独身者の結婚意思の変化をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2011/11/28 12:00

先日まで【日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)】を皮切りに複数の記事で、通常5年毎に行われている【厚生労働省の出生動向基本調査】における「夫婦調査」の結果をもとに、日本の少子化の原因のいくつかを探る話を展開した。その「出生動向基本調査」では、独身者(未婚者)を対象とした調査も行われているが、その結果が先日11月25日に発表された。そこで今回から何回かに分けて、先の「夫婦調査」同様に「独身者調査」についても、内容の更新を行うことにする。今回は独身者の結婚意思の変化をグラフ化して精査した記事のデータを更新すると共に、その変化を分析していくことにしよう(元資料:【第14回出生動向基本調査:結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要】)。

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今調査は2010年6月1日時点で18歳以上50歳未満の独身者を対象に、層化無作為抽出した5510か所から840地区を選定。その上で配票自計・密封回収方式で行ったもので、有効回答数は2010年調査では1万4248票。そのうち有効回答数は1万0581票。男女比は5040対4276。

まずは調査母体における「生涯」の結婚意識。8割強以上の高い割合で「いずれ結婚するつもり」と回答している事に変わりは無いが、年々その割合が減少傾向を見せているのが確認できる。

↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意思(男性)
↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意思(男性)

↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意思(女性)
↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意思(女性)

一方、ごくわずかずつではあるが、「一生結婚するつもりは無い」とする回答率が増加しているのも分かる。今回発表分では特に男性が2.3ポイントのプラスと大幅な増加が確認できる。それらの動向を見る限り、2005年に気配として感じられた「結婚離れの後ずさり」もイレギュラー的な動きだった感はある。それをより分かりやすくするため、「いずれ結婚するつもり」の回答者の割合を抽出し、グラフを描き直したのが次の図。

↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意識で「いずれ結婚するつもり」と回答した割合
↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意識で「いずれ結婚するつもり」と回答した割合

1987年以降、男女の間で「結婚願望の強さ」が逆転。さらに値そのものも2000年前後に底を打ち、再び上昇を見せつつある気配が見てとれた。しかし2010年分では再び減少傾向に戻りつつある。果たして2005年の上昇がイレギュラーなのか、それとも2010年における再び減少の動きがイレギュラーなのか、今回の調査結果だけでは判断は難しい。定例ならば第15回調査は2015年に行われるので、2016年の調査結果発表を待ちたいところだ。

「いずれ」って具体的には?
上記調査項目で「いずれ結婚するつもり」と回答した人に、「ではどのような条件に達することが”いずれ”に該当するのか」に関して、2つの選択肢「ある程度の年齢までには結婚するつもり」「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」を用意し、どちらかを選んでもらった結果が次のグラフ。

↑ 調査回別にみた、結婚意思を持つ未婚者の結婚に対する考え方(男性)
↑ 調査回別にみた、結婚意思を持つ未婚者の結婚に対する考え方(男性)

↑ 調査回別にみた、結婚意思を持つ未婚者の結婚に対する考え方(女性)
↑ 調査回別にみた、結婚意思を持つ未婚者の結婚に対する考え方(女性)

男女別では、男性の方がやや自分の年齢を気にする・優先する傾向があるが(=女性の方が理想の相手を求める気概が強い)。この傾向は【男性より女性の方が婚活には消極的・理由は「一人が楽しい」「他に時間を使いたい」】などでも現れている。未婚男性よりも未婚女性の方が、結婚以外の「やりたいこと」への願望が強く、それを凌駕するだけの相手を求めるこだわりがあるものと思われる。

また、上のグラフ同様に2000年前後を底打ちタイミングとし、今世紀に入ってから結婚に関して保守的な考えが再び増加する傾向を見せているのは興味深い。ただし最初のグラフの通り、今回の2010年では再び結婚願望が薄れる動きもあり、今後「自分の歳」と「理想の相手」とのバランスにどのような変化が生じるのか気になるところだ。



今調査の限りにおいては

・未婚者の結婚願望は高い
・未婚で生涯を過ごす意思を持つ人はわずかずつだが確実に増加している
・結婚願望を持つ人は大体6対4の比率で「年齢と相談して結婚」「理想の相手が見つかるまで我慢」
 ただし1990年代は、やや「理想の相手-」が増加する傾向を見せる
・男性よりも女性の方が結婚願望そのものは強くなるが、一方で理想意識も強い
・今世紀に入ってから結婚周りの考えが保守的に回帰する動きを見せる

などの傾向が確認できる。多くの動きについて、他の調査機関の調査結果を裏付ける内容であり、納得のいく結果ともいえる。

繰り返しになるが、「出生動向基本調査」は基本的に5年おきの調査であり、次の機会は2015年調査・2016年発表となる。その頃にはどのような動きを確認できるのか。今から心待ちにしたい。

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