スマホとタブレット型端末が増加中…高齢者のネットアクセス機器動向(2015年)

2015/07/23 08:00

団塊世代が定年退職を迎え、人口構成比率上でもさらに高齢層の割合が増加し、高齢化社会が進む中で、高齢層のインターネット利用状況に注目が集まりつつある。就業時と比べて多分にプライベートの時間を取れるメリットがある一方、新しい技術には奥手となる傾向がしばしば見受けられること、さらには身体的な老化に伴い操作に難儀する事例もあることなど、世代間ギャップの原因要素となる点も指摘されている。今回は総務省が2015年7月17日に発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、「高齢者のインターネットアクセス機器」を介して、インターネットの利用状況を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

スポンサードリンク


パソコンメインだが従来型携帯も大活躍のシニアアクセス


今調査の調査要項は先行する記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。

先行記事【インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率をグラフ化してみる】でも解説しているが、自宅のパソコンでインターネットを利用している人は53.5%、自宅以外のパソコンを用いている人は21.7%。スマートフォンも含めた携帯電話でインターネットへのアクセスをしている人は61.6%に達している。

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(全体比)(年齢階層別、2014年末)(パソコン)(再録)
↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(全体比)(年齢階層別、2014年末)(パソコン)(再録)

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(全体比)(年齢階層別、2014年末)(パソコン以外)(再録)
↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(全体比)(年齢階層別、2014年末)(パソコン以外)(再録)

シニア層においては中堅層と比べて従来型携帯電話によるインターネットの利用が多く、インターネットの利用をけん引している状態にある。そこで60歳以上に限定して年齢区分を細分化し、「携帯電話」を「従来型携帯電話(フィーチャーフォン)」と「スマートフォン」に分割し、上記のグラフを再構築したのが次の図。

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別/2014年末)(全体と高齢者限定)
↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別/2014年末)(全体と高齢者限定)

全体では47.0%と昨年からさらに増加した「スマートフォンによるネットアクセス者」も、60歳以上では非常に大人しいものとなっている。そして70歳代後半まで含めて自宅パソコン経由の利用がトップではあるが、従来型携帯電話の利用率も非常に高い。80歳以上ではパソコンすら抜いている。

これは「今まで使っていた従来型携帯をそのまま愛用し続けている」「パソコンは利用ハードルが高いので遠慮しがち」「メールや簡単なソーシャルメディアへのアクセスが出来ればそれで十分」など、シニア側の利用実状が理由であると考えられる。

「それらの機能のみで十分ならば、どのみちすべての機能が使える、新型のスマートフォンでも特に弊害はないではないか」との意見もあろう。しかしスマートフォンは従来型携帯電話と比べて多機能=覚えねばならないことが多い。その上【タッチパネル製品保有の世帯は8割強、携帯ゲーム機5割・カーナビ1/3】でも指摘している「タッチパネル製品が使いにくい」といった、シニア層ならではの問題点が理由として挙げられる(無論スマートフォンの普及がこの数年の間の出来事なので、「昔から愛用」の事例はごく少数のものとなる)。さらにいえば機能を使わなくても料金体系の上で、スマートフォンは従来型携帯電話と比べて割高になるのも、シニア層でスマートフォンが敬遠される一因でもある。

それでも昨年と比べれば…なシニアのインターネット事情


2014年末においても、パソコンと並び従来型携帯電話が、シニア層にとって重要なインターネットへの窓口であることに違いは無い。しかし少しずつ情勢は変化を迎えている。次に示すのは前年2013年末の状態との差を算出したものだが、高齢層におけるインターネット事情の変化がすけてみえる内容となっている。なお2013年から2014年にかけて区分などの変化が行われているため、2014年単独の結果とは少々異なる仕切り分けをしている。

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別/2013年末から2014年末への変移)(全体と高齢者限定)
↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別/2013年末から2014年末への変移)(全体と高齢者限定)

シニア層の中でも比較的若い世代、60代前半では従来型携帯電話の利用率がグンと下がり(それでも全体と比べれば少なめだが)、その分スマートフォンとタブレット型端末の利用が上昇している。これらの世代でインターネット利用に関するシフトが若年層同様に起きていることが分かる。

一方で自宅パソコンに変化は無く、自宅外パソコンの利用率が下がっていることから、これまで高齢層が自宅以外(企業利用は想定しにくく、図書館などの公的機関だろうか)で利用していた層が、自前のネット利用端末としてスマートフォンを手に入れた状況が想像できる。

上記で触れたタッチパネル周りの問題に関して技術的な解決報道はまだ見聞きしていない。一方、料金体型とスマートフォンとの関係については、先行記事でも触れている通り、「使い勝手や外観は従来型」「OSなどはスマートフォン」「料金体系は従来型かそれに近い」様式を有する、ガラホなるカテゴリの端末が登場し、普及が始まっている。今調査でどのような取り扱いがなされるかは現時点では不明だが(恐らくは従来型に属することになるのだろう)、高齢者におけるインターネット利用事情にも、少なからぬ影響を及ぼしそうではある。


■関連記事:
【ボタンと比べてタッチパネルの使い勝手、ボタン操作と比べて良くなった? 変わらない??】
【スマートフォン所有率は約1/4、フルタイム勤務者や学生が多い傾向】
【事情は人それぞれ多種多様…インターネットを利用しない理由をグラフ化してみる】
【お年寄りのネット嫌い その理由は?】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー