男は中堅・女は高齢ほど肥満者が多い法則(2015年)

2015/12/11 15:00

厚生労働省は2015年12月9日、「平成26年国民健康・栄養調査結果の概要」を発表した。それによるとBMI値判定で「肥満者」認定されるBMI値25以上の人は男性で3割近く・女性(妊婦除く、以下同)で約2割であることが分かった。全般的に男性は50代がピークでそれ以降は減少、女性は経年と共に増加の傾向が確認できる。また「やせの者」判定されるBMI値18.5未満の人は、女性の方が多い状況が見て取れる(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

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BMIは肥満度を表す一つの指針で、Body Mass Indexの略称。計算式は簡単で「体重÷身長÷身長」と表せる。BMI値が測定出来た人を肥満(BMI>=25.0)・普通(18.5<=BMI<25.0)・やせの者(BMI<18.5)に区分している。そしてこの区分に従い、調査対象母集団を年齢階層別に「肥満者」「やせの者」、そしてそれ以外の「その他(=BMI値は肥満者とやせの者の間)」に分けたのが次のグラフ。

↑ 肥満者(BMI>=25)とやせの者(BMI<18.5)、それ以外の者比率(2014年)
↑ 肥満者(BMI>=25)とやせの者(BMI<18.5)、それ以外の者比率(2014年)

全般的に男性の方がオレンジ部分(肥満者)が多く、女性の方が青色部分(やせの者)が多いのは冒頭で触れた通りだが、

・男性は20代でやや特異な値(肥満者が少なくやせの者が多い)

・それ以外は男性では40代までは歳を重ねるにつれて太る傾向が強く、それ以降はやせていく。一方女性は一様に歳と共に肥満者率が底上げされる

・男性は50代が肥満者のピーク

などの動きが把握できる。

特に男性50代は3人に1人強が肥満者判定を受ける状態であり、同階層でやせ形が約3%しかいないのは、少々問題といえる。また女性は20代から30代においてやせの者が極めて多く、肥満者の比率を超えている。若年女性層では過度なほどに体格への心配をする人が多いと言われているが、その行動性向が表れているのかもしれない(ただし統計の上で妊婦が除かれているのも一因ではある)。

これらの区分の変移について、いくつかの特徴のある属性を抽出してグラフ化したのが次の図。

↑ 肥満及びやせの者の割合(20歳以上)推移(一部)
↑ 肥満及びやせの者の割合(20歳以上)推移(一部)

年齢と共に増加していく女性の肥満者だが、これでも昔と比べれば減少をしているのが分かる。この19年で4%ポイントの減少だから大したもの(ただし2014年では大きく跳ねているのが気になるが)。一方で成人男性の肥満者率は増加の一途をたどっている。今世紀に入ってからは上昇が抑えられている感があるのが幸いだ。

体重が一番気になるであろう、それゆえに過度のダイエットなどで健康を害するリスクもあり、むしろやせ形の人の割合が気になる20代女性における「やせの者」の動向だが、やや起伏はあるものの23%内外で行き来をしていた。この属性の目標値は20%以下(「健康日本21」(第2次))だが、直近の2014年分では単年の値ではあるものの、目標値に達する形となった。このままの状態が来年以降も継続すると良いのだが。

なお、先行記事【一日の平均歩数は男性7000歩・女性6000歩(2015年)(最新)】でも解説の通り、「国民健康・栄養調査」では2014年分・2015年発表分から経年変化の一部データで、年齢階層別の人口比によるデータのぶれを考慮し、年齢で大きな差異が生じる経年データでは、年齢調整を行った値を併記している。その値を元に、2004年分以降の男女それぞれにおける肥満者・やせの者・その他の人の割合の推移を示したのが次のグラフ。

↑ 肥満者(BMI>=25)とやせの者(BMI<18.5)、それ以外の者比率(2004年-2014年)(年齢調整後)
↑ 肥満者(BMI>=25)とやせの者(BMI<18.5)、それ以外の者比率(2004年-2014年)(年齢調整後)

単純な全体平均では上昇傾向があるように見える男性も、実のところ大きな変化は無く、肥満者率の高い中堅層以降の人口比率が上昇したことで、全体の肥満者率が上がっていることが分かる。全体としての肥満者率のアップという事実に変わりはないが、年齢階層別人口比率の変化によるものとの構図は、例えば貯蓄率の低下などと似ており、物事の本質を推し量る際には留意を払う必要がある。



本文中で「BMIは肥満度を表す一つの指針」と表記したように、BMI値は肥満の度合いを表す唯一で絶対的な数字ではない。いくつもある肥満判定の、物差しの一つでしかない。BMI値は同じでも健康な人もいれば不健康な人もいる。体質次第でBMI値の上は普通でも、実は肥満極まりなく健康上のリスクを背負っている事例もある。

今件はあくまでも肥満の度合いを測るのに一番よく用いられ、一番確からしい値を使ったまでの話。絶対無比ではないことに留意してほしい。もちろんそれと同時に「一番確からしい」からこそ、全体的な肥満の度合い傾向との視点では真実に近いところにある。要は「うのみにするな、だが無視するな」である。


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