テレビはシニア、ネットは若者…主要メディアの利用時間をグラフ化してみる(2015年)

2015/05/23 11:00

総務省は2015年5月19日に情報通信政策研究所の調査結果として「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を発表した。今回はその内容から、主要メディア、具体的にはテレビ(生放送)・テレビ(録画番組の再生)、インターネット、新聞、ラジオの5種類に関する視聴時間の現状を精査することにする。普段からよく見聞きしている「若者のテレビ離れ」「高齢者はネットが苦手」の実情を、利用時間から確認する次第である(【発表リリース:「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表】)。

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10代と60代ではテレビ視聴時間が2.8倍も違う


今調査は2014年11月15日から11月21日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13歳から69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時併行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。

次に示すのは調査対象母集団及び各世代における、主要5メディア(テレビは視聴スタイル別だが)の1日あたりの平均利用時間。例えば10代のテレビ(生)は91.8分と出ているので、テレビを観ていない人も合わせ10代は平日にテレビを平均1時間30分ほど見ている計算になる。

なお「ながら行動」についてだが回答用紙の限りでは「連続して10分以上行った場合は該当」とのみ読み取れ、重複行動はそれぞれ行動したと記録する様式となっている。例えばテレビを観ながら新聞を読む時間帯があった場合、テレビと新聞それぞれに加算されることになる。

↑ 主要メディアの平均利用時間(2014年、平日、分、1日あたり)
↑ 主要メディアの平均利用時間(2014年、平日、分、1日あたり)

全体平均ではテレビのリアルタイム観賞が171分、録画観賞が16分ほど、合わせて約3時間。インターネットが84分、新聞やラジオは10分強となる。メディア関連の調査の常の通り、世代別で大きな差異が生じているのはグラフの形状を見れば一目瞭然。

「若者のテレビ離れ」の言い回しの通り、テレビ視聴時間は概して若年層ほど短く、シニアになるほど長くなる。特に60代は長めで、1日平均256分。4時間半近くもテレビを観っぱなしである。一方インターネットは20代の利用時間が一番長く2時間強。以後急激に利用時間は減り、60代になると30分強に留まってしまう。

新聞の購読、ラジオの聴取者の減少はよく知られるところではあるが、10代では双方とも1日平均で1分も消費されていない。20代でも10分足らず、40代でようやく新聞が10分近く・ラジオが20分足らずにまで伸びる。60代ではようやく新聞もラジオも1日あたり30分以上時間が費やされることになる。

興味深いのはテレビの録画放送の視聴。どの世代も1日10分強は視聴している計算になる。スマートテレビ、HDDプレイヤーの普及によりテレビ番組の録画再生が容易となり、世代を超えて利用されている雰囲気ではある。

中堅層のテレビ離れ……?


続いて前回調査、つまり2013年時点での状況を確認し、今回発表分となる2014年分との差を算出したのが次のグラフ。

↑ 主要メディアの平均利用時間(平日、分、1日あたり)(2013年から2014年への変移)
↑ 主要メディアの平均利用時間(平日、分、1日あたり)(2013年から2014年への変移)

ざっと見で目に留まる変化は2点。インターネット利用時間の増加と、30代までのテレビ(生放送)の減少及び40代の大幅増加。それぞれそれぞれ全体平均にも影響を与えている。

インターネットの利用時間増加は多世代に渡っている。対象機器はパソコンだけでなく携帯電話、タブレット型端末にも及んでいるので、これは素直に納得できる。問題は40代で大きなテレビ視聴時間が増えていること。今件については前年の分析記事において「(中堅層における)テレビの長時間視聴離れ(仮)」との形でテレビの視聴時間が大きく減っている可能性を示唆したが、今回はその逆の動きが生じている。これを取得可能な3年分の経年変化で見ると、また違った実態が確認できる。

↑ 主要メディアの平均利用時間(平日、分、1日当たり)(テレビ(生))
↑ 主要メディアの平均利用時間(平日、分、1日当たり)(テレビ(生))

2014年における30代までのテレビ(生放送)の時間短縮は過去からの継続的な流れで、40代における大きな増加は、実態としては前年2013年分の大きな減少の半戻し的な反動でしかない。そして中期(3年分しかないが)の流れで見れば、40代から50代も合わせ、テレビの利用時間は減少する傾向にあることが分かる。特に40代から50代の減退ぶりが著しい。来年以降データが蓄積されれば、その傾向は一層確からしさを上乗せできることだろう。

テレビ(生)・インターネット以外では、テレビ(録画)の時間短縮の動きも気になる。元々値が短いだけに、この減り方は致命的。あるいはリアルタイムで再生できるインターネット動画の普及・高画質化に伴い、テレビ録画の需要も減少しているのかもしれない。



今件調査の限りでは、はじめて20代において、インターネットの利用時間が、録画も含めたテレビ視聴時間を上回る形となった。10代はインターネット環境の利用率の点でテレビを上回ることは難しいが、今後スマートフォンの普及が進めば逆転する可能性もある。来年は10代でも同様の現象が確認され、「20代以下においてはテレビ<<ネットの時代」と評価できるようになるかもしれない。


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