夕刊を今なお読む人1/4、毎日読む人2割に満たず(2015年)

2015/11/01 13:00

新聞の発行スタイルは大きく朝刊と夕刊に分けられる。その名前の通り朝刊は朝に刊行・配布され、夕刊は夕方に展開される。元々夕刊は朝刊と比べて需要は小さいが、昨今のメディア環境の変化に伴い、朝刊以上に閲読者が減っているとの話がある。今回は財団法人新聞通信調査会が2015年10月26日に発表したメディアに関する全国世論調査から、夕刊の閲読状況を確認していくことにする(【発表リリース:2015年メディアに関する世論調査結果】)。

スポンサードリンク


夕刊の閲読率は26.5%


今調査は2015年8月21日から9月8日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女5000人に対し、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3183人。

次に示すのは新聞の閲読状況。購読では無く閲読なので、回答者自身が購入していなくても、読んでいれば該当することになる。例えば配偶者が購入しておりその夕刊の回し読みをする、職場で定期契約をしているのを読み通すなども閲読には含まれる。

↑ 新聞(夕刊)の閲読頻度(2015年度)
↑ 新聞(夕刊)の閲読頻度(2015年度)

↑ (参考)新聞(朝刊)の閲読頻度(2015年度)
↑ (参考)新聞(朝刊)の閲読頻度(2015年度)

印象的には朝刊と夕刊で「毎日」と「読まない」がそのまま入れ替わった雰囲気がある。実際にはさらに「週4-5日」などそれなりの頻度で読む人の値も夕刊では減っており、読まない人にシフトした形。毎日読む人は17.3%のみで、低頻度で読む人を積み上げても26.5%しかいない。見方を変えれば、18歳以上の大人たちの間で、夕刊を読んでいる人はまだ3割近くも居ることになる。

配られるタイミングが夕方以降となり、職場などでの回し読みが難しいのも夕刊の閲読率が低い一因ではあるが、それ以上に夕刊そのものの需要が大きく減退しているのが主要因なのだろう。実際後述するが、中期的には若年から中堅層の閲読者減少率は大きなものとなっており、帰宅途中の就業者が夕刊購読を止めてしまった事案が多数に及んでいる現状が容易に想像できる。

夕刊を毎日読む人、とにかく読んでいる人の属性を探る


続いて示すのは、夕刊を毎日読んでいる人、そして頻度は問わずにとにかく読んでいる人について、属性別に確認したもの。

↑ 新聞(夕刊)の閲読頻度(毎日読む人)(属性別)
↑ 新聞(夕刊)の閲読頻度(毎日読む人)(属性別)

↑ 新聞(夕刊)の閲読頻度(読む人合計)(属性別)
↑ 新聞(夕刊)の閲読頻度(読む人合計)(属性別)

毎日読む人、実質的に自宅での定期契約者あるいは通勤・通学の帰りに必ず売店に寄って調達する熱心な愛読者と見て良いだろう、は全体で17.3%。男女差がさほど開いていないが、これは自宅で読む人が多いことを推測させる。

他方世代別では朝刊や新聞そのものの閲読、さらには購読性向同様、若年層ほど低く、高齢層ほど高くなる(特に2015年度は18-19歳はゼロとなっている)。この傾向は「頻度はともかく読む人」でも大きな変わりはないが、世代間の格差は小さなものとなっている。若年層でも時折は夕刊を手に取る人がいるようだ。もっともそれでも2割には届かないのだが。また朝刊でも見られた傾向だが、今年度はとりわけ、世代間の断絶、具体的には40代までと50代以降の間で、大きなギャップが生じているように見受けられる。

前年度からの差異を見ると、いくつかの例外はあるが、大よそ中堅層までは減少、高齢層は横ばい、むしろ増加している。「40代までと50代以降の間で生じた大きなギャップ」も、この動きが主要因。朝刊と比べて嗜好性・新聞そのものへのロイヤリティ的な要素が大きい夕刊で生じたこのギャップには、大いに注意を払うべきだろう。

また、見方を変えると新聞が好きなシニア層でも、毎日読む人は3割、とにかく読む人も4割足らずしかいないことが分かる。朝刊と夕刊の発行間隔は大よそ半日。その間に変化する情勢を新聞で追い求めるほどの需要はそれほどは無いものと考えられる。地域色や独自色、読み物的記事が多いのも夕刊の特徴だが、そのような工夫をもってしても、朝刊ほどの需要は確保できないようだ。

ざっくり進む夕刊離れ


今調査ではほぼ毎年同じような条件で各種設問を尋ねている。今件項目で比較できるもっとも古い値は2009年度分のものであることから、それと比較して減少した%ポイントを算出したのが次のグラフ。

↑ 新聞(夕刊)の閲読頻度(2009年度→2015年度)(減少%ポイント、属性別)
↑ 新聞(夕刊)の閲読頻度(2009年度→2015年度)(減少%ポイント、属性別)

すべてがプラス、つまり6年の間に夕刊を読む頻度、読む人そのものが減っている。頻度はともあれ読んでいる人は中堅層までで減少幅が大きく、毎日読む人は中堅層で特に減少度合いが大きい。もっとも若年層は元々夕刊を読む人が少ないため、毎日読む人の減り方が少ないのもある意味当然。

それゆえに、若年層においても「とにかく読む人」の減り方が大きいのは致命的である。例えば18-19歳は2009年度では31.0%が夕刊に目を通していたのが、今や2割にも届いていない状況となってしまっている。中堅層と未成年の新聞離れは、朝刊だけでなく夕刊でも起きている次第である。

また全般的には「毎日読む人」よりも「読む人合計」の方が減少度合いが大きい。元々あまり読んでいなかった人が、手放す事案が増えているものと考えられる。



部数減少度合いでは朝刊以上に危機的な状況にある夕刊。回し読みなどを合わせても、閲読者率は朝刊よりはるかに小さい。今調査では別項目として「夕刊発行の存続」について尋ねているが、それによると1/3が「無くなっても良い」、5割近くは「どちらでも良い」と回答しており、存続を望む人は2割を切っている。

全廃するほどの需要減退は無いものの、今後さらに需要が縮小すれば、何部かは休刊を余儀なくされることもあるに違いない。


■関連記事:
【1年間で164万部減、1世帯当たり部数は0.83部まで減少…新聞の発行部数動向(2015年)(最新)】
【ファミマと夕刊フジがコラボして「のり巻きカレーおむすび」が出来ました】
【ピークは1997年…戦中からの新聞の発行部数動向(2015年)(最新)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー