携帯電話などでのインターネット利用率をグラフ化してみる(2015年)

2015/07/19 05:00

従来型携帯電話では一部においてインターネットへのアクセスが出来ない、あるいは意図的に止められる機種もあるが、昨今の携帯電話(従来型、スマートフォン双方を含む)では機種の保有・利用がほぼそのままイコールでインターネットの利用となっているのが実情。それでは実態として、現在における携帯電話などを利用したインターネットへのアクセスは、どの程度行われているのだろうか。総務省が2015年7月17日に発表した「通信利用動向調査」を基に、「携帯電話(PHSやスマートフォンなどを含む)における、インターネットの利用率」を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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携帯インターネットは全体で6割強、20代は9割を超える


今調査の調査要項は先行記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済みなので、そちらを参考のこと。

まずは「携帯電話を使った」「インターネットの利用率」。タブレット型端末は携帯電話の範ちゅうからは外されている。ただし「モバイル端末」との表記の場合はタブレット機も含める場合もある。今項目では後述する個別区分以外では、タブレット機は携帯電話には含まれず、従来型携帯電話(フィーチャーフォン)やスマートフォン、そしてPDAは携帯電話に該当するものとする。

次に示すのは2014年末における全体・年齢階層別のグラフ。過去一年間に一度でも携帯電話を経由してインターネットにアクセスしたことがある人の割合を示している。例えば6-12歳では25.0%なので、調査母体のうち6-12歳全体の中で、過去1年間に携帯電話などを使って一度でもインターネットにアクセスした人の割合は25.0%となる次第(インターネット利用についての設問そのものに無回答だった人は計算から除外してある)。昨年の23.1%からは幾分の増加が確認できる。

↑ 携帯インターネットの利用率(2014年末)(過去1年間において、PHS・PDA・スマートフォンも含む)(全体比)(無回答者除く)
↑ 携帯インターネットの利用率(2014年末)(過去1年間において、PHS・PDA・スマートフォンも含む)(全体比)(無回答者除く)

携帯電話本体の利用率やインターネットそのものの普及率同様に、携帯電話によるインターネットの利用率も若年層がピークで、その後は緩やかな下り坂を描いている。かつては定年退職後の世代において、減少具合が急激なものだったが、この一、二年は緩やかなカーブに代わっており、シニア層にも携帯経由のネットアクセスが地味に普及しつつあることをうかがわせる。とはいえ、定年前後の50-59歳と60-64歳との間には、まだ大きめの差異が見受けられる。

また、6-12歳が1/4ほどのみ、13-19歳も20歳以降と比べて少なめなのは、多くの人が自分の収入で端末を入手できないこと、そして保護者から端末の利用許可を受けていないことが想像される。もっとも幼少時においてはタブレット型端末の利用率が伸びており、細かなレベルでの世代交代が起きているのも分かる。

これをさらに過去の調査データ5年分を用いて、推移を示したのが次のグラフ。

↑ 携帯インターネットの利用率推移(-2014年)(PHS・PDAも含む)(2011年以降はスマートフォンも含む)
↑ 携帯インターネットの利用率推移(-2014年)(PHS・PDAも含む)(2011年以降はスマートフォンも含む)

2012年末ではシニア層で揃って値を落としたため、高齢者のモバイルインターネット離れすら懸念された事案が生じたが、直後の2013年では揃って上昇が確認され、一安心といったところ。2014年では少々の下落が見受けられるが、これは誤差範囲だろう。

他方、未成年者は上下を繰り返しながら少しずつ上昇しているが、中堅層はそれぞれの年齢階層でほぼ上限に達しているようにも見える。もう少し時間経過があれば世代そのもののシフトが生じるため、40代や50代でも10%ポイント程度の上乗せも期待できるのだが。

主要機種別に世代別・経年変化を眺めてみる


次に主要機種として従来型携帯電話とスマートフォン、そして上記「携帯電話」には該当しないものの、利用スタイル的には近しいポジションにあるタブレット型端末について、世代別、経年の変化を確認していく。

まずは直近2014年の世代別動向。若年層ではスマートフォンが従来型携帯電話を凌駕しているのが分かる。

↑ 携帯インターネットの利用率(2014年末)(過去1年間において、主要機種別)(全体比)(無回答者除く)(世代別)
↑ 携帯インターネットの利用率(2014年末)(過去1年間において、主要機種別)(全体比)(無回答者除く)(世代別)

今件は「保有」ではなく「インターネットの利用」であり、多分に保護者の端末を流用していると考えられるが、6-12歳の時点ですでに20.0%がスマートフォンを使ってインターネットにアクセスしている。これが13-19歳になると71.3%となり、2/3を軽く超える形となる。すでに従来型携帯電話は少数派でしかない。20代ではさらに増え、9割に迫る勢い。二十歳を過ぎればさすがに保護者のを流用する事例も少ないことから、少なく見積もっても8割はスマートフォン「所有者」と考えても良い。

一方、中堅層以降になると、特に60代以降はスマートフォンの利用率は大きく減る。60代でスマートフォンと従来型携帯電話の利用率が逆転していることから、50代と60代がスマホ世代の境目と考えても良さそうだ。

タブレット型端末利用率は少々興味深い動きを示している。最多利用率は6-12歳。中堅層では無い。前年2013年では30代だったのだが、ついに今回年は立ち位置が逆転してしまった。6-12歳ではスマートフォンや従来型携帯電話よりも、タブレット型端末を使ったネットアクセスが多用されているのが実情。これは幼少時においてはスマートフォンよりもタブレット型端末の方が操作しやすく、また対応アプリケーションも数多く登場しているのが要因と考えられる。お絵かき帳やホワイトボード感覚で子供に使わせる事例も多々見られるようになった昨今の状況を、見事に裏付ける結果ともいえよう。

次に示すのは2013年-2014年における、全体的なインターネット利用率。概況を示すものだが、これを見てもモバイル系インターネットの主流が、確実に従来型携帯電話からスマートフォンに移行する動きを示しているのが分かる。

↑ 携帯インターネットの利用率(過去1年間において、主要機種別)(全体比)(無回答者除く)(-2014年末)
↑ 携帯インターネットの利用率(過去1年間において、主要機種別)(全体比)(無回答者除く)(-2014年末)(世代別)

従来型の減少と、スマートフォン・タブレット型端末の増加がほぼ同じタイミングで起きており、従来型からスマートフォンとタブレット型端末にシフトしているようすが分かる(今件は重複回答式のため、従来型携帯電話利用者がスマートフォンとタブレット型端末のいずれかのみにシフトするわけではなく、双方を利用している場合も多々ある)。

最後に各世代別の2013年から2014年における変移を算出したもの。各世代のモバイル系インターネットの機種シフト具合がガッツリと見えてくる。

↑ 携帯インターネットの利用率(2013年末から2014年末への変移)(それぞれ過去1年間においての値、主要機種別)(全体比)(無回答者除く)(世代別)
↑ 携帯インターネットの利用率(2013年末から2014年末への変移)(それぞれ過去1年間においての値、主要機種別)(全体比)(無回答者除く)(世代別)

従来型携帯電話は中堅層では豪快な勢いで減少している。若年層でむしろ少なめなのは、すでにシフトが多分に起きているため。60代以降でも従来型の減退とスマートフォンの上昇が生じているのは注目すべき動きといえる。

スマートフォンの利用率の伸びは40代から50代にかけて大きいが、同時に13-19歳でも相当な値が確認できる。前者は20代から30代のスマホシフトが中堅層にまで波及しはじめたこと、後者は高校生から中学生にスマートフォンの利用が広がり始めている表れといえる。もっとも、子供向けなど一部機種をのぞけば、新型機種の携帯電話の大部分はスマートフォンであり、新たに携帯電話を購入する、あるいは買い替える場合に、選択肢がスマートフォンに限られてしまう場合も多々ある現状を考えれば、従来型ではなくスマートフォンが選択され、それを利用するようになるのは当然の結果ともいえる。

一方で【従来型携帯の料金プランを使える新型Android搭載の従来型携帯がドコモから登場】などでも伝えている通り、携帯電話事業者各社とも、スマートフォンと従来型携帯電話の中間的な立ち位置にある「ガラホ」の展開をはじめている。来年以降「ガラホ」が今調査の項目に加わるか否か、加わらなかった場合スマートフォンと従来型携帯電話のいずれかに分類されるかは不明だが、いずれにしても少なからぬ状況の変化が生じるかもしれない。


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