テレビ番組を生放送で観ている人の割合やその時間に変化はあるのだろうか(2016年)(最新)

2016/10/04 05:04

インターネットの普及浸透とその窓口となるデジタル系端末、特にスマートフォンの利用率上昇に伴い、人の娯楽、中でも映像を観るタイプの娯楽の選択肢は大きな増加を示す形となった。「ながら利用」はあるものの、リアルタイムで放映されるテレビ番組にとって、テレビ受信機を直接占有される据え置き型家庭用ゲーム機と比べればダイレクトにではないが、インターネットを用いた多用な行動は、確実に人の娯楽教養の時間消費においてライバル視される存在となっている。それではテレビ番組を観る人は減少をしているのだろうか。観ている人における視聴時間に変化はあるのだろうか。総務省情報通信政策研究所が2016年8月31日に発表した「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」などの調査結果をもとに、その実情を確認していく(【発表リリース掲載ページ:研究成果-調査研究報告書】)。

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機種を問わずテレビを生放送で観ている人の割合の推移


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

次に示すのは直近の2015年分も含めた、「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」において公開され取得が可能な、都合4年分における、テレビ番組をリアルタイムで観た人の行為者率。用いた機種はテレビ受信機がメインだが、他にスマートフォンやパソコンによるワンセグなども該当する。また録画した番組の再生や、ダウンロードしたもの、さらには他媒体で購入調達したものの再生はカウントしていない。あくまでも放送時にリアルタイムで視聴した人のみ。

なお休日分のデータは2013年から取得が開始されているため、現時点では都合3年分の動向となる。

↑ テレビ(生)行為者率(平日)
↑ テレビ(生)行為者率(平日)

↑ テレビ(生)行為者率(休日)
↑ テレビ(生)行為者率(休日)

冒頭でも触れたように、また、これまでの「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」に関する記事でも言及している通り、ここ数年でインターネットに関わる機器の技術進歩や普及の度合いは爆発的と表現してもよいほどに歩みを速めており、動画視聴の面では若年層を中心に、映像文化の認識、価値観を大きく変えつつすらある。しかしながら今調査の経年変化の限りでは、まだ4年(休日は3年)分でしかないが、テレビの生放送の視聴について、時間、注力が奪われ、減退している様子は見られない。

平日の10代から20代は減少するそぶりも見せたが、直近の2015年では大きく増加を示しており、「インターネットの動画視聴に夢中になり、その分、テレビの視聴をする人が減っている」などのような、想像しやすい減少の動きは無い。60代ではむしろ増加しているとも読み取れる。

観ている人の視聴時間は?!


テレビの生放送を観ている人の割合には変化が無かった。しかし観ている人における視聴時間は増減をしているかもしれない。そこで、行為者限定の行為平均時間の変化を確認したのが次のグラフ。非行為者も合わせた単純平均ではなく、行為者のみの平均時間であり、純粋に「テレビを観ている人のみの、平均視聴時間」を確認できる。

↑ テレビ(生)行為者行為平均時間(平日、分)
↑ テレビ(生)行為者行為平均時間(平日、分)

↑ テレビ(生)行為者行為平均時間(休日、分)
↑ テレビ(生)行為者行為平均時間(休日、分)

こちらも平日4年分、休日は3年分のみのデータであり、明らかな形での傾向は確認ができなかった。平日の60代で減少、休日の10代と50代から60代で増加している気配はあるが、あくまでも気配のみであり、その傾向の確証度を高めるためには、あと1、2年分の継続調査の結果が必要になるだろう。



結局のところ現時点では「インターネットの動画視聴の普及浸透で、テレビ視聴離れが起きている」動きは確認ができなかった。むしろ冒頭でも触れている「ながら視聴」も合わせれば、増加している可能性も否定できない。「ながら視聴」に関わる経年データも取得できればよいのだが、先行記事【「テレビを観ながらネットする」はどこまで浸透しているのだろうか】などにもある通り、時間区切りの行為者率しか取得ができず、経年変化による比較は難しい。

ともあれ、ライフスタイルに変化が生じているか否かを確認するのには、蓄積が足りないことには違いない。年を重ねて精査をしていくことにしよう。


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