若年層は減少、しかし…独身者の性体験済み率をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2011/12/06 12:00

2011年11月18日に掲載した【独身者の結婚意思の変化をグラフ化してみる(2010年分反映版)】などにあるように、【厚生労働省の出生動向基本調査】で独身者(未婚者)を対象とした調査項目の結果を基にして、結婚に関する考え方、それと関係する少子化との関わり合いについて精査を行っている。今回は調査レポート中から、「未婚者の性体験の有無」に関してチェックを入れることにした(元資料:【第14回出生動向基本調査:結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要】)。

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調査概要に関しては先行記事「独身者の結婚意思の変化をグラフ化してみる(2010年分反映版)」にあるので、そちらを参考のこと。

年齢によって多少の差異はあるが、最新データでは8-9割の人が(タイミング・意思の強さの度合いを別にすれば)結婚をしたいと考えている。

↑ 未婚男性の結婚意思(結婚意欲詳細版、2010年)
↑ 未婚男性の結婚意思(結婚意欲詳細版、2010年)(再録)

↑ 未婚女性の結婚意思(結婚意欲詳細版、2010年)
↑ 未婚女性の結婚意思(結婚意欲詳細版、2010年)(再録)

一方性交渉については道徳観念・性衝動やその制御加減の違いから「結婚するまでは一切しない」から、「恋愛関係を問わずに」まで、多種多様な考え方・対応の仕方がある。また【いわゆる「未婚の母」による出生率をグラフ化してみる】でも触れているが、いわゆる「未婚の母」と性交渉との関係、そして行為が恋愛感情の表現の一種という考え方もあり、一概に「未婚だから性経験が無いのが普通」とは言い切れない。

今調査では各年齢層別に「これまでに異性と性交渉を持ったことがあるか」という設問をしており、「ない」「ある」のいずれかで答えてもらっている(回答時に適切な回答をしなかった「不詳」扱いも答えの比率区分には存在する)。直近の2010年における回答結果は次の通り。20歳未満は7割近くが未体験、3割近くが経験済みという結果となっている。

↑ 未婚者の性体験構成比(2005年)
↑ 未婚者の性体験構成比(2005年)(再録・参考)

↑ 未婚者の性体験構成比(2010年)
↑ 未婚者の性体験構成比(2010年)

年齢階層別で見ると、20歳を過ぎると体験者の割合は急に増え、未体験者との立場が逆転する。しかし30歳台に入ると男では多少ながら未体験者が数字を戻し、体験者比率が減る。これは該当年齢層全体にではなく、「未婚者」に聞いたためであり、異性との巡り合わせがうまく行かなかった人が残ってしまうのが原因(異性との「交渉」に大らかな人は婚姻のハードルも低いと考えられる)。年齢が上がると共に「不詳」の値が増えていくのも、今件が多分にセンシティブな設問であり、歳が上がるほどその鋭さゆえに「明確な回答はしたくない」という想いが増していくから、と考えれば納得もいく。

さて世間一般には若年層・未婚姻者の性交渉への考え方が、昔と比べて今は大らかになりつつあるという話。その話が事実であるか否かを確認できるのが次のグラフ。過去の調査期間別に行われた同じような設問において、「無し」と答えた人、つまり回答時点で性交渉の経験が無い人の回答率をまとめたもの。

↑ 調査別に見た、未婚者の性体験設問で「無し」の回答率(男性)
↑ 調査別に見た、未婚者の性体験設問で「無し」の回答率(男性)

↑ 調査別に見た、未婚者の性体験設問で「無し」の回答率(女性)
↑ 調査別に見た、未婚者の性体験設問で「無し」の回答率(女性)

男女とも調査回数を重ねるにつれ、2005年までは「無し」回答率が減少、つまり「性体験あり」(+不詳)が増加しているのが分かる。特に20歳未満の層においては、男性で10ポイント近く、女性で20ポイント近く減少していた(実際には同時に「不詳」の数も増加しており、「性体験あり」の増加率はもう少し低くなる)。また、20歳後半と30代前半の差異が直近ではほとんどなくなってしまっていた。

しかしながら2010年ではこれまでの傾向から転換したような、逆する動きが見えている。具体的には各属性における「無し」回答率が上昇している。実際には「未婚者の性体験率構成比(2010年)」「同(2005年)」のグラフを見れば分かるように「不詳」の値が減り、それが「ある」「なし」に振り分けられたというのが実情。実質的には「若年層は異性との付き合いにはシャイ」になり、「中堅層はおおらかになった」と見るべきだろう。特に女性30-34歳の「あり」率は2005年の55.0%から、2010年には68.2%と10ポイント以上の増加。直上のグラフの矢印部分で指摘しているように、「なし」が唯一減少した属性であり、「積極的」になったことをうかがわせる。

まとめると未婚者の性意識は「中期的には開放的方向へ、ただし最近ではそのスピードはゆるやかに」「直近では20代前半までは大人しめに、女性30代前半は逆に大らかになった」と表現できよう。

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