大人の朝食欠食、男性14.3%・女性10.5%(2015年)

2015/12/12 11:00

厚生労働省は2015年12月9日、「平成26年国民健康・栄養調査結果の概要」を発表した。それによると調査当日(特定の1日)において朝食を欠食した成人は男性で14.3%・女性10.5%に達していることが分かった。朝食欠食率は男女とも20代をピークとし、それ以降は歳を経るにつれて減る傾向がある。中期的な流れでは女性は全世代、男性は30代以降で増加している(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

スポンサードリンク


若年層「何も食べない」、歳と共に「菓子・果物などのみ」増加の朝食欠食実情


世間一般的には朝食も含め一日三食定期的な食事を摂ることが望ましいとされている。特に朝食は個人差もあり摂らない方が健康的な日常生活を過ごせる人もおり、またそれを推奨する健康法も存在するが、概して摂らずにいると日常生活上のリズムが崩れ、体調にもマイナスの影響を及ぼすとされている(空腹感から昼食や夕食の量が増え、いわゆる「ドカ食い」となり、身体には良くないとする話もある)。

今件は調査実施当日において(≒日常的に)朝食を欠食したか否か、欠食した場合はその具体的な内容について尋ねた結果をグラフ化したもの。なお「欠食」とは単に「一切の飲食をしなかった」だけでなく「タブレットなどによる栄養素の補給、栄養ドリンクのみ」「果物や菓子、乳製品などの食品・飲料のみを食べた場合」も含まれる。時間の都合や健康法などの理由から、これらを朝食に常食している人の中には「自分も欠食扱いになるとは」と驚く人もいるかもしれないが、調査の仕様とのことでご容赦願いたい。

↑ 朝食の欠食率内訳(20歳以上、男女・世代別)(2014年)
↑ 朝食の欠食率内訳(20歳以上、男女・世代別)(2014年)

男性は出勤で朝の時間帯において忙しくなる場合が多いことから、特に20-40代で女性を大きく上回る値を示している。総数でも男性の方が4%ポイントほど欠食率が高い。

欠食の内訳をみると20代、特に男性は従来よく言われている「欠食」を意味する「何も食べず」の比率が高い。そして男性は30代までその傾向が続く。女性は元々男性と比べて「何も食べず」の割合が小さく、40代以降になるとさらに大きく減る。女性は多分に健康志向(とりわけダイエット的な目的)で、乳製品や果物のみを食する朝食を摂っているものと考えられる。

一方で世代別動向をよく見ると、男女とも20代がピークでそれ以降は漸減の傾向を示している。ただしピーク時の値が男性の方が高く、漸減の傾斜が大きく男女で異なる形となっている。男女、そして年齢階層における就業状況の違い、朝の出勤時における多忙感が、朝食欠食の状況を生み出す主要因であることが想像できる(女性は中堅層でパートによる就業割合が増加するはずだが、男性の就業と比べれば朝食時間を圧迫されるような出勤スタイルは少ないものと考えられる)。

また冒頭に言及の通り、健康法や体調によるところもあるが、20代においては男性は1/4超、女性でも1割強が「まったく食事をしない」朝食欠食をしている。十分以上の留意が必要な値ではある。

中長期的な流れを確認


世代別の動向について今回の資料では2003年分以降の値が公開されていたこともあり、それをグラフ化したのが次の図。一部属性でイレギュラーな動きが出てしまっているものの、大よその流れはつかみ取れる。

↑ 朝食欠食率(2003-2014年、男性、世代別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)
↑ 朝食欠食率(2003-2014年、男性、世代別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)

↑ 朝食欠食率(2003-2014年、女性、世代別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)
↑ 朝食欠食率(2003-2014年、女性、世代別)(食事をせず、錠剤・栄養ドリンクのみ、果物や菓子や乳製品などのみが該当)

性別・世代別の動向は2014年分に限らず、中期的に大きな変化は無い。つまり男性は20代が高く、それ以降は経年で少しずつ減る。女性は20代が飛びぬけて高く、30代で大きく減り、それ以降は漸減していく。いずれも就業状況との密接な関連性を想起させる値である。

ただし男女とも40代から50代にかけては、中期的に朝食欠食率が増加しているようにも見える。特に男性ではこの10年強で5%ポイント強の増加が見受けられる。多忙感が引き起こすものとは思われるが、留意が必要な動きには違いない。

直近の2014年に限ると、男女とも年齢階層別の欠食率の減少度合いに大きな変化は無く、一様の減少傾向を示している。男性で60代に入り大きく減る、女性で30代で急落するといった動きが見られない(前項目で2014年分に関して「男女とも20代がピークでそれ以降は漸減の傾向」と示した通り)。大よそ前年からの値の増加により、このような傾向が導かれていることから、就業者の多忙感が増した結果、朝食の忌避が進んだ可能性がある。



成人以降の朝食欠食は、ダイエットにせよ多忙にせよ、自己責任の部分が大きい。欠食の内情や経年変化を見る限りでは、男性は仕事の忙しさ、女性はそれに加えてダイエットなどの思惑により朝食を抜いていることが想像できる。男性40代から50代の漸増傾向は、仕事の多忙感に加え、中堅層の肥満傾向への警鐘への反応も一因かもしれない。

出来れば三食欠かさず食するのがベスト。個々の身体的などの事情でそれがかなわぬ場合をのぞき、朝の出勤前の時間が十分に取れない状況は理解できるものの、工夫を凝らして朝食を、せめて乳製品や果物などで補完的な飲食を摂るぐらいは果たして欲しいもの。今件データの限りでは、それらの摂取では「欠食」判定されてしまうが、何も摂らないよりははるかに良いに違いない。


■関連記事:
【忙しすぎて食べる時間がない!? 20代男性の3割は朝食抜き】
【時間が無い・習慣が無い 朝食を取らない理由】
【朝食はパン派かごはん派か、それが問題だ】
【「毎朝しっかりと朝食を食べている」中学生は8割強…若年層の朝食欠食状況をグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【朝食に求められるものは「手軽に」「手早く」「簡単に」】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー