スマートフォンと従来型携帯電話、非所有者の想いを探る(2015年)

2015/06/03 11:00

携帯電話のトレンドは従来型携帯電話からスマートフォンにシフトしつつあるが、一方で従来型を引き続き愛用する・求める人も少なくない。現在の所有状況は各調査で良く知られるところではあるが、現在持っていない人たちの今後の所有願望はいかがなものだろうか。今回は総務省が2015年5月19日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、スマートフォンと従来型携帯電話それぞれにおける、現在の所有状況と今後の所有願望の有無を確認していくことにする(【発表リリース:「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表】)。

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スマートフォンを現在持たずに「今後もいらない」は2割近く


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

次に示すのは回答者自身のスマートフォンに関する所有状況。世帯ベースでの所有状況では無いことに注意。所有し使っているか、非所有ならば将来欲しいか、あるいは要らないか。厳密には所有しているが使っていない、つまり放置状態の場合もありえるが、今調査ではその可能性は無視している。なお回答用紙の記述は「スマートフォン(iPhone、アンドロイド端末など)」となっている。

↑ スマートフォン所有状況(2014年、回答者自身)
↑ スマートフォン所有状況(2014年、回答者自身)

↑ スマートフォン所有状況(2014年、回答者自身、「無い」)
↑ スマートフォン所有状況(2014年、回答者自身、「無い」)

全体所有率は62.3%と2/3近く。男女別では男性の方がいくぶん高めで、世代別では10代ですでに7割近く、20代では94.1%とほぼ全員の状態。30代でも8割を超え、40代でも3/4近く。50代以降ようやく値は減少し始める。

就業形態別ではフルタイムが7割近く、アルバイトが6割、専業主婦・主婦が5割近く。金銭的負担、さらには必要度合いが所有率の違いに表れているのだろう(学生・生徒が3/4近くなのに対し、無職が2割強なのもその裏付けとなる。ただし無職の場合、定年退職後の高齢者も多分に含まれている)。

世帯年収別ではきれいな形で高年収ほど高所有率を示している。これもまた、毎月の通信料負担が大きな所有の要素となっていることがうかがえる。

現在スマートフォンを持っていない人の所有願望度合だが、全体ではほぼ半々。一方で世代別では、若年層は欲しい人が多数に登るのに対し、高齢層では必要ないとの判断を下している人が増えてくる。特に60代では全体の過半数が「スマートフォンは現在持っていないし、要らない」としている。

世代別のスマートフォン忌避傾向に似たような動きを示しているのが、世帯年収の差異。低年収ほど非保有率が高いが、加えて非保有者内における「要らない」派の割合も大きい。自分の環境から鑑み、コストパフォーマンスの観点で割りに合わないとの判断が下されているのだろう。

従来型携帯電話はどうだろうか


続いて従来型携帯電話。いわゆるガラケー、フィーチャーフォン。回答用紙には「携帯電話(スマートフォンを除く。PHS を含む)」とあり、厳密にはPHSを含んでいる。また、スマートフォンとは別途の選択となっており、当然従来型とスマートフォンの双方を所有している場合は、それぞれで「所有している」と回答していることになる。

↑ 従来型携帯電話所有状況(2014年、回答者自身)
↑ 従来型携帯電話所有状況(2014年、回答者自身)

↑ 従来型携帯電話所有状況(2014年、回答者自身、「無い」)
↑ 従来型携帯電話所有状況(2014年、回答者自身、「無い」)

全体で所有率は42.2%。10代がやや高めに出ているのは防犯用・保護者との連絡専用電話として子供向け携帯電話を与えられている事例があるため。20代でもっとも低い値を示し、あとは歳と共に増加、60代では3/4近くが所有している。また専業主婦・主婦や無職で高い値が出ているのは、この属性に属する人か多分に歳を召していることを予想させる。

年収別、居住地域別の差はあまり無し。強いて言えば低年収ほど所有率が高い。これも高齢層の割合の高さ、そして通信料の負担を考慮し、スマートフォンを所有できない人がいるからだろう。

他方非保有者の動向だが、多分に「要らない」とする意見で占められている。現在従来型を有していない人は、その多分がスマートフォンを所有しており、わざわざ再度従来型に戻る意向を持つ人はあまりいないということだろう。一方【従来型携帯の料金プランを使える新型Android搭載の従来型携帯がドコモから登場】などでも伝えている、いわゆる「ガラホ」が(スマートフォンと従来型携帯電話のどちらに区分されるのかが気になるが、恐らくは後者だと判断される)今後本格的に展開されることを考えると、来年以降はこの回答動向も多少の変化が見られる可能性はある。



スマートフォンのシニア層への普及に関して多様な意見や推測が成されているが、今回の調査結果動向を見るに、60代に限ると現在持っていない人で今後欲しい人は全体比で3割足らず、過半数は必要ない(≒現在の従来型携帯電話で満足)との状況が見受けられる。

↑ 現在スマートフォン非所有者における、今後の所有希望状況(2014年、回答者自身)
↑ 現在スマートフォン非所有者における、今後の所有希望状況(2014年、回答者自身)

3割足らずでしかないのか、3割足らずも可能性があるのかと見るのかはケースバイケースだが、若年層のように「持っていない人の多数がスマートフォンを欲しいと思っている」わけではないことを、改めて認識すべきだろう。


■関連記事:
【従来型携帯電話とスマートフォンのネット利用状態をグラフ化してみる(世代&男女別編)(2014年)(最新)】
【携帯電話の普及率現状をグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【スマホとタブレット型端末が増加中…高齢者のネットアクセス機器動向(2014年)(最新)】

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