「信頼できる情報の取得」「素早く情報取得」のためどのメディアを利用するか、その国際比較をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/08/28 05:21

情報技術の進歩発展に伴い、特にインターネット技術の普及浸透で、メディアの姿形は大きな変容を遂げ、その機能、相対的立ち位置も日々変化を続けている。発信した情報が瞬時に地球の裏側に達し、またそれを個人が成し遂げられる事は、まさに人類史上初めての状況に違いない。それでは人々は各種メディアに対し、どのようなウェイトを置いて利用しているのだろうか。今回は総務省が2016年8月17日に公式ウェブ上で公開した、2016年版の【情報通信白書】に関して、各種グラフなどの詳細値が確認できるHTML版を元に、「信頼できる情報の取得」「素早く情報を取得する」の2つの観点から、諸外国の思惑を確認していくことにする。

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信頼できる情報を得るメディアはテレビ…は日本とドイツ


今項目に係わる調査要項は先行記事【世界各国の完全自動走行車に対する認識と利用意向をグラフ化してみる(2016年)(最新)】を参照のこと。なお今件はインターネットに浅からぬ関係を有する選択肢があるため、とりわけインターネットそのものへのアクセス機会率が十分高いとは言えない高齢者、そして一部国家においては、その対象全体との間にいくぶんのぶれが生じている、インターネットに有利に数字が動いている可能性を念頭におく必要がある。

まずは、諸国における「信頼できる情報を得るために」もっともよく利用しているメディアについて。択一回答であり、それ以外のメディアは一切使っていないわけでは無い。要は各国の人たちが信ぴょう性の高い情報を流していると判断している、情報の信頼性において一番だと認識しているメディアを選んでもらっている。

↑ 信頼できる情報を得るために最も利用するメディアの各国比較(2016年)
↑ 信頼できる情報を得るために最も利用するメディアの各国比較(2016年)

日本が一番信頼をしているのはテレビ。同様のパターンはドイツでも生じているが、それ以外のアメリカ合衆国、イギリス、韓国、中国ではインターネットがトップに挙がっている。もっともインターネットとテレビは第一位か二位かの違いで、その他のメディアは少数派。ただし日本では他国よりも新聞への傾注度が高く、ラジオが低いのも特徴的。

この類の「メディア信頼論」的な話では繰り返し解説しているが、テレビやラジオ、新聞、雑誌が多分に独占メディア的なものであり、情報発信元とインフラとしてのメディアがほぼ同一視されるのに対し(この類の設問で「新聞」と問われた際に、学級新聞を含めて考える人はいない。また「テレビ」に個人や一般企業が容易に配信できる動画配信は含めて考えない)、インターネットは多分にインフラとしてのメディアでのみの概念であって、コンテンツやその信頼性は多分に配信元に寄るところが大きい。実際、詳しくは別の機会に譲るが、インターネットの中でもニュースサイトの信頼性は高いが、ソーシャルメディアや動画配信・共有サイトなどは低い値に留まっている。それらがすべてまとめて「インターネット」として考えられるため、優先順位が低くなっていると考えられる。

テレビへの信頼度が高い日本だが、年齢階層別でみると、多分に年上の値がウェイトの点で大きな役割を果たしている。

↑ 信頼できる情報を得るために最も利用するメディアの各国比較(2016年)(日本)
↑ 信頼できる情報を得るために最も利用するメディアの各国比較(2016年)(日本)

とはいえ20代から40代でもテレビが一番、インターネットがそれに次いで3割台。50代以降は大きくテレビが突き放し、インターネットが減っていく。また60代では新聞が3割を超えていく辺りは、これらの世代のメディアへの信頼度の現状に関して、大きくうなづかせる結果ではある。

速報性ならどうだろう


それでは信頼できる情報ではなく、いち早く情報を取得するために、もっともよく使っているのはどのメディアだろうか。要は拙速を尊ぶ場合の選択肢である。

↑ いち早く世の中の出来事や動きを知るために最も利用するメディアの各国比較(2016年)
↑ いち早く世の中の出来事や動きを知るために最も利用するメディアの各国比較(2016年)

どの国もトップ回答はインターネット。ただし「信頼できる情報」にもあるように、日本ではテレビへの傾注度が高いためか、テレビとの回答も4割を超え、諸国中トップの値を計上している。ドイツでラジオがやや高めだが、それ以外はラジオ・新聞・雑誌・書籍共にごく少数でしかない。電波メディアとの観点ではテレビと同じであるが、優先順位ではテレビが上と認識されているのだろう。

韓国ではインターネットへの傾注度がもっとも大きく8割近く。中国は6割、それ以外は大よそ5割台。アメリカ合衆国のインターネットの値がやや低めだが、これは対抗馬となるテレビが高めなのに加え、他のメディアへもそれなりの値が出ているため。

これを日本に限り、年齢階層別に見ると、ある意味意外、ある意味必然と解釈できる結果が出ている。

↑ いち早く世の中の出来事や動きを知るために最も利用するメディアの各国比較(2016年)(日本)
↑ いち早く世の中の出来事や動きを知るために最も利用するメディアの各国比較(2016年)(日本)

40代まではインターネットが圧倒的でテレビはその半分程度しかない。しかし50代に入るとテレビが大きくせり上がり、その分インターネットが減る。そして60代ではテレビがインターネットを逆転してしまう。やはり40代までと50代以降で情報に関する大きなへだたりが生じているのと共に、今件がインターネット経由の調査であることを考慮すると、「各年齢階層別ではもう少し、特に中堅層以降でテレビへの傾注度が高いはず」「60代ではネット経由の調査にも関わらず、速報性の情報取得としてテレビをトップに挙げるほど、テレビへの信奉性が高い」との状況も確認できる。

グラフは略するが、各国とも歳が上となるに連れてネットへの傾注度が減り、テレビが増える傾向には変わりない。ただし日本ほど大きな差異が生じている国は他にないため(ドイツの60代がかろうじて近いが、単にテレビだけではなくラジオへも分散している)、日本の特異性が改めて認識される次第ではある。


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