「知人との交友」「情報探索」「暇つぶし」がメイン…ソーシャルメディアの利用目的(2015年)

2015/07/21 15:00

スマートフォンやタブレット型端末の普及で加速度的に浸透しつつある、ウェブサービスの一つ「ソーシャルメディア」。既存の他ウェブサービスの多分な機能を実装し、多様な事柄を包括して実行できることから、その電子レンジ的な万能さにほれ込み、寝食を忘れてアクセスを続ける人も多い。そのソーシャルメディアについて、そもそも論として「なぜソーシャルメディアを利用するのか」を、総務省が2015年7月17日に発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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利用者はネットアクセス者の5割近く、目的は「知人との交友」が8割強


今調査の調査要項は先行記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。また今件における「ソーシャルメディア」だが、明確な定義づけはなされていないものの、他項目で別途存在することから、広義では含まれることになる掲示板や動画投稿・共有サイト、ブログは該当しないものとする。またLINEなどのようなチャット系コミュニケーションサービスは世間一般的にはソーシャルメディアに含められており、回答者も事前説明が無ければそのように判断することから、該当するものと見なす。

さらに回答項目のうち下位層選択肢「現実から逃避」「その他」は、回答事案が雑多になること、回答率が低い事から、今回は掲載・検証について省略している。

今調査によればソーシャルメディアの利用率は、インターネット利用者においては47.3%(無回答者除く、以下同)。見方を変えると、インターネットにアクセスできる機会を持ちながら、ソーシャルメディアの類を使っていない人は5割強に及ぶことになる。

↑ ソーシャルメディア利用者率(インターネット利用者対象)(2014年末)
↑ ソーシャルメディア利用者率(インターネット利用者対象)(2014年末)

世代別では20代がもっとも利用率が高く7割超え、40代までは過半数で、50代でも1/3を超えている。むしろ60代以降でもインターネット利用者の2割前後が利用している実態には驚かされる(もっとも高齢者にとっては、インターネットの利用そのものが高いハードルなのだが)。

それではソーシャルメディア利用者は、何を目的としてアクセスしているのか。全体的な回答が次のグラフに示されているが、最上位の同意率を示している項目は「従来からの知人とのコミュニケーション」。つまり利用者のうち85.0%は、ソーシャルメディアで身近な知人とのお話、交流を望んでいることになる。

↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定)(複数回答)(2014年末)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定)(複数回答)(2014年末)

これは手紙やメール、電話と比べると利用ハードルが低く、気軽にコミュニケーションが出来るのがポイントとなり、多くの人に使われていると見て良い。また、自分の状況を披露しておくことで、自分の知人に間接的な意思表示(例えば「忙しい」「元気だ」「明日は暇だ」)をすることも可能となる。

次いで多い目的は「知りたいことについて情報を探す」で40.1%。ソーシャルメディア内で知的好奇心の充足を望んでいることになる。昨今ではソーシャルメディア上で情報を直接、あるいは間接的に(URLなどでガイダンスする形で)公知する場合も多く、これらをたどることで望んだ情報を取得できることになる。あるいは関連する情報を得られそうなアカウントに追随し、日頃からチェックをする場合もあろう(芸能人、著名識者、関連会社、報道関係、事例はいくらでも想定しえる)。

やや回答率は下がるが、「同じ趣味や嗜好を持つ人を探す」も約2割。いわゆる「類友」「同好の士」を探す主旨。趣味が同じならば有益な情報交換もでき、共に語らうことで有意義な時間を過ごせる。さらにこれと類するものだが、相手を特定せずに情報発信をし、自己顕示欲の充足やストレス解消と共に、「自分と同じ立場にある人」を探す(探してもらうきっかけを作る)動きもある。

一方、はっきりとした目的意識は無い「暇つぶし」との回答率も3割近くと高い。交通機関を使った移動の際に雑誌や新聞を読み進めるような、あるいは休日の午後、特にすることも無く外出するのも面倒な時の時間の経過を過ごす際に、ソーシャルメディアをざっと眺めて場の雰囲気を楽しむ人は案外多い。

震災以降その役割が重要視されるようになった「災害発生時の情報収集・発信」は6.8%と1割に満たない。普段から意識して利用する、明らかな目的として認識した上で注視する人はさほどいないとの意味であり、使うことが無いわけではあるまい。

世代別で変わる、変わらない利用目的


この結果についていくつかの属性別で再計算を行い、その動向を確認する。まずは世代別。

↑ ソーシャルメディアの利用目的(複数回答)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定、2014年末)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(複数回答)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定、2014年末)

どの世代でも「知人との交友」が最多回答項目であることに違いは無いが、歳と共にその値は下がっていく(6-12歳でやや低めなのは、実社会でも交友範囲が限定的なのが原因)。他方「情報探索」は歳を経るに連れて上昇していく動きがある(80歳以上は例外だが)。一番高い値を示しているのは、意外にも70代。シニア層にとってソーシャルメディアは、情報の名前を冠する宝物が散在している場所に見えるようだ。

いわゆる「同好の士」を探す動きも「知人との交友」と同じ流れで、若年層ほど高い。ソーシャルメディアを使い、新規にしても従来のつながりにしても、積極的にコミュニケーション網を広げていこうとする意志が見える。

一方値そのものは低いが「自分の情報や作品の発表」は13歳以降世代間の格差があまりない。世界へ向けた情報発信への意欲、期待は年齢を超えている。これはシニア層においては、注目、そして評価すべき流れと言える。

「災害発生時の情報収集・発信」だが、こちらはシニア層の方が高い値を示している。先の震災時には千差万別ではあるが、情報の確認や発信にソーシャルメディアが役立ったことは誰もが認めるところ。特に高齢層はそのありがたみを強く覚えたようだ。

男女で大きく異なる部分と、そうでない部分と


次いで男女別の動向。こちらは同一性別内における世代別の流れを見やすくするため、上記のグラフとは項目の表記を変えてあることに注意。また「上位陣」と「下位陣」では回答率に差異がありすぎるため、縦軸の区切りも変更してある。

↑ ソーシャルメディアの利用目的(複数回答)(世代別)(男女別、上位陣)(ソーシャルメディア利用者限定、2014年末)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(複数回答)(世代別)(男女別、上位陣)(ソーシャルメディア利用者限定、2014年末)

↑ ソーシャルメディアの利用目的(複数回答)(世代別)(男女別、上位陣)(ソーシャルメディア利用者限定、2014年末)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(複数回答)(世代別)(男女別、上位陣)(ソーシャルメディア利用者限定、2014年末)

「知人との意思疎通」とのコミュニケーションは全般的に女性の方が高め。女性がデジタル・アナログを問わずコミュニケーションを好むことはすでに知られている通りだが、それがソーシャルメディア内でも結果として表れている形。一方で「情報探索」は男性の方がやや高くなるが、若年層ではやはり女性の方が高い。

コミュニケーションのテーマとして用いられることが多い、趣味趣向に関して「同好の士」を探す動きではやや男女間の差異は大きい。若年層は女性が、中堅層以降は男性の方が高い値を示している。一方「暇つぶし」は男女の差があまり見られない。

下位陣では「女性は悩み・相談事での利用が多い」(30代では5.2%もの値が出ており、中堅層の利用率が高い)、「男性・高齢層ほどボランティア・社会貢献への取り組み値が高い」「災害発生時の利用は、シニア層が高いが、女性は20代以降は大きな差が見られない」との形で、男女・世代別で違いのある動きを示している。特に女性陣で20-40代において「同じ悩みや相談事を持つ人を探す」率が高めなのは、注目に値すると共に、実際のブログやソーシャルメディア上の書き込みを思い返せば、納得できるものがある。

世帯年収別で生じる差、変化の無い項目


最後に世帯年収別区分。

↑ ソーシャルメディアの利用目的(複数回答)(世帯収入別)(ソーシャルメディア利用者限定、2014年末)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(複数回答)(世帯収入別)(ソーシャルメディア利用者限定、2014年末)

年収が高くなるほど「情報探索」の値は減少していく。ソーシャルメディアの情報の信頼性、そして年収相応の「求める情報」がソーシャルメディア上にあるのか否かが多分に影響している。高年収の人がどのような情報を求めているのか、そしてその情報の信頼性とリスクを考えれば、理解はできる。

一方で「従来からの知人とのコミュニケシーション」では高年収層ほど高い値が出ている。これは数年来続く傾向だが、相手が特定できれば、既知の人ならば、ソーシャルメディアほど便利なツールは無い。その利点は高年収者ほど有難味も強くなるということだろう。

また「同じ趣味・嗜好を持つ人を探す」は年収による差異がほとんどない一方、「暇つぶし」は低年収ほど高い値を示す。高年収者はつぶす暇もあまり無いのかもしれない。



法的に、そして規約的に問題が無い限り、ソーシャルメディアをどのような利用目的で使おうと、他人がそれを束縛する権利はない(無論、昨今問題視されている盗用コンテンツの悪用や、詐称的なリンク掲載による釣り行為は問題外である)。一方、ソーシャルメディアはあくまでもツールでしかなく、そのツール経由で伝達される情報の真偽性は、ソーシャルメディア自身が担保しているわけではないことに注意しなければならない。例えば「世界最大規模のFacebookで語られていた話だから、この情報は絶対に真実だ」と盲信すると、痛い目にあう可能性は十分にある。

情報の「確からしさ」を精査するには、経由されたサービス以上に、どこを情報発信源としているかについて、確認をすべきといえよう。


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