生活内に溶け込む洋語・カタカナ語、利用頻度が減る和語・漢語

2016/10/18 05:08

同じ事象や物体を指し示すのに、複数の言葉が用いられるのは良くある話。一方でまったく同じものを指す場合もあれば、状況や語り手側の思惑で微妙に異なる対象を意味することもあり、ややこしいのもまた事実。今回は文化庁が2016年9月21日に発表した調査結果の概要【平成27年度「国語に関する世論調査」の結果について】の内容をもとに、いくつかの事例から、その現状と推移を確認していくことにする。

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今調査の調査要綱は先行記事【配達の人に対する感謝の意、どんな言葉をあなたはかけるか】を参照のこと。

次に示すのは6つの事例に関して、和語・漢語による表現と洋語・カタカナ語の表現の2つの選択肢を例示し、どちらを主に使うのかを回答者自身の経験として答えてもらった結果。場面によって使い分けをしている場合もあり、少しも違わずまったく同じ対象を意味しているわけではないものもあるが、大よそどちらの範疇に収まるかでの回答となる。

今調査項目に関しては、前世紀の1999年度、そして直近の2015年度、合わせて2回分の調査結果が公開されており、それらをそれぞれグラフ化した。

↑ どちらを主に使うか(1999年度、日常の用語)
↑ どちらを主に使うか(1999年度、日常の用語)

↑ どちらを主に使うか(2015年度、日常の用語)
↑ どちらを主に使うか(2015年度、日常の用語)

途中経過が無いためにぶれによる可能性も否定できないが、16年の間に言葉の利用形態に小さからぬ変化が生じていることを実感できる結果ではある。いずれの選択肢も(a)・青系統色を和語・漢語、(b)・赤系統色を洋語・カタカナ語としているが、差異はあれどいずれもが和語の利用率が減り、カタカナ語が増えている。

各用語別に見ると、1999年度の時点では双方併用派は少数、ワインやスーツはすでにカタカナ語が多数派で、台所や開店、獲得、合計は和語が多数派。直近ではワインやスーツのカタカナ語派がさらに増え、それ以外でも和語が減り、カタカナ語や両方派が増加している。特に台所・キッチンや獲得・ゲットにおいて、カタカナ語への移行度合いが著しい。

この16年間の動きを計算した結果が次のグラフ。

↑ どちらを主に使うか(1999年度から2015年度への変移、ppt)
↑ どちらを主に使うか(1999年度から2015年度への変移、ppt)

どの用語でも赤や赤青混ぜた色が増え、青が減っている。特に獲得・ゲットでは大きな変動が生じているのが分かる。多分に某芸能人の言い回しや、某ゲーム・アニメでの多用が大きな動きに影響したのだろう。

また台所・キッチンではカタカナ語への直接のシフト以外に、両用するとの回答率も大きい。これが両用のまま継続するのか、それともカタカナ語への移行の過程にあるのかまでは、今後の動向を見極めないと判断は難しい。1年や2年では変化は生じにくいことから、少なくとも5年程度先の結果を見たいところだ。

または1999年度から2015年度の間に同様の調査がなされていれば、それを中間結果として確認できるのだが、公開されていないことから、その確認は残念ながら不可能。さらには他の言い回しに関しても確認をしたいところではある。


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