逐次閲覧・視聴から定額制へ…世界の動画・音楽配信動向の現状と今後をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/08/25 11:13

総務省が2016年8月17日に発表した2016年版の【情報通信白書】の詳細値が確認できるHTML版では、昨今、そして将来に渡る情報通信に係わる国内外の情勢を、多方面から把握できる資料が盛り込まれている。今回はその中から、世界全体における動画配信や音楽配信の市場動向について見ていくことにする。

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次以降に示すのは同白書内で語られている、世界の課金型動画配信サービスの売上動向。一次ソースはアメリカ合衆国の市場調査会社IHS Technologyによるものと説明されている。なお2015年分までは実測、2016年以降は同社による予想値。

↑ 世界の動画配信売上高・契約数の推移及び予測
↑ 世界の動画配信売上高・契約数の推移及び予測

日本国内市場でも音楽や動画において、特定の作品を逐次購入するスタイルから、定額制の枠の中で好きな作品を何度でも視聴・閲覧できるサブスクリプション形式が大きな成長を見せている。その傾向は日本に限った話では無く、世界全体の傾向のようだ。すでにグラフで一番古い年にあたる2013年の時点で、定額制の動画配信の売上が、定額制以外の値を超えているが、年の経過とともにその差は大きく開いていき、同時に契約数も増加していく。定額制以外の売上も上昇していくが、差は広がるばかりで、2019年の時点では2倍近い差が出てしまっている。

白書ではこの動きに関して、「(定額制サービスは)有料動画配信サービス市場をけん引していくと見られている」と表記している。採算性、利益率の観点ではまた別の話になるが、市場が大きければ大きいほど参入によるチャンスも大きくなり、より多くのサービスが提供されるようになる。一方で、定額制を支える大きな柱となるであろう、インターネットのインフラに関しては、さらなる技術革新が求められるかもしれない。

インターネットを介してデータを届けるとの視点で考えれば、動画も音楽も大きな違いはない。音楽配信の市場動向も似たような動き。

↑ 世界の音楽配信売上高の推移及び予測
↑ 世界の音楽配信売上高の推移及び予測

↑ 世界の音楽配信契約数の推移及び予測
↑ 世界の音楽配信契約数の推移及び予測

音楽では定額制と定額制以外の利用様式が多分に異なるので、同一軸での比較が(売上はともかくダウンロードと契約数では)難しいところがあるが、少なくとも売上では2017年に定額制とそれ以外の額面が逆転するとの予想が出ている。新曲などは引き続き単独などの楽曲としてダウンロードの様式が採用され続けるだろうが、定額制の契約者数の増加に伴う市場拡大によって、定額制へのシフトがさらに進むことは容易に想像できる。



料金を気にせずサービスを使いたいから定額制に。これはインターネット(回線)の利用そのものと同じ方向性であり、その対象が動画や音楽にも浸透したと見れば、定額制の利用者増加・市場拡大は容易に納得がいく。他方、インターネットの回線は該当契約社のみの問題だが、動画や音楽などのコンテンツにおける「取り放題」的な市場形成の場合、それぞれのコンテンツを創って場に提供する作り手サイドにおいては、自作品が多数の作品に埋もれてしまう、数合わせに使われてしまうなど、独自性をアピールできなくなるとの不安も生じる。また、客寄せパンダのように使われ、手取りが独自配信と比べて落ちてしまうケースもあるだろう。

利用客の需要は定額制にシフトしつつある一方で、いかに作り手のモチベーションを維持する、さらには底上げする仕組みを構築できるかが、今後定額制サービスのかじ取りの上では必要になってくるのだろう。


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