答率が減少している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2016年10月3日から10月4日に行われたもので、男女比は81.2対18.8。年齢層は60代以上がもっとも多く37.6%、次いで50代が29.0%、40代が22.0%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く28.4%、500-1000万円未満が17.8%、5000万円以上が13.7%と続いている。回答者の投資経験年数は10-20年未満が33.5%ともっとも多く、次いで20年以上が31.5%。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で46.6%と4割強でもっとも多い。ついで配当や株主優待が25.6%と3割近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(7割強)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は37.6ポイント。前回の30.6から7.0ポイントの上昇で先月から転じる流れ。この時期、日経平均株価は前月比で400円強の下落を示していたが、その時点において今後は上昇を予想する人が増えた形となる。市場の急速な下落を受け、今後は反発を想起する人が多かったものと考えられる。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で68.8%。前月分の65.3%からは3.5%ポイント上昇。こちらも投資指数同様の動きを示している。「2000円以上上昇」「1000円程度上昇」「1000円程度下落」が増加し、「2000円程度上昇」「2000円程度下落」「2000円以上下落」が減少している。特に「1000円程度上昇」の増加幅が大きく、市場観がわずかではあるが強気な様子がうかがえる。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大要因で、回答率は前回から大幅増加。「為替動向」はそれに続くが、回答率は大きく減少。このツートップ状態に変化は無く、国内情勢は置いてけぼり。

・魅力的な業種は「医薬品」「資本財・その他」「通信」「自動車」の順でここまでがDIではプラス。「素材」「運輸・公共」「電気機器・精密機器」「消費」「金融」がマイナス圏。「金融」は前回月から11.6ポイントと大幅な下落を示している。

・ドル円相場に対する見通しは大きな変動は無し。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」がトップで「日本円」が続く。次いで「オーストラリアドル」「カナダドル」がそれらの後に続き、そこまでがプラス。国内情勢の悪化を受けて前月大きな下落を示した「ブラジルレアル」のDIは多少回復したが、それでもマイナス圏には違いない。「中国元」はいまだに最下位。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「金」「国内投資信託」。「金」がじわりと値を積み増ししている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
3位……ソフトバンクグループ(9984)
4位……武田薬品工業(4502)
5位……ANAホールディングス(9202)

トヨタ自動車以外も大よそ鉄板の銘柄ばかりで、変わった動きは特にない。なお上記には無いが、今回第6位に17票を獲得した九州旅行鉄道(9142)が入っている。これは10月25日の上場予定で、回答時点ではまだ株主になることは不可能。上場以前から大いに期待されていることが分かる。

【郵政三社銘柄が異様に強かった理由が何となくわかった気がする調査結果】で言及した、投資家から注目を集めた銘柄の上位陣についた郵政三社だが、今回月ではその姿は確認できない(6票未満の得票しかない)。安定感の強さが株価にも連動しうる要因ではあるが、少なくとも今回の調査では魅力の点で上位陣には今一つ及ばなかったようだ。



今年に入ってから中国市場の急落、原油市場の低迷、さらに為替市場の急激な円高化と欧州における金融危機の再燃リスクの露呈、そしてイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票の結果を受けた大規模な円高化、トルコにおけるクーデター未遂事案など、株式市場を大荒れさせる事象が相次ぎ、東京株式市場も不安定な状況が続いている。昨今では不透明感の強いアメリカ合衆国の大統領選の行方や利上げに関する思惑で為替が大きく動き、それがトリガーとなり株価が動く(大体下向き)こともあり、東京株式市場の動きに関しては、多分に理不尽さを覚える人もいるだろう。

次回の調査時期までに市場動向が明らかな持ち直しの機運を持つにいたるのか、それともなお低迷が続くのか。年末までにはきりの良い、日経平均株価2万円台回復と円ドル110円台回復を果たしてほしいものだが。


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