2か月連続で下落する市場観指標…野村證券、2016年9月分の個人投資家動向発表

2016/09/16 05:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2016年9月15日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2016年9月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から継続する形で下落し、30.6を示すこととなった。株価の先行きに関しては大きな変動は無いが、中規模・大規模な下落を予想する意見がやや増加している。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2016年9月5日から9月6日に行われたもので、男女比は83.9対16.1。年齢層は60代以上がもっとも多く31.3%、次いで50代が28.9%、40代が28.0%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く27.5%、500-1000万円未満が18.7%、3000-5000万円未満が13.2%と続いている。回答者の投資経験年数は10-20年未満が32.4%ともっとも多く、次いで20年以上が28.3%。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で45.7%と4割強でもっとも多い。ついで配当や株主優待が26.7%と3割近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(7割強)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は30.6ポイント。前回の31.6から1.0ポイントの下落で先月から継続する流れ。この時期、日経平均株価は前月比で400円強の上昇を示していたが、その時点において今後は下落を予想する人が増えた形となる。市場の急速な上昇を受け、今後は反落を想起する人が多かったものと考えられる。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で65.3%。前月分の65.8%からは0.5%ポイント下落。こちらも投資指数同様の動きを示している。「2000円以上上昇」「2000円程度上昇」「1000円程度下落」が減り、「1000円程度上昇」「2000円程度下落」「2000円以上下落」が増加している。市場観がわずかではあるが弱気な様子がうかがえる。

・市場に影響を与え得る要因としては「為替動向」が最大要因で回答率は前月からポジションは変わらず。「国際情勢」がほぼ同率で続くが前月からはいくぶんの増加。

・魅力的な業種は「医薬品」「通信」「資本財・その他」「自動車」の順でここまでがDIではプラス。「電気機器・精密機器」「素材」「運輸・公共」「金融」「消費」がマイナス圏。「消費」は前回月から10.9ポイントと大幅な下落を示している。

・ドル円相場に対する見通しは全体的には円高ドル安を見込む回答率が増加。円安を見通す意見が全般的に減り、円高を見込む声が増加している。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」がトップで前月の「日本円」のトップと入れ替わる形となった。次いで「オーストラリアドル」「カナダドル」がそれらの後に続き、そこまでがプラス。国内情勢の悪化を受け、「ブラジルレアル」が大きくDIを落としているが、「中国元」も同程度に下落し、最下位のポジションは不動。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。「金」がやや増加してそれに続いている。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンクグループ(9984)
3位……武田薬品工業(4502)
4位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
5位……イオン(8267)

トヨタ自動車以外も大よそ鉄板の銘柄ばかりで、変わった動きは特にない。任天堂(7974)は前回月には「ポケモンGO」で注目を集めて上位入りしたが、今回月は得票数を6に減らし、順位は大きく後退した。一方、LINE(3938)は10票を確保している。

【郵政三社銘柄が異様に強かった理由が何となくわかった気がする調査結果】で言及した、投資家から注目を集めた銘柄の上位陣についた郵政三社だが、今回月ではその姿は確認できない(6票未満の得票しかない)。安定感の強さが株価にも連動しうる要因ではあるが、少なくとも今回の調査では魅力の点で上位陣には今一つ及ばなかったようだ。



今年に入ってから中国市場の急落、原油市場の低迷、さらに為替市場の急激な円高化と欧州における金融危機の再燃リスクの露呈、そしてイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票の結果を受けた大規模な円高化など、トルコにおけるクーデター未遂事案など、株式市場を大荒れさせる事象が相次ぎ、東京株式市場も不安定な状況が続いている。昨今では不透明感の強いアメリカ合衆国の大統領選の行方や利上げに関する思惑で為替が大きく動き、それがトリガーとなり株価が動く(大体下向き)こともあり、東京株式市場の動きに関しては、多分に理不尽さを覚える人もいるだろう。

次回の調査時期までに市場動向が明らかな持ち直しの機運を持つにいたるのか、それともなお低迷が続くのか。無論前者であることが望ましいのだが。


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