度重なる台風で客足は鈍り、晴れても残暑で秋物売れずに衣料品が大いに落ちる…2016年8月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス2.9%

2016/09/22 10:00

数々の秋物商品の展開に秋の風物を楽しみたいところだが、台風の上陸が相次ぎそれどころではない感のある今日この頃。チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2016年9月21日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2016年8月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2016年8月は台風の相次ぐ上陸や接近で気象環境が悪化したことを受けて客足が鈍り、一方で天候が良い場面では残暑が厳しく秋物商品の動きが鈍くなり、特に衣料品の売り上げが減退。部門別の売り上げでは全部門で前年同月を下回り、売上総額の前年同月比はマイナス2.9%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の57社・9413店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は先月比で21店舗増、前年同月比で8店舗減少している。売り場面積は前年同月比99.5%となり、0.5%ポイントの減少。売り場面積あたりの売上額は前年同月比でマイナス3.5%ポイントを示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆0840億2208万円(前年同月比98.8%、▲2.9%)

・食料品部門……構成比:67.1%(前年同月比98.8%、▲1.2%)

・衣料品部門……構成比:7.5%(前年同月比90.3%、▲9.7%)

・住関品部門……構成比:19.5%(前年同月比95.0%、▲5.0%)

・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比86.8%、▲13.2%)

・その他…………構成比:5.7%(前年同月比94.9%、▲5.1%)

※販売金額には消費税額は含まず

台風などによる
天候悪化で客足が鈍り、
全般的な売り上げの
足を引っ張る形に。
晴れた際には残暑が厳しく
秋物商品が伸び悩み
とくに衣料品が軟調。
食料品では農産物においては葉物や茄子、りんごが不調だが、それ以外は大よそ堅調。畜産品はハム・ソーセージなどの加工品の動きが鈍い。一方で精肉は牛豚鶏共に好調で、鶏卵も好調。精肉の好調さはここ数か月変わらない動き。消費性向的に肉食へのシフトが起きているのかもしれない。水産品は刺身の盛り合わせ、マグロなどが好調だが、近海魚、うなぎ、カツオなどが鈍い。惣菜は寿司以外はおおむね堅調。米飯もよい動き。コンビニ業界の月次報告でもここしばらくは惣菜の堅調さが特記事項として記されており、中食需要が喚起されている感は強い。その他の食品ではヨーグルトや米、酒類、冷凍食品になどが好調。練り製品や麺類などは不調。

衣料品では多雨を受けてレイングッズ、残暑を反映する形で夏物商材がよく売れているが、秋や冬に向けた衣料品などは不調に終わっている。住関品も日焼け止めや殺虫剤、冷蔵庫扇風機などは堅調。液晶テレビなどの動きは鈍い。

「その他」項目は前月から続き軟調さを見せ、マイナス5.1%。サービスも13.2%と大きなマイナス幅を示し、旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われ、厳しい状態にあることがうかがえる。

今回計測月では解説コメントやセールス実情からも九州・熊本地震の影響に伴う需要の変化は見られず、少なくともチェーンストア界隈では影響は無くなったものと考えられる。他方、台風の相次ぐ到来に伴う直接的な影響として客足の鈍化が指摘されているが、農作物の価格上昇に関わる言及は今のところ見られない。今後、北日本産地の食品を中心に、価格の上昇が生じることで、小さからぬ影響が生じる可能性はある。

今年は平年と比べて気温が高めな一方で、北海道や九州など一部地域では雨量が多く、また台風の数が少ないとの懸念が生じた直後に相次ぎ台風が到来するなど、不安定な天候状態にある。季節感にあった気候状況となれば、その季節向けの商品はセールスを伸ばすが、タイミング次第では次の季節の商品のセールスが落ち込んでしまう(今回月はそのパターン)。また、梅雨時の雨や、今回月の台風のように、客足を引っ張る≒売り上げを落とす要因となるものもあり、天候で大きな影響を受けるビジネスの難しさを体感させる。

次回分となる9月は、現時点では8月に続き台風や秋雨前線による雨が続き、客入りの軟調さが予想される。飛び石的な連休のシルバーウィークにしても、湿り気の感は強い。どこまで売り上げに影響が生じるか、気になるところではある。


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