それでも読まれる紙の新聞、40代以降はニュース系メディアで最多利用(2015年)

2015/05/27 08:00

速報性や拡散性、画像や音声、動画などのマルチメディア性、蓄積と検索、リンクによる過去データの検証の容易さなど、インターネットはニュースを配信するのにプラスとなる特徴を多数有している。これを受けて法人の新聞社やポータルサイト、当サイトのような個人にいたるまで、多種多様な立ち位置から、インターネット上にニュース・情報が提供されている。紙媒体としての新聞と、これらインターネット上のニュース系情報サイトは、どのような利用状況にあるのだろうか。総務省が2015年5月19日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、その実情を探ることにする(【発表リリース:「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表】)。

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紙の新聞以外ではポータル提供のニュースが一番


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。

今件では新聞やニュースサイトなど、ニュースを読んでいるテキスト系媒体系の利用状況を尋ねている。紙媒体の新聞以外に新聞社が提供する有料サイト、同無料サイト、ポータルサイトが提供しているニュース配信サービス、ソーシャルメディアが提供しているニュース配信サービス、さらにはキュレーションサービス、そしてそれらのいずれの方法でも読んでいないの選択肢を提示し、複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ ニュースを読んでいるテキスト系媒体(2014年)(複数回答)
↑ ニュースを読んでいるテキスト系媒体(2014年)(複数回答)

全体では紙媒体の新聞の利用率がもっとも高く62.8%。次いでポータルサイト提供のニュース配信サービス、ソーシャルメディア提供のニュース配信サービスが続く。新聞各社が積極展開している新しいビジネスモデルこと、有料サイトは利用率が2.5%に留まっている。

世代別に見ると、紙媒体の新聞利用率が歳を重ねるに連れて上昇していくのは、他の多数の調査結果からも容易に想像が出来た通り。60代では10人に9人近くが新聞を読んでいる。同時にインターネット経由のニュース利用が漸減しており、歳と共に「インターネットから紙へ」が進んでいる状況が分かる。

また、新聞社自身が提供するウェブ上のニュースよりも、それらを集約したポータルサイト提供のニュースの方が需要が大きく、多数の人が利用している実情は皮肉な話。他サービスと一緒にまとめて利用できることや、多種多様なニュースの集約で幅広い情報を一括して確認できるメリットが好かれているのだろう。

一方、ソーシャルメディアでも付加価値施策の一環として展開を始めている、ポータルサイトと同様のニュース配信サービスの利用者は20代がピークで、それでも約2割。ソーシャルメディアを利用している人の数の割合にほぼ比例する動きだが、ポータル提供ほどの値では無い。ソーシャルメディアを利用する場合は、他人との交流がメインで、ニュースを読むためにわざわざアクセスする、あるいは目を通すパターンは少数派のようだ。

もっとも昨年解説したように、昨今では各種メディアが公式アカウントを取得し、ソーシャルメディア上でニュースのダイジェストと記事への誘導を書きこむ事例が増えている。この手法は今調査の解答用紙では「新聞社自身がTwitterなどで提供するものは『新聞社提供の無料サイト』に該当」との説明がされていることから、それを加算した上でも利用者はさほど多くない実情を見るに、そのような形でのニュース取得者もまた、少数派のようである。

昨今では大いに注目を集めているキュレーションサービスだが、こちらは全体で5.6%と少なめ。ただし30代までの若年層でいくぶん利用率が高く、特に20代では新聞社提供の無料サイトと肩を並べるほどの利用率を示している。

どれをもっとも使っているか


これら新聞・ニュースサイトのうち、どれを一番使っているかを聞いた結果が次のグラフ。

↑ もっとも利用しているニュース・テキスト系媒体(2014年)
↑ もっとも利用しているニュース・テキスト系媒体(2014年)

全体では5割近くが紙の新聞、次いで3割がポータルサイト提供のニュース配信サービス。選択肢内ではいずれも使っていないのが1割強。これが主な状況。

世代別動向では20代をピークにポータル提供のニュースが活用され、それ以降は減少。40代以降は紙の新聞をもっともよく利用している人が増え、60代では実に8割強が紙の新聞を一番使っていると答えている。同世代のニュース取得媒体としての紙新聞の利用率は上記グラフの通り87.7%なので、60代は「紙媒体の新聞を利用している人が9割近くで、そのほとんどは『ニュース取得は紙媒体の新聞が一番』と考えている」ことになる。

また複数回答で競っていた20代におけるキュレーションサービスと新聞社提供の無料サイトだが、最多利用率では逆転現象が生じている。ポータルサイト提供のニュース配信サービス同様に、つまみ食い的、ダイジェスト的なニュース取得スタイルをメインとしていると見れば良いのだろう。



新聞社自身のニュースサイトは有料版がほとんど使われず、無料サイトも利用率は想像以上に低い。やはりまとめて一度に確認ができるポータル系サイトのサービスの便宜性に、多くの人が魅力を覚えているようだ。また紙媒体の新聞との利用度合いも合わせ、ニュース取得元の世代間格差が30代から40代を境に発生しているのも目に留まる。

今件項目の調査は昨年も実施されており、その差異を算出したのが次のグラフだが、この値は残念ながら参考値以上の価値は無い。

↑ ニュースを読んでいるテキスト系媒体(2014年)(複数回答)(前年比)
↑ ニュースを読んでいるテキスト系媒体(2014年)(複数回答)(前年比)

報告書にも詳しく解説されているが、2014年分から「アンケートの設問に「ソーシャルメディアを運営する企業が提供するニュース配信サービス(LINE NEWS等)」「キュレーションサービス(SmartNews、グノシー等)」の選択肢を加え、「ポータルサイトによるニュース配信」の例示にGoogleニュースを加えたことから」、2013年との単純比較が出来なくなっている。特に「ポータル提供のニュース配信サービス」はGoogleの名前を具体例として挙げたことで、大きな回答率の底上げが生じてしまっている。

キュレーションサービスの動きも合わせ、年間の変移については、来年以降に期待したいところだ。


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