日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2011/10/24 06:00

国立社会保障・人口問題研究所は2011年10月21日、「第14回出生動向基本調査」のうち「夫婦票」の結果概要を公表した。以前、日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移をグラフ化した記事をはじめとした、夫婦・独身者の結婚や出産に関する記事で用いた資料の最新版に相当する。そこで今回はそのデータを元に、その記事の内容の更新を行うことにする(元資料:【第14回出生動向基本調査:結婚と出産に関する全国調査 夫婦調査の結果概要】)。

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今調査は基本的に5年おきに実施されているもので、今回は2010年6月1日時点で妻の年齢が50歳未満の夫婦を対象に、無作為抽出した5510か所から840地区を選定。その上で配票自計・密封回収方式で行ったもので、有効回答数は2010年調査では7847組。そのうち初婚同士の夫婦6705組について集計が行われている。

婚姻様式における、夫婦が出会ったきっかけという視点での区分「見合い結婚」か「恋愛結婚」についてだが、前回の記事で1930年以降5年単位のデータが取得されており、今回はそこに2006-2010年分のものが追加されることになる。当方でデータの精査・再構築を行ったのが次のグラフ。

↑ 結婚年次別にみた、恋愛結婚・見合い結婚の構成比
↑ 結婚年次別にみた、恋愛結婚・見合い結婚の構成比

前回記事で指摘しているように、「お見合い結婚と恋愛結婚(の比率)が逆転したのは1960年代」「50年代はお見合い結婚は5割強」「80年代では2割前後」などが再確認できる。さらに全体の流れとしては、年代の経過と共に婚姻数全体に対するお見合い結婚率が減り、恋愛結婚率が増えている。つまりお見合い結婚という社会の仕組みが少しずつ希薄化し、恋愛結婚による婚姻率が増加したことになる。

さらに後述するが、恋愛(結婚)そのものが苦手な性質もあり、恋愛結婚比率の増加が、全婚姻数そのものを押し下げる結果となってしまっている。切り口を変えて考えれば、日本の戦後しばらくまでの婚姻率、そしてそこから連動する形での出生率の高さは、お見合い結婚によって維持された面が大きいことになる。

結婚タイプ別の婚姻「件数」をチェックする
「出生動向基本調査」に掲載されているのは見合い結婚・恋愛結婚の比率まで。具体的に「日本全体における」(調査母体内では無く)結婚事例数までは記載されていない。当然「今件は調査母体内の結婚数に占める比率。各年区分の、日本全体における婚姻数で比較したら、動向は違うかもしれない」という意見もあるだろう。そこで各年区分の比率に、その年に該当する婚姻件数を乗じ、概算平均としての年間婚姻数を算出してグラフ化を試みる。戦後の婚姻数については【日本の婚姻率・離婚率・初婚年齢の推移をグラフ化してみる(2011年1月版)】で示した「人口動態統計の年間推計」で取得できる(最新のは【平成22年(2010)人口動態統計の年間推計】)。過去のデータは以前の記事から取得したものを流用した。

そして各年においてデータが存在する年は可能な限り、日本国内の婚姻総数を引き出して加算。加算した年数分で割って、各年区分の年平均婚姻数を算出。その上で各年区分の「お見合い結婚」「恋愛結婚」比率を乗じ、各パターンの年間婚姻数を概算する。なお「お見合い結婚」「恋愛結婚」以外に「その他・不詳」もあり(例えば2010年分なら6.8%が該当する)、両婚姻数を足しても年間の平均婚姻数にはならないので注意が必要。

↑ 結婚年次別にみた、恋愛結婚・見合い結婚数(概算、万件)
↑ 結婚年次別にみた、恋愛結婚・見合い結婚数(概算、万件)

1950年代前半に見合い結婚数の大きな減少、1970年代前半に恋愛結婚数の大きな上昇が確認できるが、前者は戦後の西洋文化様式の流入、戦争直後の混乱期からの脱却で社会が安定化したことにより、婚姻のスタイルに大きな変化の流れが起きたことが類推される。後者については【変わりつつある、「一番大切なもの」】でも指摘した「1970年代、高度成長期におけるパラダイム・シフト」によるものと思われる。

いずれにせよやや凸凹はあるものの、「お見合い結婚」「恋愛結婚」の構成比率グラフと大きな違いは無く、やはり1960年後半が転換点であったことが分かる。



今回発表されたのは2010年調査分の最新のものだが、それらを盛り込んでグラフを更新すると、日本の社会性質上の問題などと合わせ、結婚のスタイルが「お見合い結婚」中心から「恋愛結婚」中心に変化している、そしてその傾向が強まっているのが確認できる。一方で若年人口数と婚姻数そのものの減少から、婚姻数全体に占める比率が増加している恋愛結婚件数ですら、1990年代後半をピークに減り続けているのが見て取れる。

これから逐次「第14回出生動向基本調査」の内容を盛り込んで以前の記事を更新していくことになるが、結婚や出産関連で日本が抱えている問題は、その多くが進行中(悪化中)であるとの認識を深めざるを得ない。婚姻問題は少子化問題とも深く結び付いている。思い付きと妄想と、周囲への八方美人的な、そしてその場しのぎの対応では無く、中長期的な戦略思考の上での国家的戦略が求められよう。

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