コンビニでは1日何箱たばこが売れているのかを計算してみる(上)(2015年)

2015/10/02 12:00

【コンビニの商品種類別売上の変化をグラフ化してみる】で解説した通り、日本のコンビニエンスストアでは「たばこ」が売り上げの上で小さからぬ割合を示している。それゆえに最近のたばこ販売本数の減退傾向にコンビニ側でも焦りを覚え、コーヒーやドーナツに代表されるような代替商品の開発に躍起となっている。今回は各種公開データを基に、素朴な疑問「コンビニでは1日あたり何箱たばこが売れているのか」の実情について試算を行うことにする。

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たばこの売上は25.0% by ローソン


「コンビニの消費種類別-」で用いたローソンの最新版アニュアルレポートには、たばこの売上比率について「たばこの販売構成比は25.0%」と表内に明記されている。これは以前の記事でグラフ中に示した通り。また同じくローソンではこの売上額は4828億円とある。

↑ 商品群別売上高構成比率推移(連結・チェーン全店、ローソン)(再録)
↑ 商品群別売上高構成比率推移(連結・チェーン全店、ローソン)(再録)

↑ 商品群別売上高推移(連結・チェーン全店、ローソン)(億円)(再録)
↑ 商品群別売上高推移(連結・チェーン全店、ローソン)(億円)(再録)

少なくとも年ベースでは売り上げをかさ上げし、その伸び率は他商品区分と比べて高い領域で推移。結果として全売り上げに占めるシェアは伸びつつあった。

ただし2013年以降になると、各年のレポートでは「たばこのセールスが減退している」などの表記が見られ、たばこの販売「数」の減退が生じていることが確認できる。2013年は実際に売上・比率ともに大きく減退した。2014年は消費税率引上げに伴う駆け込み需要、そして単価引上げで売上も底上げされ、前年比ではプラスに転じている(2年前比ではマイナス)。次年の2015年分では、価格変更などが無い限り、2013年同様に売上・シェア共に前年比マイナスへ転じることだろう。

一日どれだけたばこが売れているのかを概算する


「たばこの売上は全体の25.0%」。この値が判明していれば、あとは1店舗あたりの1日平均売上を確認することで、平均的な店舗における「たばこの日次販売額(平均日販)」が計算できる。そしてたばこの平均単価は約440円なので(セブンスターが460円、メビウス(旧マイルドセブン)が430円。間を採ると445円だが、10円未満を切り捨てで計算)、それで割り算をすれば「どれだけの個数が」売れたのかも(概算ではあるが)把握できる。

「平均日販」こと1日の店舗単位での平均売上は、アニュアルレポートでは無く決算短信の補足資料中に表記を見つけることができる。それによると2014年度は全店で53万3000円。ちなみに既存店だが客数は823人/日、客単価は602円/人。

よって、1店舗あたりの1日のたばこ販売額と箱数は、

・53万3000円×25.0%=13万3250円(/日)

・13万3250円÷440円=302.8箱(/日)

と算出でき、1日に約303箱のたばこが売れている計算になる。お客の中にはカートン(10箱入り)で買う人もいるのでさほどの量では無いようにも見えるが、【「コンビニでたばこを買う時、ついでに何を買う!?」をグラフ化してみる(最終結果)】で見る限り、1つか2つのみ購入する人が多いことから、相当な数の「たばこ購入者」を、コンビニでカバーしている計算になる。

仮に販売箱数の約半分がカートン買いで、残りの半分はすべて1人が2箱の形で買われたとすると、(152÷10)+(151÷2)=90.7人となり、コンビニ(今件ではローソンだが)の1日の来場客数823人のうちほぼ1割ほどが、たばこ購入による来店となる。売り上げだけでなく、来店機会の観点でも「たばこ」がコンビニを支えている実態が改めて認識できる値である。

とはいえ、ここ数年の試算結果と比較すると、

・2013年時点
 …340箱/店・日
 …来場客数の11.7%がたばこ購入起因

・2014年時点
 …306箱/店・日
 …来場客数の10.7%がたばこ購入起因

・2015年時点
 …303箱/店・日
 …来場客数の11.0%がたばこ購入起因 

との結果となり、たばこ値上げの影響が出る以前でも、明らかにたばこの販売における勢いが減退しているのが確認できる。

今回発表分は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要が多分に加味されており、いわば特需的なプラスが売上面では生じている。にも関わらず販売箱数は減少している試算結果が出ている。来年以降、売上・購入者のさらなる減少は容易に想像できる。コンビニ各社がプライベートブランドのスイーツや惣菜、ドリップコーヒー、ドーナツなど、汎用的で来店機会を生み出しやすい商品開発に熱意を払っているのも、十分理解できる次第である。


■一連の記事:
【コンビニでは1日何箱たばこが売れているのかを計算してみる(上)】
【コンビニでは1日何箱たばこが売れているのかを計算してみる(下)】

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