インターネットでニュースはどの程度閲覧されているのだろうか(2015年)

2015/11/02 05:00

紙媒体としての新聞の需要が減退する大きな原因として、代替媒体となるインターネットが普及し、多くのニュースが配信される状況が挙げられる。ネット上で多種多様なニュースを含む情報が取得できるので、わざわざ新聞を買わなくとも良い、とするものだ。新聞社自身も一部ではあるが、自紙に掲載のニュースをネット上に配信していることもあり、複雑な想いを抱いていることだろう。今回は財団法人新聞通信調査会が2015年10月26日に発表したメディアに関する全国世論調査から、インターネットによるニュースの閲覧状況を確認していくことにする(【発表リリース:2015年メディアに関する世論調査結果】)。

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毎日見る人4割近く、まったく見ない人は約1/3


今調査は2015年8月21日から9月8日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女5000人に対し、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3183人。

調査対象母集団全体(インターネット利用者に限らず)に、インターネット上のニュース(特に定義は無いので、回答者が「ニュース」と判断できる情報はすべて。また文章に限らず、図面や動画も含む。インターネット上のニュース「サイト」の閲覧状況ではないことに注意)を閲覧するか否か、閲覧するのならどの程度の頻度かを聞いた結果が次のグラフ。36.2%が毎日閲覧していると回答した。他方「見ない」との回答は33.0%。

↑ インターネットニュースの閲覧状況
↑ インターネットニュースの閲覧状況

週一以上の頻度を算出すると60.5%。約6割の人が見ている計算になる。最近では新聞社やテレビ局の公式サイトだけでなく、ポータルサイトや主要ソーシャルメディアでもコンテンツの一つとして通信社経由のニュースを転載の形で配信しており、さらに新聞社などが公式のアカウントを取得してソーシャルメディア上で速報などを流している(この場合はニュースサイトには該当しない)。目に留める機会が増えれば、当然気になって読んでしまう人も増えることになる。「見ない」はあえて読まない人に加え、インターネットそのものを利用していない人も多分に含むと考えて良いが、全体から見た閲覧率はそれなりに高いと見て良いだろう。

これを属性別に仕切り分けし、毎日見る人、そして頻度はともあれ見る人の状況を確認したのが次のグラフ。インターネットそのものの利用性向も、多分に影響することに注意が必要となる。

↑ インターネットニュースの閲覧状況(見る人合計)(属性別)
↑ インターネットニュースの閲覧状況(見る人合計)(属性別)

↑ インターネットニュースの閲覧状況(毎日見る人)(属性別)
↑ インターネットニュースの閲覧状況(毎日見る人)(属性別)

ともあれ目を通す人は2/3近く。男女別では男性が5%ポイントほど高く、世代別では40代までが9割前後、50代で下落基調に入るがそれでも8割、60代以降になってようやく値の落ち方が急になる。大よそインターネットそのものの利用性向に比していると見て良いだろう。

他方毎日見る人となると1/3割強に留まる。世代別では10代もあまり多くは無く4割近く、20代以上40代までが5割から6割でボリュームゾーン、50代以降は漸減していく。30代は最多で、直近では実に全体の2/3強が毎日取得をしている。インターネットの利用性向に加え、ニュースそのものの必要性、さらにはインターネットでニュースを取得する行動への慣れなどが大きく影響しているものと考えられる。

そして前年度2014年度からの変移だが、大体の属性で増加傾向が見受けられる。特に中堅からプレシニア層の伸びが著しい。一方で若年層、特に10代が停滞気味、あるいは逆に減退している動きがやや気になる。もっともこれは元々値が大きいので、伸びしろがあまりなく、統計上の誤差が出たとも考えられる。あるいは詳しくは後述するが、口コミレベルの情報を「インターネットニュース」とは認識していない可能性もある。

6年間の変移をたどると……


今調査はほぼ同じ様式で毎年行われているが、今件調査項目は2009年度から比較が可能な形で設定されている。そこで2009年度分と2015年度分を比較したのが次のグラフ。

↑ インターネットニュースの閲覧状況(2009年度→2015年度)(増加%ポイント、属性別)
↑ インターネットニュースの閲覧状況(2009年度→2015年度)(増加%ポイント、属性別)

毎日読む人は中堅層全般に増加していること、とにかく目を通し始めた人はプレシニア層に多いことが分かる。インターネットの利用性向拡大に伴う部分もあるが、それに加え各サービスの配信ニュースの充実、マルチメディアによる展開の促進もまた、大きな要因といえよう。

一方10代から20代においては伸び悩み、さらには減退の動きが生じている。2013年度まではこの世代でも漸増していたが、2014年度以降はこの傾向が確認できる。回答用紙が非公開のため推測でしかないが、若年層はソーシャルメディア上のみで閲覧し終えるニュースの類は「インターネットニュース」とは認識せずに回答している可能性がある。

つまりニュースのような情報はFacebookやツイッター、mixiのようなソーシャルメディアで口コミスタイルでダイジェスト的なもの(電車内のつり革広告レベル)を取得しており、日々の情報はそれで十分とするものだ。あるいは友人知人からの伝聞で満足してしまう。気になるニュースがあれば、それらの口コミからリンクをたどってニュースとしての記事で確認するため、閲覧そのものの経験はプラス化を続けているが、頻度は毎日ではない次第である。

今件調査ではソーシャルメディアの利用性向、ソーシャルメディアとニュースの関係については調査項目が無いので確認ができないものの、タイムライン上の情報を「インターネットニュース」として認識しているか否かも合わせ、興味深い話ではある。


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