キュレーションサービスの利用状況をグラフ化してみる(2015年)

2015/06/02 08:00

機動性に長けて自在に持ち運びが出来、電波が届く場所ならいつでもインターネットにアクセスが可能、処理能力は従来型携帯電話と比べて桁違い…情報を処理することが求められる日常生活において、スマートフォンの登場は人々のライフスタイルを一変させてしまった。そのスマートフォンの普及浸透と共に注目されている新サービスが「キュレーションサービス」。ニュースサイトを中心に、利用者の需要に合わせて自動的にコンテンツを集約して再構築し、あるいはダイジェスト版を生成し、独自のウェブ総合誌を生成して提供するもので、情報を効率よく入手したい人に対するコンシェルジュのような存在。今回は総務省が2015年5月19日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、そのキュレーションサービスの利用状況を確認していく(【発表リリース:「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表】)。

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調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

次に示すのは冒頭でも解説した、いわゆるキュレーションサービスの利用状況。今調査の調査用紙では「スマートニュース、グノシーなどのキュレーションサービス」とあり、具体的にスマートニュースとグノシーの名前が挙げられている。あくまでもニュースを取得する際に利用するテキスト系媒体の問いだが(要は先行記事【それでも読まれる紙の新聞、40代以降はニュース系メディアで最多利用】の詳細版)、キュレーションサービスは原則ニュース取得のために用いるものであり、事実上通常の利用実態とイコールと見なして良い。

↑ ニュースを読んでいる媒体(2014年、複数回答、キュレーションサービス)
↑ ニュースを読んでいる媒体(2014年、複数回答、キュレーションサービス)

全体では5.6%、男女別では圧倒的に男性の方が多く、大よそ2倍の値を示している。単純な世代別では20代がもっとも多く約1割、10代と30代が8%近く、そして40代以降は歳と共に減少していく。

就業形態別では若年層の利用が多いことから当然学生・生徒の利用率が高く1割近く、次いで意外にも(!?)フルタイムの就業者の利用者が多い。年収別では大きな差異はないものの、最低年収層の利用率がいくぶん低く、最高年収層がやや高め。そして居住都市規模別では都心部ほど利用率が高く、地方ほど利用率が低くなる。

今件について、複数のテキスト系ニュースメディア(紙媒体の新聞やニュースサイトなど。映像媒体であるテレビニュースや音声媒体のラジオニュースは含まず)の中でもっともキュレーションサービスを利用していると回答した人の割合で見たのが次のグラフ。要はニュースサイトや新聞よりも、キュレーションサービスをニュース取得ツールとして活用している人の割合。

↑ もっともニュースを読んでいる媒体(2014年、複数回答、キュレーションサービス)
↑ もっともニュースを読んでいる媒体(2014年、複数回答、キュレーションサービス)

全体では2.3%。大よそ43人に1人。世代別では10代から20代が5%内外で多く、30代以降は下がる。就業形態別ではやはり学生・生徒の利用がもっとも多く、次いでフルタイムが続く。年収別では低年収から中堅までの利用率がやや高めとなる。そして都市規模では大都市圏よりも中堅の方が利用率が高い値が出ている。



報告書ではキュレーションサービスについて「若年層のテキスト系ニュースを読む手段が多様化し、近年新たに登場したLINE NEWSなどやキュレーションサービス(SmartNewsやグノシーなどニュースアプリ)が従来テキスト系ニュースを読んでいなかった層でも利用されている可能性が示唆されていると考えられる」と説明し、キュレーションサービスの登場で若年層を中心にニュースを新たに取得する機会を設けた人が出て来たのではないかとする推測を掲げている。つまみ食い文化とも言われているように、スマートフォンの限定された面積の画面を用い、短時間で出来るだけ多くの情報を、ざっと見したい需要に、キュレーションサービスは大いに応えた形となる。

他方最近では各コンテンツの美味しい所取りで情報作成元では恩恵がほとんど得られない(つまみ食いで満腹感を覚え商品を買ってもらえないようなもの)、キュレーションの大本の語源となるキュレーター(学芸員)のような正確さに欠け、集約された情報が雑多でノイズが多いとの意見も少なくない。キュレーションサービスは言い換えればニュースにおける検索エンジン的な役割を求めているとも表現できるが、その検索エンジン同様情報の雑多さや運営側の思惑により、精度の劣化が起きている感もある。

今後同サービスがどのような進化を経ていくのか、今件調査の経年変化も合わせ、注目したいところだ。


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